料理をする際に欠かすことのできない調味料、砂糖。

 

料理の「さ、し、す、せ、そ」の1番最初に位置する砂糖はお菓子作りのみでなく、和食を作る際にも重要な役割を果たします。

 

ですが、砂糖をその日に使う分だけ量り売りで買うという方はまずいないでしょう。

 

ほとんどの方は1kgなどまとめて売られているものを購入し、その都度使いますよね。


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ですが、1度開けてしまった砂糖はどうやって保存していますか?

 

保存容器に移すという方が多いことでしょう。

 

では、その次に使おうとした時に砂糖が固まっていて使いにくかった、という経験はありませんか?

 

料理の最中に気づいて、スプーンなどを使ってむりやり削って使うこともあるかもしれません。

 

もう残りが少ない、新しいものを買ってストックがあるという場合でしたらその固まってしまった砂糖を捨て、新しいものを使うかも知れませんね。

 

ですが、固まってしまった砂糖は少し手間をかけることで元の状態に戻すことができるのです。

 

また、あらかじめ固まりにくい保存方法をとっておくことで、よりさらさらの状態を保つことができます。

 

今回の記事では、砂糖が固まる原因や対策方法、1度固まってしまった砂糖の戻し方を紹介します。

 

 

砂糖が固まってしまう原因は?


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よく聞く原因では湿気がたまることで砂糖が固まってしまうというものでしょう。

 

湿気がたまることで、砂糖が溶け、さらにそれが乾燥することで再結晶化し砂糖自体が固まってしまうのが原因です。

 

つまり湿気と乾燥が砂糖の固まる最大の原因です。

 

特に梅雨の季節や夏では湿度が高くなってしまいます。

 

空気中の湿気を吸い、砂糖の表面が溶けます。

 

溶けることにより別の砂糖の粒子とくっついてしまいます。

 

そのままでしたら固まったというほどではありません。

 

ですが、少しでも湿度が下がることにより、溶けた砂糖の水分が空気中に蒸散し、再結晶化してしまいます。

 

これが砂糖が固まる原理です。

 

湿気が原因と聞いたことのある方は、砂糖の保存容器に乾燥剤などを入れている場合もあるかもしれません。

 

たしかに湿度が高くなる前、つまり砂糖の表面が溶けていない状況では効果的と思われるかもしれません。

 

ですが、乾燥剤を入れるということは砂糖が固まることを促進しているのとほぼ同じことです。

 

なぜ乾燥させるだけではいけないのか

 

これは、砂糖の性質が関係しています。

 

砂糖はさとうきびなどのエキスを抽出し、製造されます。

 

そのままでしたら、他の砂糖粒子とくっつきやすい性質があります。

 

ですので、そのまま袋詰めして出荷してしまうと、袋の中で固まり、私たちの手元に届く頃にはカチカチになり使えなくなっているでしょう。


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それを防ぐために、砂糖は袋詰め前に糖蜜という水分を吹きかけられています。

 

糖蜜のおかげで水分が一定量の状態を保つことができ、売られている状態の砂糖は常にさらさらの状態を保っています。

 

ですが、袋から開け保存容器に移す際に一緒に乾燥剤を入れてしまうと、糖蜜から水分を奪うことになってしまいます。

 

そのために、再結晶化を促進してしまい、より急速に砂糖が固まる原因となってしまいます。

 

もちろん、乾燥剤を入れなければ大丈夫というわけでもありません。

 

乾燥剤を入れなくても、台所など大気中の湿度は常に変動しています。

 

湿度が下がった時に、砂糖に含まれる水分が奪われ、結局は固まってしまうのです。

 

 

風味を損なうことなく上手にほぐすコツは?

 

 

では、砂糖はどうやったらほぐすことができるのでしょうか。

 

口に入れるものですので、安全かつ風味を損なわない方法でほぐすのがよいですよね。

 

水分を加える

 

これは昔から使われている方法でもあります。

 

乾燥することで再結晶化するので、それがほぐれるまで水分を与えてやるとよいという考え方です。

再結晶化した部分に水分を加えることで、結晶中の水分バランスが崩れ、ほぐしやすくなります。

 

ですが、水の与えすぎは禁物です。

 

みなさんも知っての通り、砂糖は水溶性の物質です。

 

水やお湯といった水分の中に砂糖を入れると溶けますよね。


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ですので、水分が多すぎると砂糖が水の中に溶けてしまい、次に使う時に余計に使いにくいこともありえます。

 

もし水分を与えてほぐしたいという方は、水をほんの1滴だけ垂らしてやるか、霧吹きなどを用いて僅かな水分を与えてやるとよいでしょう。

 

