夏になるとどうしても暑さが際立ちます。熱中症予防などを含めても、適度な冷房器具の使用が必要となります。

今回はそんな冷房器具のうちクーラーと扇風機についてお話します。

クーラーのみを使用した時の電気代、扇風機のみを使用した時の電気代、併用した時の電気代について考えてみましょう。

 


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クーラーと扇風機を併用するのは良いこと?

 

 

クーラーと扇風機、どっちがより部屋の温度を下げることができるかと言われれば、温度設定が自由なクーラーの方に利点があがるでしょう。

では、扇風機と併用することによって起こるメリットとはなんでしょうか。また、併用することによりデメリットがあるのかも気になるところでしょう。

 

メリット

 

第一に挙げられるのが、冷却の効率化です。暑いと感じるのは、気温のせいだけではなく、その気温による体感温度というものがあります。

 

扇風機をつけると、クーラーで冷やされた空気を循環させ、常に冷たい空気を受けることができます。

 

また、エアコンから直接風を受けられない場所でも、扇風機により空気の流れ方を変えることができ、風を浴びることができます。

 

第二に挙げられるのが、節電効果です。第一のメリットにより、クーラーの設定温度を高くしても十分に涼しく感じることができます。

 

一説によると、クーラーのみで快適に過ごせる設定温度と、クーラーと扇風機の併用時に快適に過ごせる設定温度では、約2℃の差が生まれるとも言われています。

クーラーの設定温度を2℃上げるだけでも節電効果は十分に望めます。また、節電とともに環境にも優しい、エコな運転ができます。

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第三に挙げられるのが、身体に優しいということです。冷たい空気は重たく下のほうにたまり、反対に熱い空気は上のほうに昇ります。

 

これはどういうことを意味するのかというと、クーラーで冷やされた空気は足元だけを冷やすということです。

 

身体はまだ暑いと感じているのに、足元だけが冷えたり、お腹を壊したりということはありませんか?

 

特に女性にとっては冷えというのは天敵です。日本には昔から「頭寒足熱」という言葉があります。

 

足元はなるべく冷やさないようにし、頭の方は通気性を持たせ、熱をこもらせないようにした方がよいという先人の教えです。

 

デメリット

 

では、クーラーと扇風機を併用するデメリットとはなんでしょうか。実のところ併用することに関してはあまりデメリットらしいデメリットはないと言えるでしょう。

考えられるのは、扇風機の購入費用がかかる点、設置するのに場所を取るという点、あまり広い範囲に風が送れないという点でしょうか。

 

ですが、最近では安いものは数千円程で売られていますし、扇風機よりも小型で場所を取らないサーキュレーターがあります。

 

また、扇風機とサーキュレーターの2台を置きたくないという方には、サーキュレーター機能付きの扇風機というものがあります。

 

扇風機の高さを自由に調節でき冷風を送れる点と、サーキュレーターの強い送風機能を持ち合わせているので、1台で2度美味しい扇風機です。

 

 

扇風機VSサーキュレーター

 

 

さきほどサーキュレーターという言葉が出てきましたが、これは一体なにかご存知ですか?サーキュレーターは、空気を循環させる機械のことです。

 

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どちらも同じ機能に思えますよね。でも、この2つは似て非なるものなのです。

 

扇風機は基本的に冷房器具です。つまり、人が涼しく感じることを目的として設計・開発されています。一方サーキュレーターは、あくまで空気を循環させることが目的です。

扇風機は冷たい風を局地的に送るため、涼しさを感じる範囲は限られています。ですので、エアコンと併用してもあまり部屋が広ければ効果を感じることが難しいかもしれません。

サーキュレーターは風を送ることに特化した機械です。前方に一直線に風を送るので、扇風機と比べると広範囲に風を送れます。

 

ですが、基本的に床に設置するものですので、振動が気になることもあります。

 

 

どのような配置で置いたらよい?

