古来の日本から、秋の味覚の1つとして食べられてきたフルーツの柿。
お家によっては庭などに柿の木などもあり、手に入りやすいフルーツとしても知られています。
ですが、手に入りやすいということは大量に入手する機会があるとも言えます。
食べきれない量はやはり、保存しておきたいですよね。
では、そんな柿はどのように保存すればよいのでしょうか。
今回の記事では下記の保存方法と保存可能な期間についてご紹介します。ためしてガッテン。
また、食べごろの見極め方についてもあわせてご紹介しますので参考にしてみてください。
柿はどのように保存すると長持ちする?
柿はその実の熟し度合いによって、保存方法と保存可能な期間が左右されるフルーツです。
柿は他のフルーツに比べても熟しやすいですので、なるべく熟しきってしまう前に保存しておく必要があります。
もちろん、熟すと甘みが増しますので美味しくはなります。
ですが、完熟を迎えてしまうとあとは腐敗するだけですので、美味しい時期を逃さないためにも食べごろの見極めが必要となるのです。
もちろん、木に生っている間に熟そうとしますが、柿は追熟をするフルーツです。
つまり、柿は収穫後にも熟そうとします。
追熟するためには、柿の中にあるでんぷんが呼吸により消費され、果糖に変わる必要があります。
ですので、柿の呼吸を抑えてやることで追熟のスピードを抑えることができ、保存期間を長くすることができるのです。
柿は主にヘタの部分で呼吸を行っていますので、ヘタに手を加え、呼吸を抑えることが重要です。
常温保存の場合
基本的に熟す前の柿は冷暗所で常温保存してやるとよいです。
ですが、柿の収穫時期である秋から冬にかけては空気が乾燥しています。
柿は乾燥に弱いフルーツですので、傷みが早くなります。
また、柿自身からもエチレンガスが発生しており、そのエチレンガスの働きにより追熟が促進されてしまいます。
ですので、柿を常温保存する際はヘタの部分が乾燥しないようにしてやります。
柿のヘタの部分に、湿らせたティッシュペーパーやキッチンペーパーをあてがいます。
ヘタを下向きにし、新聞紙などで包むことで乾燥を防ぐことができます。
冷暗所に入れて保管しますが、キッチンペーパーなどが乾燥した場合は、水を足して湿らせます。
ヘタが乾燥してしまうとすぐに追熟が進んでしまいますので、必ず毎日キッチンペーパーなどが湿っているか確認してください。
冷蔵保存の場合
すでに熟している、あるいはまだ完熟ではないけれども好みの固さであるときは、冷蔵庫での保存をおすすめします。
冷蔵庫に保存することで、追熟の速度を落とすことができます。
ですので、まだ固い柿を入れてしまうと追熟はせずに柔らかくなることがあります。
冷蔵庫内は常温に比べて乾燥しやすいですので、しっかりと乾燥対策をしてやり保存しましょう。
こちらも柿のヘタ部分に湿らせたティッシュペーパーやキッチンペーパーなどをあてがい、水分の蒸散を抑えます。
エチレンガスによる追熟の促進を防ぐために、ビニール袋やポリ袋などに1つずつ入れ、なるべく空気を抜き、口を閉じます。
ヘタを下向きにし、野菜室などで保存します。
定期的にキッチンペーパーなどが乾燥していないかをチェックし、乾燥する前に水を足すか、新しいものと取り替えます。
冷凍保存の場合
柿はあまり冷凍保存には向いていません。
冷凍し、食べるときに解凍するとどうしても中がどろどろとしてしまいますので、しゃきしゃきとした食感が残った状態の柿が好きだという方にはおすすめできません。
ですが、冷蔵保存に比べても長期間保存ができますので、大量にもらってしまったという時には使える保存方法です。
また、生食用としてではなくピューレやスムージーなどの具材にする場合は皮が溶けてしまっていても構わないため、冷凍保存でも問題はありません。
適度に熟した柿は、丸ごと冷凍保存することができます。
寒さには強いフルーツですので、冷凍保存してもほとんど品質に変わりはありません。
そのまま食べることを考慮し、あらかじめ皮やヘタごと流水で洗います。
1つずつフリーザーバッグなどに入れ、なるべく空気を抜きます。
真空に近づけることで、解凍後も冷凍前の状態に近づけることができます。
熟した柿や、まだ熟していない柿は皮をむいて食べやすい大きさに切ってから冷凍保存することができます。
小分けにした柿を、1つずつ、あるいは少量ずつラップやビニール袋、ポリ袋などで包みます。
それをフリーザーバッグなどに入れ、空気をしっかりと抜いてから冷凍保存します。
食べるときは、半解凍状態でシャーベット状にして食べるか、スムージーなどの具材に使うことがおすすめです。
熟しきった柿は、そのまま冷凍してしまうと解凍したあとにどろどろに溶け切ってしまいますので、食べにくくなってしまいます。
ですので、そういった柿は最初からピューレ状にして冷凍保存します。
皮をむき、種を取りながら実をほぐしていきます。
ミキサーやフードプロセッサーなどを使うか、包丁でなるべく小さく刻みます。
フリーザーバッグなどに入れ、なるべく平らにしながら空気を抜き、冷凍保存します。
すでに切ってしまった柿の保存方法
もし、切ってしまった柿が残ってしまい保存しなければならないときは、冷蔵庫などで保存しましょう。
野菜室に比べると冷蔵庫のほうが室温が低く、長持ちさせることができます。
なるべく空気に触れさせないほうが長持ちしますので、できるだけ密閉して保存しましょう。
渋柿の保存方法は?
