お札が破れてしまって困った経験はないでしょうか。
お札が破れてしまった場合、そのまま使用していいのか気になることでしょう。
この記事では、お札が破れてしまった場合、問題無く使うことができるかどうかについて解説します。
銀行で新しいお札に交換してもらえるかどうかについてもご説明しますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
お札が破れたら使える?
お札が破れたら、どの程度まで問題無く使用することができるのでしょうか。
破れたお札の扱いに関しては、実は日本銀行により明確にルールが定められています。
☑お札の全体面積の3分の2以上が残っている場合、本来の価値を維持できる
☑お札の全体面積の3分2未満かつ、5分の2以上が残っている場合、価値が半減する
☑お札の全体面積の5分の2未満しか残っていない場合、お札の価値は無くなる
いかがでしょうか。
上記のルールを見てみると、破れたお札のルールは細かく規定されていることがわかります。
また、お札が破れてしまったとしても、お札自体の価値が無くならないことも読み取れるでしょう。
お札の端っこが少し破れてしまった程度であれば、お札の価値は1円も下がらないということがわかり、安心された方も多いのではないでしょうか。
極端な例を出すならば、1万円札が半分に破れてしまった場合、それぞれのパーツは5千円札と同じ価値を持つことになります。
破れてしまっているとはいえ価値を持った立派なお金ですので、5分の2以上残っている場合であれば、破れたお札を日常生活で使用することも可能です。
破れたお札を使う際の注意点は?
法律上は破れたお札を使っても問題はありませんが、実際に破れたお札を使おうとする場合、様々な不便が生じる可能性があります。
シチュエーションごとに破れたお札を使う場合の注意点をお伝えします。
破れたお札を使うことによってトラブルが発生してしまう可能性もあるため、しっかりとここで確認しておくようにしてください。
atmなどでは使用できない
atmなど自動的にお金を扱う機械に対して破れたお札を使用することはできないと考えておきましょう。
法律上は破れていても問題無く使えることになっているお札ですが、機械が破れたお札を中々お札として認識してくれないという問題があります。
機械が上手く処理してくれない以上、お金としての価値は無いに等しいでしょう。
少し破れた程度のお札であれば、テープで止めておけば機械も認識してくれるようになる可能性はあります。
しかし、お札を通した際にテープが機械に引っ掛かってしまい、機械の故障に繋がる恐れがあります。
最悪の場合、機械が壊れた場合に弁償させられる可能性もあるため、atmのような無人機に対して破れたお札を使うことは避けることが無難であると言えます。
店員さんとやり取りする場合
店員さんとお金のやり取りをする場合は、破れたお札を使用することが可能です。
店舗によっては破れたお札を受け取ってくれないところもありますので、破れたお札を見せて先に聞いてみると良いでしょう。
ただ、店員さんの苦労を考えてあげるのであれば、できる限り破れたお札を渡さない方が良いでしょう。
破れたお札をレジに入れることで売り上げの計算がしにくくなりますし、店員さんによっては破れたお札をお金として使用できるという知識が無く混乱をきたす場合があります。
店員さんを不必要に混乱させて無駄な時間を取りたくないという場合は、破れたお札は使わないことをオススメします。
どうしても破れたお金を使いたいと考えている場合は、押し通すことも可能です。
通貨には強制通用力という力が働いており、店側は破れたお札を拒否することはできません。
店側の場合
自分が店側である場合、お客さんから破れたお札を渡されて困る場合があります。
破れたお札を受け取っても構いませんが、破れたお札を抱えることはデメリットが大きいです。
破れたお札は別途で管理しないといけないですし、破れたお札のまま本社に入金できないなどの理由で、銀行に行って破れたお札を新札に戻してもらう手間もかかる可能性があります。
お店のルールによっては、破れた新札を受け取ることで非常に処理が面倒になる場合があるため、できれば受け取らない方が良いです。
処理が困難になるため、破れた新札は受け取らないというルールをお店の中で設定しておき、従業員に周知しておくようにすると良いでしょう。
この場合、あくまでお客さんには破れたお札を使わないようお願いする態度で臨む必要があります。
法的に問題ないからと言う理由で押し通そうとしてくるお客さんがいる場合は、トラブルを避けるためにも素直に受け取った方が良いです。
日本のお札には強制通用力という力が与えられており、日本銀行券によって決済される場合、受け取り側は拒否できないというルールがあります。
様々なサイトで破れたお札を断固拒否することをオススメするような内容が書かれていますが、破れたお札を断固拒否してお客さんに訴えられた場合、裁判で負ける可能性も十分にあるということを覚えておいてください。
クレジットカードなど、無形のお金による支払いを拒否して現金での支払いを要求する権利はお店側に認められていますが、現金を他の現金に替えることをお客さんに要求する権利はお店には与えられていません。
綺麗なお札を使うかどうかはお客さんの良心に委ねられているため、お店側から破れていないお札に替えてもらうことを強制することはできず、お願いする形を取ることしかできません。
しかし、上記については法律上の原則的な話であり、様々な例外も設定されています。
判例を探しても見つけることはできなかったため、実際に裁判になった場合、最終的にどのような結果に転ぶかまでは判断できません。
少なくとも、お店側で破れたお札を断固拒否することは、法的に違反する行為であると捉えられる可能性があることだけは覚えておきましょう。
お札の強制通用力について考慮せず書かれているサイトは多いため、全てを鵜呑みにしないよう気を付けてください。
銀行で交換してもらうときの注意点とは?
破れたお札を流通させると様々な人に迷惑がかかりますので、破れたお札が自分の手元に発生した場合は、できる限り新札に交換してもらうようにしましょう。
近所の銀行や信用金庫に持っていけば、両替表に記入するだけで価値に応じた新札と交換してくれることでしょう。
少し破れた程度であれば、すぐに手続きは完了します。
郵便局では交換してもらうことはできないため、ご注意ください。
あまりにも酷い破れ方をしている場合、鑑定してもらった上で新札に交換してもらう必要があります。
お札が3等分に破れている場合や、破れたお札の片割れを紛失してしまっている場合は鑑定が必要になる可能性があるため、お札の破片も漏れなく保管しておくようにしておきましょう。
シュレッダーで細かくお札を刻んでしまったり、燃やして焦がしてしまったりして複雑な損傷を与えてしまった場合にも鑑定が必要となります。
シュレッダーでバラバラになってしまったお札は、一つ一つ繋ぎ合わせた状態で鑑定に出さねばならず、非常に手間がかかります。
お札の損傷具合によってどのような対応が必要になるのかは銀行のサイトに掲載されているため、参考にしてみてください。
鑑定が必要な場合は、日本銀行のみでしか申請ができない点にご注意ください。