料理に使うことで、さわやかな風味を加えることができる柑橘類ですが、もちろん様々な種類があります。

 

そのまま食べることのできるみかんやグレープフルーツなども柑橘類の一部ですし、絞って果汁だけを使うあまり生食に向かない柑橘類もあります。

 

味わいや香りがそれぞれ異なるため、料理や飲み物によっては使い分けをする方もいますね。

 

今回の記事では、そんな絞って果汁を使う柑橘類のうちライムとすだち、カボスの違いを比較します。


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ライムとは

 

 

ライムは、インドからミャンマー、マレーシア一帯の熱帯地域原産の樹木のことで、そこから取れる木の実もライムと呼ばれています。

レモンに似たような形をしていますが、レモンに比べて乳頭と呼ばれる先端部分にある突起が小さく、若干小ぶりです。

 

大きく分けて、タヒチライムやペルシアライムと呼ばれる種類と、さらに一回り程果実が小さいメキシカンライムの2種類があります。

 

メキシカンライムとは言っても、メキシコ産のライムがすべてメキシカンライムではなくタヒチライムも栽培されています。

 

日本では耐寒性があるタヒチライムのほうが栽培しやすいですが、結実率は低く不安定です。

 

果実の色は黄緑色をしており、英語でライムグリーンといえばライムの皮の色である黄緑色を表します。

 

ライムの特徴

 

果実は直径が約6cmから8cmとレモンに比べて小ぶりで丸い形をしています。

 

皮も薄く、緑がかった色をしています。

 

果肉も若干緑がかった色をしていますが、完熟すると皮も黄色くなってしまいます。

 

味は、レモンと同様に酸味のある味です。

 

加えて、独特の苦みがあり、レモンに比べると鋭い味をしています。

 

収穫直後は、皮や果汁からさわやかな香りがします。

 

収穫からの時間経過で香りは薄れてしまいますので、輸入のライムであれば日本で販売される頃には香りが少し弱くなってしまいます。

 

ライムはレモンと同様に使われることが多いです。

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輪切りにしたり、くし切りにしたライムを付け合わせとして使ったり、絞った果汁を飲料に混ぜて飲むことがあります。

 

例えば、カクテルでいえばジン・トニックやモヒート、モスコミュールなどにはライムの果汁が使われています。

 

ライムの栄養素

 

ライム100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。

 

ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンB3(ナイアシン) 0.10mg
ビタミンB5(パントテン酸) 0.16mg
ビタミンB6 0.05mg
葉酸 17μg
ビタミンC 49mg
カルシウム 16mg
リン 16mg
鉄分 0.2mg
マグネシウム 9mg
カリウム 160mg

ライムの成分による効能

 

ビタミンB1は、炭水化物の代謝をたすけ、エネルギーを作り出します。

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また、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ち、神経や筋肉の機能を正常にする働きがあります。

 

ビタミンB2により、三大栄養素の代謝が促進されます。

 

また、細胞の新陳代謝を活発にしてくれますので、皮膚や粘膜を維持し成長させる働きがあります。

 

ナイアシンの働きにより、皮膚や粘膜の健康維持がサポートされます。

 

また、脳神経の正常な働きにも欠かすことのできない栄養素です。

 

パントテン酸は、体内でも合成されるビタミンの1種ですが、エネルギー生産に必要な酵素の補助をします。

 

また、血中の善玉コレステロールやホルモン、免疫抗体などを合成することにより、動脈硬化の予防にも役立ちます。

 

ビタミンB6も皮膚や粘膜を健康に保つために役立つ栄養素です。

 

こちらも腸内細菌から作られていますが、外部から取り込むことにより、より効果的に働かせることができます。

 

葉酸は、特に女性にとってはありがたい栄養素で、貧血を予防することができます。

 

また、妊娠中や妊娠を希望する女性にとっては特に必要な栄養素です。

 

葉酸が不足してしまうと、特に妊娠初期では胎児に大きな影響があり、神経管閉鎖障害などのリスクが高くなってしまいます。

 

ビタミンCは抗酸化作用がある栄養素です。

 

活性酸素の発生を抑え、体内が酸化しすぎることを防いでくれます。

 

また、コラーゲンの産生にもビタミンCが関与してきますので、皮膚や粘膜の保護・修復に役立ちます。

 

カルシウムは、人体のうち骨や歯などを構成する必須ミネラルです。

 

カルシウムが血中から少なくなってしまうと、骨の中からカルシウムを遊離させて血中濃度を保とうとしますので、骨が脆くなってしまいます。

 

また、神経の働きに作用することで、緊張や興奮などを抑えてくれます。

 

リンも、骨や歯を構成する必須ミネラルの1つです。

 

筋肉や脳、神経などにも含まれており、エネルギーの代謝や資質の代謝などにおいて重要な役割を果たしています。

 

鉄は、赤血球を構成する成分であり、必須ミネラルです。

 

赤血球は細胞一つ一つに酸素と栄養を運ぶヘモグロビンを持っており、赤血球が減少すると貧血などの症状が起こります。

 