上記でご紹介した保存方法は基本的に生食を前提とした甘柿の保存方法です。
では、渋柿と呼ばれる柿はどのように保存すればよいのでしょうか。
渋柿は元来日本で使われていた、柿の保存方法である干し柿として保存することを強くおすすめします。
実は、渋柿は甘柿よりも糖度が高いのです。
ですが、水溶性のタンニン性物質であるシブオールという物質があるため、唾液の中で溶け、渋みを感じてしまいます。
甘柿は、このシブオールが熟すことで変性し不溶性になるため、口の中で溶け出さずに甘さだけを感じることができます。
ですが、渋柿も干すことによりこのシブオールを抜くことができ、強い甘みを感じることができるようになるのです。
柿の保存期間はどれくらい?
では、実際に柿を保存するとしてどのくらいの期間美味しさを保ったまま保存することができるのでしょうか。
常温保存の場合
常温保存ですと、特に何も対策しなければ2日から3日程度で熟しきってしまいます。
キッチンペーパーなどを使うことにより、熟すまでの期間を延長することができますが、10日ほどで食べきるようにしましょう。
冷蔵保存の場合
まだ熟しきっていない柿でしたら、1か月程度は食べることができます。
ですが、すでに熟している場合は2週間を目安に食べきるようにしましょう。
すでに切ってしまった柿を冷蔵保存している場合は、なるべく次の日、おそくても3日以内に食べてしまいましょう。
もしそれ以上期間があくようでしたら、食感は失われてしまいますが冷凍保存をしたほうが無難です。
冷凍保存の場合
冷凍保存することによって2か月以上の長期間保存することも可能です。
もちろん、真空になるように空気を抜いてやることでより長持ちさせることができます。
干し柿は、そのままでも長期保存可能ですが、フリーザーバッグなどに入れ冷凍保存することもできます。
その場合でしたら、うまく干し柿にでき冷凍方法を誤らなければ半年ちかく保存することができます。
柿の食べごろの見分け方は?
では、どのような柿が食べごろなのでしょうか。
実は柿は品種などによって食べごろが変わるフルーツです
また、人によっても食べごろと感じる時期が大きく異なりますので、一概にこの時期が食べごろであるとは言い難いものです。
固めの柿が好きな方でしたら、収穫してすぐから食べることができます。
熟しきった柿がお好きなのであれば、常温で2日ほど置き追熟を促しながら、好みの固さになるまで待ちましょう。
もちろん、においが変であったり、カビが生えている、口に入れたときにぴりぴりとするなどがあれば、柿が傷んでいる可能性が高いですので、食べるのは辞めておいたほうが無難です。
まとめ
追熟しやすい柿は、なるべく呼吸を抑えながら保存してやることで長期間保存することができます。
一番おすすめの保存方法は冷蔵庫での保存ですが、すぐに食べる予定があるのでしたら冷暗所での常温保存でも構いません。
大量に余ってしまい、保存せざるを得ないときは、食感は変わってしまいますが冷凍保存してもよいでしょう。
渋柿でしたら干し柿づくりにチャレンジし、長期間保存することができます。
好みの固さになった時が食べごろですので、傷んでいないかだけ確認して美味しくいただきましょう。