 

 

では、クーラーと扇風機を併用するのであれば、どのように設置することで体感温度を快適にすることができるのでしょうか。

部屋の構造や、冷風を届けたい場所によっても異なりますが、おすすめの位置をいくつか紹介しましょう。

まず、一般的な四角い部屋ですが、その時はクーラーのついている壁の対角線上に設置します。そして、扇風機の向きはその対面側の壁の方向です。

扇風機が背面から吹いてくるクーラーの冷風を、壁に向かって吹き出すことで、下にたまった冷たい空気が壁をつたい天井へ流れます。

 

そうして空気の循環を作ってあげることで、部屋中に冷たい空気が流れます。

 

また、反対にクーラーに向けて扇風機の風を送ると、クーラーから吹きつける冷風をそのまま天井方面に流すことができます。冷たい空気は自然に下へと降りていくので、空気の循環ができます。

もし、クーラーの冷風を別の部屋にも流す必要があるのであれば、涼しいところに扇風機を設置し、別の部屋に空気を送りましょう。

 

 

電気代は?

 

 

気になるところが、一体どのくらいの節電効果を示してくれるのかということでしょう。では、具体的な数値も交えながらお話します。

 

クーラーや扇風機をつける期間は6月〜9月までとします。また、1ヶ月は30日計算としています。

 

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計算条件はクーラーの消費電力を600W(26℃時)、扇風機の消費電力を35W(強)、24時間つけっぱなしにした場合ですので、消費電力が大きければより高くなりますし、小さければ安くなります。

電気代の計算は家仲間コムのシミュレーターによるもので、東京電力を使った場合のものです。

 

クーラーのみで夏を乗り切った場合

 

環境省が、エコの取り組みで推奨している温度は28℃ですが、実際問題体感温度を28℃にしようと思えば、設定温度はもう少し低くする必要があります。ですので、今回は26℃設定での目安です。

なんと、1ヶ月で11,232円という数字が出ました。これを4ヶ月使うのですから、44,928円かかりますね。

 

扇風機のみで夏を乗り切った場合

 

扇風機のみで夏を乗り切れば、たとえ強の設定であっても1ヶ月でわずか655円となりました。4ヶ月使いっぱなしでも2,621円です。

 

クーラー26℃で夏を乗り切った場合と比べると、4ヶ月で42,300円もの差がでました。

 

ですが、あまり扇風機のみで夏を乗り切るというのは現実的ではないでしょう。

 

特に赤ちゃんや小さな子供、高齢者は暑さにより熱中症を起こすリスクが高いですので、室温が高くなりすぎるというのは危険です。

 

クーラーと扇風機を併用した場合

 

扇風機を併用することで、設定温度を2℃あげても体感温度は変わらないため、28℃設定とします。

クーラーは設定温度を1℃あげる度に、約10%の節電効果があります。ですので、2℃あげたとすれば、1ヶ月で9,098円となり、4ヶ月で36,392円となります。

ここに、さきほどの扇風機にかかる電気代を加えても39,000円ほどになります。4ヶ月で3,000円ほど浮く計算になります。

 

結局安くなるの?

 

もちろん、この値はシミュレーターであって実測値ではありません。ご家庭の電力プランなどによっても実際にかかる電気代は異なるでしょう。

ですが、クーラーと扇風機を併用することによって、クーラーの設定温度を快適にあげることができます。そうすると、使用電力は下がりますので、電気代は安くなります。

また、クーラーは設定温度に下げるまでの時間と設定温度を維持する時間の消費電力が異なります。下げる時に消費電力は大きく、維持する時の方が小さいです。

扇風機を併用することで、早く設定温度まで室温を下げることができますし、そもそも設定温度が違いますので、併用した方がより早く室温と設定温度が近づきます。

よって、どんな環境であれ扇風機を併用した方が、クーラーにかかる電気代は安くなると言えます。

 

 

健康には実際よいの?

 

 

クーラーのみで部屋を充分冷やそうとすれば、低い温度に設定する必要があります。そのため、部屋の余計な乾燥を招き、夏風邪などの原因になります。

また、低い位置に冷たい空気が流れてしまうので、お腹を壊すこともありますし、女性であれば生理痛などの原因となります。また、足元の血流が悪くなるのでむくみの原因にもなります。

このことから、クーラーと扇風機を併用した方が健康にもよいと言えるでしょう。

 

いくら電気代がかからないからといって、熱中症になっては元も子もありません。暑いな、と感じたら素直に冷房に頼る方が結果的にはよいことの方が多いです。

 

この夏はクーラーと扇風機の併用で、経済的かつ健康的に過ごしてみるのはいかがでしょうか。