瞬間接着剤を誤って手につけてしまった場合、瞬間接着剤を落とすことに相当苦労しますよね。くっついた指を下手に剥がそうものなら、指の皮まで剥がれてしまう可能性もあり、大変危険です。
この記事では、瞬間接着剤がついてしまった場合に安全に剥がすことができる方法をご紹介します。
また、プラスチックやゴムといった皮膚以外の物に瞬間接着剤がついてしまった場合の剥がし方についても併せてご紹介しますので、瞬間接着剤がついてしまう可能性のある様々な局面に対応できるようになることでしょう。
これから瞬間接着剤を使う機会が多くなるという方は、作業の前に対処法をしっかりとチェックしておきましょう。
瞬間接着剤とはどのような成分で出来ている?取り扱い注意点は?
まずは瞬間接着剤に関する基本的な知識をご紹介します。瞬間接着剤はどのような成分で構成されており、どのような性質があるのでしょうか。取扱いにおける注意点と併せてお伝えします。
瞬間接着剤の成分は?
接着剤は、以下の成分で構成されています。
☑溶剤
☑粘着付与剤
☑可塑剤
☑硬化剤
☑希釈剤
☑充填剤
☑増粘剤
☑顔料
☑老化防止剤
☑酸化防止剤
☑消泡剤
☑難燃剤
☑防腐剤
構成成分が多いため一つ一つの説明は割愛しますが、イメージとしては主成分・液化剤・その他の添加物に大別されていると考えてよいでしょう。
接着剤の主な機能はほとんどが主成分の性質によって賄われており、さらにその効果を上げるために様々な添加物が付随しています。
主成分に粘着力が含まれていますが、瞬間接着剤が塗布される直前は液状になっていないと対象物に接着させることができません。
円滑に接着が行えるよう、瞬間接着剤を液状にするための添加物として、溶剤・水・可塑剤などが加えられています。さらに瞬間接着剤の種類に応じて、その他の添加物が少量加えられているといった構成です。
接着剤の中でも特に強力な瞬間接着剤には、代表的な主成分として有機化合物のシアノアクリレートが用いられています。シアノアクリレートは接着する対象物のわずかな水分に反応して瞬間的に化学反応を起こし、一瞬にして対象物に接着する性質があります。
瞬間接着剤の取り扱いにおける注意点は?
瞬間接着剤の粘着力は非常に強力であるため、扱う際には万全を期しましょう。小さいお子様がいる家庭では、絶対に子供の手が届かない場所に保管しておく必要があります。また、瞬間接着剤は劣化も早いため、冷蔵庫に保管して寿命を伸ばすと良いでしょう。
瞬間接着剤に用いられているシアノアクリレートは化学物質であるため、化学反応による思わぬ事故にも注意しておく必要があります。
熱源に触れると化学反応を起こし、シアン系の有毒ガスが発生してしまうため、火気は厳禁であると覚えておきましょう。
瞬間接着剤がいろいろな物に付いた時の落とし方は?
瞬間接着剤がいろいろな物についてしまった場合の落とし方について考えてみましょう。
瞬間接着剤の主成分はシアノアクリレートですので、状況別にシアノアクリレートを適切に落とすことができる方法をお伝えします。
手や、指、爪などについた時
まずは手や指のような皮膚や、爪といった人体にまつわる箇所に瞬間接着剤がついてしまった場合の落とし方をご紹介します。
40℃以上のお湯に瞬間接着剤が付着してしまった部分を浸けながら、ゆっくりと揉むようにして剥がしていきます。
この時に接合部を無理に揉むと皮膚が破けてしまい、指紋が無くなってしまったという事態になりかねませんので、周辺からじっくりと揉み込んでいきましょう。
可能であれば、マニキュアを剥がすときに用いられる除光液を利用してみて下さい。除光液に含まれるアセトンという成分には、瞬間接着剤を溶かす効果があるため、簡単に剥がすことができるでしょう。
除光液の中にはアセトンが含まれていないものもあるため、除光液を選ぶ際にはアセトンが含まれているかどうかにご注意ください。
プラスチックに付いた時
プラスチックに瞬間接着剤がついてしまった場合は、除光液のアセトンによって剥がすことは避けましょう。アセトンを用いることでプラスチックごと溶かされてしまい、変質してしまう可能性があるからです。
プラスチックから瞬間接着剤を剥がすには、やすりで徐々に磨いて剥がしていく方法が有効です。瞬間接着剤によってやすりが湿ってしまう可能性もあるため、可能であれば耐水性のやすりを用いましょう。
また、やすりによって目が粗い物と細かい物に分かれるため、使分けながら削るとスムーズに作業ができます。
最初は粗い目のやすりで接合部をおおまかに削っていき、瞬間接着剤が剥がれそうになってきたら、プラスチックを一緒に傷つけてしまうことを避けるために細かい目のやすりに切り替えましょう。
細かい目のやすりで丁寧に仕上げれば、プラスチックを傷つけることなく瞬間接着剤を剥がすことができるでしょう。
傷が目立つ場合は、コンパウンドを用いて均すことで目立たなくさせることができます。
金属に付いた時
金属に瞬間接着剤がついてしまった場合も基本的にはプラスチックと同じ手順で剥がせば良いですが、金属はツルツルしているためプラスチック程は苦労しません。やすりを使わずとも、耐水性のペーパーを使えば事足りるでしょう。
爪で削るだけでも剥がすことができる可能性があるため、手ごろな紙が無い場合は試してみると良いでしょう。
多少傷がついてしまっても、コンパウンドを用いて均せば見た目も綺麗に戻すことができる可能性が高いです。
金属もアセトンを用いることで変色してしまう可能性があるため、アセトンの使用は控えましょう。
ガラスに付いた時
ガラスに瞬間接着剤がついてしまった場合は、剃刀の刃で徐々に削ぎ落していく方法がオススメです。剃刀のみで瞬間接着剤を全て削ぎ落すことは難しいため、残った部分はお湯に浸した布などを用いて拭い取りましょう。
アセトンを用いることで、より綺麗に拭き取ることができるでしょう。
ゴムに付いた時
ゴムについた場合も、プラスチックや金属と同様の方法で剥がしましょう。やすりやペーパーを用いてこすりつつ、お湯に浸した布などで拭き取ればオーケーです。
ゴムにはアセトンを用いても変色はしないため、アセトンを用いながら簡単に剥がしていくことができるでしょう。
瞬間接着剤にはアセトンが有効!
上記で紹介した内容からもわかる通り、基本的にはアセトンを用いることで瞬間接着剤を簡単に剥がすことができるようになります。
瞬間接着剤専用の剥がし液が様々なサイトで紹介されていますが、この剥がし液の中身もアセトンです。除光液と同じような効果であると思ってください。
アセトンを用いて剥がすことは非常に便利ですが、プラスチックや金属に用いた場合は、変色してしまう可能性があることを忘れないでください。特にプラスチックはアセトンに溶かされてしまう性質があるため、要注意です。
アセトンはお肌に対する刺激も強いため、使用の際はハンドクリームなどを用いてケアすることも心がけましょう。
瞬間接着剤を落とす時は慌てずに!
瞬間接着剤の落とし方についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。瞬間接着剤は強力無比な粘着力を誇るとはいえ、丁寧に処理すればしっかりと落としきることが可能です。
誤って意図しない場所につけてしまったとしても慌てずに、この記事で紹介したやり方で対処するようにしましょう。