マグネシウムはカルシウムと密接に働き、骨や歯の形成に役立ちます。

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また、エネルギーを産生する過程で酵素が必要ですが、その酵素が働くために必須のミネラルです。

 

カリウムは、ナトリウムとバランスをとりながら高血圧を防いでくれる重要な働きを担っています。

 

カリウムがあるからこそ、ナトリウムつまり塩分をとりすぎた場合でも汗や尿として排出することができ、血圧を正常に保つことができます。

 

 

すだちとは

 

 

すだちは、日本の徳島県原産の柑橘類でユズの近縁種にあたります。

5月から6月にかけて純白の花が咲き、果実は秋ごろに実ります。

 

まだ果皮が青い未成熟のうちに収穫し、出荷します。

 

完熟すると黄色くなります。

 

すだちの特徴

 

果皮は青いですが、果肉は黄色をしています。

 

大きさはカボスに比べると小さく、果実1個当たりの重さは30gから40g程度です。

 

酸味が強く、独特のさわやかな風味があります。

 

皮ごと果実を切り分け、なべ料理のつけ汁のアクセントや、焼き魚、あるいは刺身などに果汁をかけたり、焼きマツタケなどにも使われています。

 

また、果汁は食用酢としても使われており、普段使う酢の代わりにすだちの果汁を使うこともあります。

 

果皮も食用に使われ、未熟な青い果実の果皮部分を薄く切ったものやすりおろしにしたものを薬味として使います。

 

すだちの栄養素

 

すだち100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。

 

βカロテン 520μg
ビタミンB1 0.04mg
ビタミンB2 0.09mg
ビタミンB3(ナイアシン) 0.5mg
ビタミンB5(パントテン酸) 0.23mg
ビタミンB6 0.16mg
葉酸 35μg
ビタミンC 110mg
ビタミンE 5.3mg
カルシウム 150mg
リン 17mg
鉄分 0.4mg
マグネシウム 26mg
カリウム 290mg

すだちの栄養分による効能

 

ライムに比べてβカロテンというものが含まれています。

 

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このβカロテンは、強い抗酸化作用がありますので、活性酸素を抑えてくれます。

 

また、βカロテンの一部はビタミンAとして働くため、視力を正常に保つ効果があります。

 

そのため、夜盲症を防ぐ効果をもっています。

 

そのほかの効能は、ライムの効能を参照してください。

 

 

カボスとは

 

 

カボスも、ユズの近縁種である柑橘類の仲間です。

果肉は黄白色をしており、皮は熟す前は緑色で熟すにつれ黄色となります。

 

主産地は、大分県で現在も大分県が生産量の97%を占めています。

 

カボスの特徴

 

すだちに比べて大きく、1個当たり100gから150gにまでなります。

 

果汁が多く、強い酸味を持ちますが、すだちに比べるとマイルドな味です。

 

その独特の香りは、刺身や焼き魚の薬味や、ポン酢や酢の物にも使われます。

 

主産地である大分県では、みそ汁や麺類または焼酎などにも果汁を少し垂らし、風味付けすることもあります。

 

カボスの栄養素

 

カボスに含まれる栄養素は以下の通りです。

 

βカロテン 10μg
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンB3(ナイアシン) 0.1mg
ビタミンB5(パントテン酸) 0.15mg
ビタミンB6 0.03mg
葉酸 13μg
ビタミンC 42mg
ビタミンE 0.1mg
カルシウム 7mg
リン 8mg
鉄分 0.1mg
マグネシウム 8mg
カリウム 140mg

カボスの栄養分による効能

 

主に含まれている栄養素はすだちやライムなどと同じですので、そちらを参照してください。

 

水分が多い分、同じ量で比べるとすだちに栄養素は負けてしまいます。

 

ですが、1個からしぼれる量が多いのも特徴です。

 

 

栄養素のまとめ

 

 

では、最後にもう一度含まれている栄養素をまとめて表にしましたのでご覧ください。

 

栄養素 ライム すだち カボス
βカロテン    ― 520μg 10μg
ビタミンB1 0.03mg 0.04mg 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg 0.09mg 0.02mg
ビタミンB3(ナイアシン) 0.10mg 0.5mg 0.1mg
ビタミンB5(パントテン酸) 0.16mg 0.23mg 0.15mg
ビタミンB6 0.05mg 0.16mg 0.03mg
葉酸 17μg 35μg 13μg
ビタミンC 49mg 110mg 42mg
ビタミンE    ― 5.3mg 0.1mg
カルシウム 16mg 150mg 7mg
リン 16mg 17mg 8mg
鉄分 0.2mg 0.4mg 0.1mg
マグネシウム 9mg 26mg 8mg
カリウム 160mg 290mg 140mg

 

最も栄養価が高いのがすだち、ついでライム、カボスという順番です。

 

もちろん、すべて香りや風味が異なりますので、自分の味覚に合わせて選んでみてくださいね。