シャンパンもスパークリングワインもシュワシュワとした泡が喉に心地良いお酒で、お祝いの席などでよく飲まれています。

なんとなくスパークリングワインよりもシャンパンの方が高級なイメージがあるのですが、そのイメージは合っているのでしょうか。

シャンパンとスパークリングワインはどういった点が違っているのか、その差異について説明します。


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シャンパンとスパークリングワインの違いは?

 

 

実はシャンパンはスパークリングワインの一種なのです。スパークリングワインの中で、どのようなものがシャンパンと呼ばれるのでしょう。

シャンパン

世界にはたくさんお酒の種類がありますが、国によってはお酒を自国の大切な文化であると位置付けて法律で様々な規制を定めているところがあります。

それは、アルコールに対する税金徴収という面は否めないですが、それ以上にお酒が国民生活にしっかりと根付いている証でもあります。

フランスのワイン、イギリスやアメリカのウィスキー、日本の日本酒や焼酎、などは、それぞれの国を代表するアルコール飲料です。

上記のような国の中でも、特にフランスではシャンパンに対する厳しい法律を制定しています。フランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインのみをシャンパンと呼ぶとしているのです。

つまり、シャンパーニュ地方以外で造られたスパークリングワインやフランス以外のイタリアやドイツで製造されたスパークリングワインはシャンパンとは呼んではいけないのです。

 

 

このフランスの法律を、原産地呼称管理法(AOC法)と呼び、ワインに関するさまざまなことを規定している法律となっています。

シャンパンに使われるブドウの品種は、そんなに多くはありません。シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、の3種類をブレントして造られるものが多いです。

シャルドネは、3種類の品種の中では、唯一の白ブドウの品種で、シャンパンには適したものとされています。

 


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シャンパーニュ地方でもコート・ド・ブラン地区というエリアがシャルドネの名産地として有名です。シャルドネという品種は製法や産地などに異なる顔を見せてくれる品種です。

シャンパーニュ地方は石灰質の土壌で、そこで造られたシャルドネはスッキリした酸味とミネラルを楽しめる味わいとなっています。

ピノ・ノワールは黒ブドウの中で最も高級と言われる品種です。シャンパーニュで栽培されている約4割の品種がピノ・ノワール種です。

ピノ・ノワールは、モンターニュ・ド・ランス地区が主な産地で、黒ブドウならではのコクを楽しむことができるシャンパンへと生まれ変わります。

ピノ・ムニエは、ピノ・ノワールと同じく黒ブドウの品種です。シャンパーニュ全体の栽培量の約3割がピノ・ムニエです。

主要な栽培場所は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のマルヌ川沿岸地域になります。この地区はブドウにとっては大敵となる霜が時折発生します。

しかし、発芽が遅く収穫が早いピノ・ムニエは、霜の被害に遭うことが少なく育てやすい品種とされています。

ピノ・ムニエを単体で使ったシャンパンは少ないです。単一のブドウ品種100%で造られたシャンパンも僅かにありますが、シャンパンは基本的には複数のブドウをブレンドして造られます。
シャンパンのボトル
シャンパンの製法は、「シャンパーニュ方式」と呼ばれる方法で醸造することが定めれれています。

 

 

シャンパーニュ方式とは、一般的なスティルワイン(非発泡ワイン)をガラス瓶の中に入れて糖と酵母を加えて二次発酵させて、密閉したガラス瓶内で発生した炭酸ガスをワインに閉じ込める方法のことです。

このシャンパンの製造方法は、「瓶内二次発酵方式(製法)」とも呼ばれています。他にも、伝統的なシャンパンの製法として「伝統方式(製法)」や「トラディショナル方式(製法方式)」などとも言われています。

 


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シャンパンを造るシャンパーニュ方式(瓶内二次発酵方式)の行程は、以下のようにになります。

①最初にシャンパン用のぶどうを収穫します。
②次に、ぶどうから果汁を絞ります。

③ブドウ畑全体で栽培しているブドウを品種別に分けて、それぞれの樽やタンクの中で管理しながら、シャンパンのベースとなるベースワインを造ります。

④既に貯蔵してあるこれまでに醸造したのワインも含めて、一次発酵の段階を経た複数のワインをブレンドして、銘柄のイメージに合っている味わいや新たな風味を持つワインを造ります。

⑤糖と酵母をワインに添加して、瓶詰めをします。

⑥糖と酵母の反応により二次発酵が発生します。すると、二酸化炭素(炭酸ガス)が瓶の中で発生して、ワイン内に閉じ込められます。こうして、天然の発泡ワインになるのです。

⑦澱と共にワインを寝かせて、ワインに複雑な旨味や風味をもたらすようにします。
⑧専用の器具でワインボトルを逆さに立てた状態にして、澱を瓶の口へ集めて寄せるようにします。

⑨それから5〜6週間の期間は、毎日少しずつ瓶を回転させて、澱を完全に瓶の口の部分に集めるようにします。

マイナス20度という低い温度で瓶の口を冷凍させます。そのうえで凍った澱を、栓を抜いて取り除きます。

リキュール(シャンパンの原酒であるワインに糖分を加えたもの)を添加して、シャンパンの味を調整します。

⑫澱を除いてリキュールを添加したシャンパンに、再度コルク栓を打ち直して、針金で固定をします。

⑬最後にシャンパンのラベルを貼り付けて出荷をします。

このようにシャンパンが出来上がるまでには多くの行程を経る必要があるのです。
シャンパンとグラス


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スパークリングワイン

 

スパークリングワインは、発泡性ワインの総称で、上記のシャンパーニュ方式以外にも、シャルマ方式と呼ばれる密閉された耐圧タンク内で発酵させる方法や、二酸化炭素(炭酸)をワインに加える方法があります。

シャンパーニュ地方以外でシャンパーニュ方式で造られているスパークリングワインもありますが、シャンパンが4,000円以上はするものがほとんどなのに対して、スパークリングワインには1,000円台とリーズナブルなものもあります。

手軽なスパークリングワインのほとんどが、ワインに炭酸を加えたものです。しかし、スパークリングワインの中にも、ぶどうの品種や製法にこだわった逸品はたくさんあります。

また、スパークリングワインには決まったアルコール度数というものが存在しません。2%程度の軽いものから12%以上の強いものまでざまざまなタイプのスパークリングワインがあります。

しかし、シャンパンを名乗る場合にはアルコール度数は11%以上であることが定められています。シャンパンは、アルコールに弱い人にとっては、結構キツイお酒なのです。

それに比べると、スパークリングワインは多くの人が楽しめる種類があるお酒である、とも言うことができます。

シャンパンに比べると値段が安いからといって、スパークリングワインが粗悪な品物だというわけではありません。

正式なシャンパンをハレの日に楽しむことはもちろんできますが、スパーリングワインにも素晴らしいものがたくさんありますので、十分に美味しく味わうことができます。

シャンパンにもスパークリングワインにも、非常に多くの種類が販売されていますので、自分の「お気に入り」を探すことを楽しみにしている人も多いようです。

シャンパンもスパークリングワインも、自分の気に入ったものを、自分の目と舌で確かめて「お気に入りリスト」に入れることを楽しんではいかがでしょうか。
スパークリングワイン