スキムミルクとはあまり若い世代にはなじみ深いものではないかもしれません。

 

スキムミルクとは別名脱脂粉乳とも呼ばれており、戦後すぐの学校給食では牛乳の代わりに出されていたものです。

脱脂粉乳ですので、牛乳から脂肪分を抜いて、さらに水分を飛ばして粉状にしたものを指します。

 


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当時の脱脂粉乳は、海外から輸入されていたもので、あまり品質は高いものではありませんでした。

 

そのため、脱脂粉乳を飲まれていたからすると、臭くてまずいという印象をお持ちの方も少なくはないでしょう。

 

ですが、現在スキムミルクとして販売されているものはにおいにクセがなく、味もよくなっています。

 

また、牛乳から脱脂粉乳にする過程で脂肪分を抜いているため、脂肪分はほとんどないのに対し、カルシウムやたんぱく質といった栄養素は同じ量の牛乳よりも多く、ダイエット中であったり筋力トレーニングをしている方の栄養補給手段としては優秀な食品です。

 

もちろん、カルシウムやたんぱく質は体の基礎を作る栄養素ですので、成長期にある子供にもおすすめできるものだと言われています。

 

ですが、スキムミルクが危険だという話を聞いたことはありませんか?

 

今回の記事では、そんなスキムミルクの危険性などについてご紹介します。

 

 

スキムミルクの成分は?

 

 

スキムミルクは、牛乳から作られていますので、牛乳と同じような成分を含んでいます。

 

さらに、牛乳の栄養素の多くはスキムミルクに使われる部分にありますので、脱脂しても栄養素は豊富に含まれているのが特徴です。

 

では、牛乳とスキムミルクにどのくらいの栄養素が含まれているのかを比較してみましょう。

 

脱脂粉乳は粉状ですので、一度に使う量がそれほど多くはありませんが、100gで359kcalと高カロリーな食品です。

 

ですが、その中にはたんぱく質が34.0g、脂肪はほとんどなく1.0g、炭水化物が53.3g含まれています。

 

一方牛乳は100gつまり約100mlあたりカロリーは67kcalです。

 

含まれる栄養素は、たんぱく質が3.3g、脂肪が3.8g、炭水化物が4.8gです。

 

では、同じカロリーあたりに含まれる量ではどうでしょうか。

 

脱脂粉乳67kcalは、約18.7gですので、計算しやすいように20gとして扱います。

 

するとたんぱく質は、6.8gと牛乳の約2倍、脂肪は0.2gと約1/20、炭水化物は10.7gと約2倍です。

 

やはり、脂肪分以外の栄養素は牛乳よりも高いということができます。

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基本的には、牛乳に比べると同じカロリーを摂取するのであれば、脂肪分以外は2倍から5倍の栄養素が含まれているのがスキムミルクです。

 

 

安全なのか?危険なのか?

 

 

やはり食品ですので気になるのは安全性ですよね。

 

では、どういったことが原因でスキムミルクは危険だと言われているのでしょうか。

 

牛に与えている飼料が危険?

 

牛乳が日本で搾乳されていたとしても、その牛の食べている飼料というのはどうなのでしょうか。

 

実は、牛に与える資料として広く使われているのは、アルファルファと呼ばれるマメ科の植物でたんぱく質を多く含みます。

その飼料はほとんどがアメリカから輸入されたもので遺伝子組み換えを行われています。

 

研究により、遺伝子組み換え植物の危険性はすでに指摘されているので、遺伝子組み換え植物を使った食品は表示義務がありますが、遺伝子組み換え植物を家畜の飼料として使用していても表示義務はありません

 

ですので、牛乳あるいはスキムミルクの原材料として遺伝子組み換え植物を食べて育った牛から搾乳されたものが使われていても、消費者側は一切わかりません。

 

ホルモン剤と抗生物質が危険?

 

牛から大量の乳を搾るために、多くの農家では牛にホルモン剤を投与することがあります。

 

これらのホルモン剤を使用することにより、使用していない牛と比べると10%から40%程度多く乳を搾ることができるようになります。

 

ですがホルモン剤を継続的に長期にわたって使用すると、細菌などにより乳房へ感染がおこりやすくなります。

 

そのため、炎症や膿が出ることがあります。

 

その治療のために抗生物質が投与されるのですが、ホルモン剤を投与している期間は抗生物質も投与することになります。

 

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そのため、大量の抗生物質が牛に入ることになり、中には薬剤耐性をもった菌ができてしまったり、大量投与により牛乳にも抗生物質が混じったりすることがあります。

 

それらが健康な人体に入ることで悪影響を及ぼすというのが危険といわれる理由の1つです。

 

放射能の汚染が危険?

 

東日本大震災の時に原発問題で騒がれましたが、牛乳自体が放射能汚染されているという危険性があるのではないかということです。

もちろん牛乳自体が汚染されていれば、その牛乳を使って作られたスキムミルクも汚染されている可能性があります。

 

濃縮しているから危険?

 

栄養の部分でもお話ししましたが、スキムミルクは牛乳を濃縮して作ったものです。

 

ですので、体に悪い物質が入っているとそれらも濃縮していることになります。

 

抗生物質や、放射能が牛乳の時点では基準値以下でも、濃縮することによって一度に多く摂取することになるというのが危険だと言われています。

 

原材料の管理体制が危険?

 

スキムミルクは、牛乳から加工することができますが、実はバターやチーズ、生クリームなどの乳加工製品を作った後の残ったものからも作ることができます。

 

つまりは、それらの加工工場から出てきたものはいわば廃棄物となり、品質管理が徹底されていないことがあります。

 

戦後まもなく日本に輸入されていた脱脂粉乳はバターなどを作ったあとに出たものを、そのまま廃棄するのはもったいないからと脱脂粉乳に加工していたといわれています。

 

子供には飲ませないほうがいいの?

 

少ない量で栄養が取れるからといった理由で離乳食や牛乳代わりとして子供に与えるという方もいるでしょう。

 

ですが、以上の理由から考えても与えすぎには注意です。

 

毎回の離乳食、あるいは毎日のように飲ませるのではなく、時々使う程度でしたらほとんど問題はありません。

 

また、離乳食に使うときはアレルギーに注意が必要です。

アレルギーとは、その食品に含まれるたんぱく質に反応して起こります。

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ですので、牛乳アレルギーであれば同じたんぱく質構造を持つスキムミルクにも反応が出ます。

 

むしろ、たんぱく質が濃縮されていますので、少しの量で反応が起きる場合もありますので、ごく少量から開始し、アレルギーに問題がなくてもその後も少量を時々与えるほうがよいでしょう。

 

安全にスキムミルクを摂取するためには

 

まずは原材料として使われている牛乳が安全であることが大切です。

 

具体的には汚染されていない土壌で、なるべく遺伝子組み換えの飼料を食べていないことや、ホルモン剤や抗生物質をあまり投与されていないことがあげられます。

例えばよつ葉乳業で作られているスキムミルクは、産地にこだわりを持っていて、現在15戸の酪農生産者と契約しています。

 

その15戸は非遺伝子組み換え飼料にこだわっており、乳牛や人、土壌にまで気配りをした酪農を行っています。

 

また、ホームページから生産者の情報も見ることができますので、安心できますね。

 

 

まとめ

 

 

栄養価が高いスキムミルクですが、様々な理由から危険性が高いのではないかといわれています。

 

きちんと製造管理され、安全が保障されていれば様々な料理に使ったり赤ちゃんの離乳食として与えることもできます。

 

食品すべてに言えることですが、どこで生産されているのか、安全な材料を使っているのかということを調べることができれば、安心して摂取できますね。