食材を買ってきたら、まずどうしますか?
例えばお肉だったら使う量ごとに小分けにして冷凍庫へ、牛乳やバターなど冷蔵保存が必要なものは冷蔵庫へと入れますよね。
では、野菜類はどうでしょうか。
野菜類は、適した保存方法をとらなければ、長持ちしません。
野菜類は、収穫後も呼吸を続け成長、つまり劣化してしまいます。
一般的に多くの野菜は冷蔵庫にある野菜室に保存することが多いでしょう。
野菜類はその多くが低温環境に置くことで呼吸が抑えられます。
そのために、劣化が抑えられます。
しかし、いも類を中心とした一部の野菜は、低温で保存することが不適切ですので冷暗所で保存しますね。
では、冷凍庫での保存はどうでしょう。
イメージとしては、冷蔵庫に比べると冷凍庫で保存した方が長持ちしそうですよね。
今回は、冷凍保存に適した野菜のご紹介をします。
野菜は冷凍保存をしてそもそも平気?
野菜類を冷凍保存すると栄養素が破壊されてしまうという話を聞いたことはありませんか。
ですが、これは大きな間違いです。
一般社団法人日本冷凍食品協会によると、急速冷凍による冷凍保存によって損なわれる栄養素はないとのことです。
むしろ、-18℃以下で冷凍保存中の栄養価は、それ以上の温度で保存した時に比べて長期間維持されるとも言われています。
最近では、スーパーやコンビニでも冷凍状態の野菜類が売られていることを目にしたことがある方も少なくないでしょう。
これらは冷凍保存した際に色味や風味を損なわずに長期間保存出来るように、添加物や保存料が使われています。
それらを使わない家庭での冷凍保存は、もちろん市販品に比べると短期間となってしまいますが、それでも冷凍保存は可能です。
野菜に含まれる水分量が収穫時と比べて5%以上蒸発してしまうと、品質が低下してしまいます。
ですので、冷凍保存する際は1度で使いきれる大きさに切り分け、ラップで包みます。
また、急速冷凍でなければどうしても風味が損なわれてしまいます。
なるべく平たく広げておくことで、少しでも早く冷凍することができます。
また、金属製の皿において冷凍庫に入れると、熱伝導率により早く冷凍できます。
もし金属製の皿がなければ、アルミホイルなどで包むとよいでしょう。
例えばトマトなどは丸ごと1個冷凍することも可能です。
ですが、種類によってはそもそも冷凍保存に不向きであったり、下ごしらえしてから冷凍保存しなくてはいけなかったりと様々です。
下ごしらえで茹でるものは、普段茹でるときよりも短めにあげておくとよいでしょう。
冷凍保存した野菜を使う時は、できるだけ凍らせたまま使うことをおすすめします。
解凍してしまうと、その溶けた水分から栄養が流れていってしまいます。
また、野菜を切るとそこからどうしても氷と一緒に栄養分が流出してしまうので、冷凍前にあらかじめ切ることをおすすめします。
茹でた野菜は、お湯で調理しながら解凍するとよいでしょう。
下ごしらえで1度茹でているので、こちらも短時間で火を通すことができます。
冷凍保存できる野菜の一覧表
では、代表的な冷凍可能な野菜類と冷凍方法、保存可能期間をご紹介していきましょう。
おすすめの調理法などもあわせてご紹介しますので、ぜひ自分に合った方法を探してみてくださいね。
ピーマン
ピーマンは、冷凍での保存をおすすめできる野菜のひとつです。
冷凍前に、用途に合わせてカットにしておくと便利です。
あらかじめ炒め物に使用する予定がある時は、短冊切りやザク切りにしておくとよいでしょう。
まだ用途が決まっていないときは、半分に切り中の種やワタを抜いておきます。
生のままでも冷凍保存可能ですが、さっと下茹でをしておくと変色や品質の低下を抑えることができます。
その後、水気をしっかりと拭きとり、密閉容器になるべく重ならないようにして冷凍保存します。
