オクラはネバネバする食材の中でもサッパリと食べることのできる緑黄色野菜です。夏の時期が旬で、夏バテにも効果的だと言われています。

実はオクラは英語でOkraと綴り、その形から「淑女の指(Lady’s Finger)」という異名があります。

夏野菜のオクラにはどのような栄養分が含まれているのか、その保存方法にはどのようなものがあるのか、説明します。

 


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オクラの栄養成分は効果は?

 

 

オクラの特徴はネバネバと種のプチプチした食感です。ネバネバした食材は体にとって良いと言われていますが、オクラにはどのような成分が含まれているのでしょうか。

オクラのネバネバは、ペクチンという水に溶ける性質を持つ食物繊維とムチンというたんぱく質が主な成分です。
オクラたくさん
ペクチンには整腸作用があり、下痢にも便秘にも効果がある物質です。またコレステロールを下げる働きもあるので、成人病が気になる人や血糖値が高い人には向いている野菜です。

ムチンにも整腸作用がありますが、粘膜を保護する力もあるのでドライアイ対策としても効果があります。

また、精力向上や疲労回復にも効果があるので、夏バテには非常に役に立つ食材です。オクラにはビオチンも多く含まれています。

ビオチンは、レバーなどに多く含まれている栄養素で、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素の代謝を促進する機能があります。

熱で分解されやすい栄養素ですが、オクラは生で食べることもできるので、ビオチンを摂取することがしやすい食材ということができます。

特にビオチンは、疲労した時に発生する乳酸を再び糖質に作り変える機能(糖新生、といいます)があります。つまり、ビオチンは疲労回復にも有効なのです。

オクラは見ての通り緑黄色野菜なので、βカロテンも豊富に含まれています。βカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、皮膚を健康に保ったり、視力を維持したり、丈夫な骨作りをサポートしたり、特に成長期の子供には不可欠な栄養素です。

 


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オクラはカルシウムも豊富な野菜です。カルシウムが不足すると人はイライラしたりするので、オクラには精神状態を落ち着かせる効果があります。

他にもアンチエイジング効果や美肌効果を持つ、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンKなどがオクラには含まれており、女性の美容にとっては嬉しい野菜です。
マーケットのオクラ

 

 

オクラの保存方法は?

 

 

オクラはアフリカ北部が原産地と言われており、寒いところはあまり得意ではありません。したがって、スーパーや八百屋でオクラを買ってきても冷蔵庫には入れない方がよいでしょう。

もともと長持ちはしにくくて、最適な温度が5℃から10℃の間と暑くても寒くてもダメな野菜です。

特に5℃以下では低温障害(成長が止まってしまう)を起こす場合があるので、冷蔵庫には入れない方が良いのですが、もし冷蔵庫に入れて保存する場合には、オクラに処理を施しましょう。

常温保存の場合であれば保存期間は5日間くらいですが、下記の冷蔵保存であれば1週間くらいは保存できます。

オクラのヘタの部分を下にしてコップや容器に立てます。コップなどの中にオクラのヘタが浸るくらい水を入れます。

この状態で2日から3日に1回水を交換すると、常温よりも長持ちするでしょう。

しかし、常温よりも2、3日間程度保存期間が長くなるだけなのに、この方法はかなり面倒です。積極的におすすめできるような方法ではありません。

常温の場合の保存方法は、まず袋からオクラを取り出して、新聞紙やキッチンペーパーで包んで、ビニール袋に入れます。その際には、ヘタを下にした方がよいでしょう。

風通しの良い暗くて涼しい場所で保管します。オクラの保存には適切な温度と水分が重要です。

オクラを濡らしてしまうと、濡れた部分から黄色く変色してしまうので、気を付けましょう。

常温保存でも冷凍保存でも、それほど長い期間の保存ができるわけではありません。できるだけ新鮮なうちに早く食べてしまうことをおすすめします。

 


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どうしても長期間の保存をしなければならない場合には、冷凍保存という方法が考えられます。

冷凍保存とは、その名の通りオクラを冷凍して保存する方法で、だいたい1カ月程度の保存が可能になります。

オクラは生のまま食べることもできますが、食べ方としては加熱して調理することが一般的です。

したがって、オクラを茹でてから冷凍した方がその後の調理も楽になるでしょう。最初にオクラを塩揉みします。

次いで、沸騰したお湯で20秒くらい茹でます。この時は少し固めに茹でるようにした方がよいでしょう。

茹ですぎると解凍したオクラはベチャベチャになってしまい、本来の美味しさがなくなってしまいます。

茹で上がったら、水分を良く拭き取ってパック(フリーザーパックがおすすめです)に入れて凍らせます。

冷凍したオクラは、解凍してそのまま食べることもできますし、冷凍した状態のままで調理することもできます。
ビニールのオクラ

 

 

オクラは生でも食べられるか?

 

 

オクラは生のままでも食べることができる野菜です。加熱しなければ含まれている栄養素が分解されることはないので、効果は抜群でしょう。

しかし、購入したオクラをそのまま食べることは避けた方がよいでしょう。下処理をしたオクラであれば生で食べても問題はありません。

そもそも美味しいオクラとはどのようなオクラなのでしょうか。オクラの実が濃い緑色をしていて、大きさも極端に大き過ぎないものは美味しいと思われます。

また、身に産毛がびっしりとたくさん生えていて、触った時にしっかりと固いものもおすすめできます。オクラを買う時の参考にしてみてください。

オクラの下処理の方法は、最初に生のオクラのヘタやガクの部分を取り除きます。ヘタやガクは、無理すれば食べれなくはないですが、美味しくないですし消化にも悪いでしょう。

 


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次にオクラを軽く水洗いして汚れを取り除きます。いろいろな人が触っていることも考えられるので、軽くでも必ず洗っておくことを衛生的にもおすすめします。

水洗い後に生のオクラに小さじ1杯くらいの塩をパラパラと全体にふりかけます。そして、まな板の上で、塩をふったオクラをコロコロと転がして「板摺(いたずり)」をします。

板摺とは、日本の伝統的な野菜の調理技法のひとつで、オクラ以外にもキュウリなどにも使われます。

細かい塩の成分が野菜の表面に付着、浸透して、野菜の表面を滑らかにして、鮮やかな緑色に変えてくれます。

また、野菜の青臭さが抜けて、調味料も染み込みやすくなり、アクも抜けます。

スクラブ洗顔剤が肌を引き締めてくれるように、板摺にも野菜の表面を引き締めてくれる効果があるのです。

現在ではあまり家庭では使われない方法かもしれませんが、オクラの味をもう一段引き上げてくれる効果があります。

このようにした処理をしたオクラであれば生で食べても大丈夫です。オクラはそのまま鰹節や醤油をかけて食べることもできますし、納豆に混ぜて食べることもできます。

特に納豆やとろろなどと混ぜる場合には、ネバネバする食材同士の組み合わせなので、疲労回復やスタミナを付けたいときには最適な料理になるでしょう。

他にも動物性たんぱく質である豚肉と合わせて、豚しゃぶとオクラの和え物などはバランスの良いメニューになるでしょう。夏場は梅干しと一緒にしてもよいかもしれません。

オクラは、見た目には小さくて可愛らしい野菜ですが、実は豊富な栄養素を持っている夏バテには大きな効果がある野菜なのです。