電子レンジを使う

 

電子レンジが砂糖をほぐす方法になんの関係があるのかと疑問に思う方もいるかもしれません。

 

ですが、そもそもの原理として、水分がまったくない状態では他の粒子とくっつきようもありません。

 

電子レンジを使うことで、砂糖に残っている僅かな水分を蒸発させます。

そのために、砂糖同士の結合がはずれ、さらさらの状態に戻ります。

 

注意事項としては、加熱のしすぎです。

 

砂糖は熱が加わると溶ける性質をもっています。

 

ですので、電子レンジにかける際は目を離さないようにしましょう。

 

また、炭素を含んでいますので、加熱しすぎることで黒く焦げてしまいます。

 

お使いの電子レンジによって加熱時間はことなりますが、500Wで約1分です。

 

必ず耐熱容器に移してから、レンジで温めてください。

 

食パンを使う

 

もしかしたら、1番みなさんが聞いたことのあるメジャーな方法かもしれません。

 

テレビなどで紹介されることも多い方法です。

 

こちらも原理としては砂糖に水分を与えて、湿度を高くすることでほぐす方法です。

 

やり方も簡単で、砂糖を食パンで挟むだけです。

挟んでいる時間はおよそ1晩と即効性のあるものではありません。

 

ですが、失敗の可能性が低く、挟んだ後は放置しておけばよいので手間が少ない方法の一つです。

 

パンに含まれる水分が1晩のあいだに砂糖に移ります。

 

乾燥して結晶化した砂糖がパンの水分によって水分バランスが崩れます。

 

そのことによって結晶が崩れ、ほぐしやすくなります。


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砂糖を固まらせずに保存する方法

 

 

やはり一番よいのは、砂糖を保存する際に固まらせないことでしょう。

 

保存する際に少しの手間をかけることで、固まらない保存方法ができます。

 

二つの方法を紹介しますが、どちらの方法も砂糖の水分量を常に一定に保つというものです。

 

濡らしたキッチンペーパー

 

保存容器はタッパータイプを使っている人が多いかもしれません。

 

蓋を閉める際に、湿らせたキッチンペーパーを挟んでみてください。

 

そんなことをしたら余計に砂糖が固まるのではないか、と心配されるかもしれません。

 

ですが、砂糖がカチカチに固まってしまう原因の最たるは、1度水分が与えられた状態で乾燥した再結晶化です。

 

つまり、結晶化するほど乾燥させなければ砂糖は固まりません。

 

大気中の湿度が下がった時はキッチンペーパーが補ってくれます。

 

そのために、濡らしたキッチンペーパーを挟んでおくことは砂糖が固まることを防いでくれます。

 

顆粒状砂糖を入れる

 

顆粒状砂糖とはどんなものか知っていますか?

 

よく使う上白糖などとは異なり、粒子が顆粒状のものです。

今は見かけることが少なくなりましたが、昔のプレーンヨーグルトなどによくついてきた、少し粒の大きめの砂糖です。

 

これを上白糖と一緒に入れて保存することで、固まりを防ぎます。

 

上白糖は水分を吸うと固まりやすくなってしまいます。

 

顆粒状砂糖は上白糖に比べて水分をより吸収しやすいです。

 

ですが、湿度が下がった時には水分をすぐに手放す性質も持っています。

 

大気中の湿度があがり、水分が多くなった際は顆粒状砂糖がその水分を吸収します。

 

ですので、上白糖が水分を吸収して溶けることを防ぎます。

 

反対に湿度が下がり、水分が必要になった時は顆粒状砂糖が吸収していた水分を大気中に放出し、上白糖の乾燥を防ぎます。

 

ですので、顆粒状砂糖を上白糖と一緒に保存することで、保存容器内の湿度を一定に保つことができます。

 

割合は上白糖:顆粒状砂糖が5:1になるようにしましょう。

 

つまりは、上白糖が1kgでしたら、顆粒状砂糖が200gです。

 

 

まとめ

 

 

砂糖が固まる原因は、1度湿気た砂糖が乾燥することで再結晶化することです。

 

霧吹きや食パンで湿度を与えてやったり、逆に電子レンジで湿度を奪うことにより、固まった砂糖は簡単にほぐすことができます。

 

ですが、事前に砂糖を固まらないようにしておくと、よりよいです。

 

湿らせたキッチンペーパーや、顆粒状砂糖と一緒に保存しておくことで、保存容器内の湿度を一定に保つことができます。

 

ぜひ、試してみてくださいね。