アルミホイルで包んだり、急速冷凍可能な冷凍庫を用いるとよいでしょう。
調理する際は、そのまま使ったり冷凍のまま切ってから使いましょう。
冷凍により若干しんなりしますが、しっかりと食感を残したままですので安心して使えます。
おすすめの調理法は、炒め物や煮込み料理です。
炒め物にする際は、冷凍のままピーマンを加えてさっと強火で炒めるだけです。
冷凍により生に比べるとしんなりしているので、早く火が通ります。
シャキシャキとした食感を、より残したいのであればさっと炒めるだけでも構いません。
煮込み料理やスープにする際は、凍ったままの状態で熱した煮汁に加えます。
こちらも長時間入れずに火が通るのでおすすめです。
生のままのピーマンを使った時に比べると、柔らかい食感ですが、シャキシャキとした食感も残っています。
保存期間はおよそ1ヶ月ですが、再冷凍はしないようにしましょう。
1度解凍してしまったらなるべく一両日中に使い切ることをおすすめします。
玉ねぎ
玉ねぎは常温保存であっても、玉のままでしたら1ヶ月程は保存可能ですので、それほど冷凍保存にこだわる必要はないでしょう。
冷凍保存する際は、使う時に便利なようにあらかじめカットにしておきます。
調理方法や目的にもよりますが、おすすめは薄切りやみじん切りです。
また、面倒であればそのまま冷凍しても構いません。
水気をしっかりと拭き取り、1度に使う分だけ小分けにしてラップで包みます。
ラップごとフリーザーバッグなどの密閉容器に入れてから冷凍保存しましょう。
なるべく平たくなるように並べることが冷凍保存のコツです。
また、冷却効率のことを考えると、なるべくフリーザーバッグ内の空気は抜いておくことがよいでしょう。
玉ねぎは比較的水分量が多いので、冷凍するとサクサクとした食感は無くなり、筋ばった感じがしますが、味は、甘味がより強くなります。
水分が冷凍によって少なくなっている分、飴色玉ねぎにするまでに炒める時間が短くてすみます。
あらかじめ薄切りやみじん切りにした玉ねぎで弱火でじっくり炒めて作りましょう。
煮込み料理にする際は、冷凍のまま熱した煮汁に加えます。
2~3分ほど煮込むだけで解凍もされ、十分に柔らかくなります。
しっかりと煮込むことで柔らかくなり、冷凍により甘みも増しているので美味しく食べることができます。
しかし、茹で時間が短いと筋っぽさが気になります。
炒める際は、短時間で構いません。
少し筋っぽさがありますので、みじん切りにしておくとよいでしょう。
他にも生の玉ねぎサラダにすることがおすすめです。
新玉ねぎですと、より一層甘みが強くなっていますので、生のままサラダにすることで苦味もなく食べることができます。
こちらも約1ヶ月が保存期間の目安です。
ほうれん草
ほうれん草は、冷凍保存をおすすめできる野菜です。
使う時に便利なようにザク切りにしておくことをおすすめします。
生のままでも、下茹でしてでも冷凍保存できますが、一長一短があります。
生のままですと、冷凍庫内でかさばりますが、冷凍保存しないときとあまり変わらない状態で保存することができます。
1度茹でると、アク抜きすることができます。
普段使用する際のように、冷水で色止めしておくとよいでしょう。
しっかりと水気を切り、小分けにしてからラップで包みます。
ラップごとフリーザーバッグなどの密閉容器に入れ冷凍保存します。
こうすることで、かさばらずに保存することができますが、少し筋っぽくなってしまうのがデメリットです。
生のまま冷凍した場合は、通常の保存のものに比べるとしんなりしやすくなります。
風味や品質にはほとんど変化はありません。
下茹でして冷凍したものは、味に変化はほとんどありませんが、若干筋っぽくなります。
生のまま冷凍した場合は、30秒~1分ほど茹でておひたしにするのがおすすめです。
また、冷凍のまま炒め物や煮込み料理にも使用できます。
生の状態に比べると、手早く火を通すことができるので便利です。
下茹でした場合は、冷凍したまま炒め物や煮込み料理、スープ料理などに使用することができます。
おひたしにする際は、電子レンジを使って解凍するとよいでしょう。
しかし、生のまま冷凍したものに比べると水っぽくなる印象です。
およそ1ヶ月保存できますが、早めに使い切るようにしましょう。
大根
大根は水分が多い野菜ですので、あまり冷凍に適していない野菜ですが、冷凍保存は可能です。
冷凍する際は、葉の部分を切り落とし、皮をむいてから、食べやすい大きさにカットしておきましょう。
煮込み料理にする際、輪切りするのであれば、硬めに下茹でしてから冷凍することで、味がより染みやすくなります。
大根おろしにする場合は、冷凍保存をおすすめできます。
おろしたあと、しっかり水気を切ってから冷凍しましょう。
冷凍したあとは、水分が多い野菜なので、どうしても柔らかくなってしまいます。
大根おろしの場合は風味に大きな変化はありません。
ですが、早めに使い切りましょう。
いちょう切りで冷凍した場合は、凍ったまま炒め物や煮込み料理に使用できます。
炒め物にする場合にしても、煮込み料理にする場合にしてもの、少ししっかりめに火を通すことをおすすめします。
炒め物でしたら、やや焦げ付きがでるくらいが食べ頃です。
煮込み料理の場合はしっかり煮込むことでぶよぶよとした食感が気になりにくくなります。
輪切りで冷凍したものでも、そのまま煮込み系料理に使用できます。
あらかじめ下茹でしてから冷凍した場合、より煮えるのが早く、しっかり味も染み込やすくなっています。
ですが、ぶよぶよとした食感も強くなっていますので、柔らかくなるまでしっかりと煮ることをおすすめします。
大根おろしにした場合は、電子レンジなどを使って解凍しましょう。
自然解凍はあまりおすすめしません。
どの保存方法でも約1ヶ月は保存可能ですが、早めに使い切るようにしましょう。
トマト
トマトは丸ごと保存できる野菜のひとつです。
生のまま、丸ごと1個での状態で、フリージングバッグなど密閉容器に入れて冷凍します。
もしくは、あらかじめダイス状にカットしてからフリージングバッグに密閉し冷凍してもよいでしょう。
水分が多く含まれているため、柔らかく熟したトマトですと、解凍することで皮以外の部分は溶けてしまいます。
まだ熟する前の硬めのトマトであれば、形を残したまま使用することもできます。
生のまま丸ごと冷凍した時は、少し解凍するだけで、包丁でカットできる柔らかさになります。
食べやすい大きさにカットして炒め物や煮込み料理に使用できます。
熟してしまったトマトでしたら、すぐに溶けてしまうので、トマトソースにすることがおすすめです。
ダイス状にカットしてから冷凍した場合は、そのまま炒め物や煮込み料理に使用できます。
短時間で溶けて形はなくなってしまうので、トマトピューレのように使用することをおすすめします。
熟する前の硬めのトマトでしたら、形状を残したまま普通に使用することができます。
どちらの保存方法でもおよそ1ヶ月を目安に使い切りましょう。
まとめ
水分を飛ばさないように保存することが、長期間冷凍保存するコツです。
急速冷凍の方が風味や品質、栄養を壊さずに保存できるため、空気が入らないように密閉しましょう。
アルミホイルで包んだり、金属の皿やトレーなどに乗せることで熱伝導率がよくなり、早く冷凍することができます。
ほとんどの野菜は1ヶ月ほど冷凍保存可能ですが、なるべく早く使い切るようにしましょう。
解凍してしまった場合は1週間程度を目安にするとよいですね。