いくらと筋子は見た目が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、いくらと筋子の違いについてご紹介します。
値段や味の違いが気になる方は、是非チェックしてみてください。
いくらと筋子って何?
いくらと筋子の比較を行う前に、それぞれがどのような食品であるかについてご説明します。
いくらや筋子についてよくわからないという方は目を通してみてください。
いくらとは?
鮭や鱒の卵で、一粒ずつバラされた状態で出荷されているものをいくらと呼びます。
本来の鮭や鱒の卵は粒同士が繋がっていますが、繋がっている粒を一つ一つ剥がしていくらを作っています。
いくらは成熟して卵膜がしっかりしている卵を利用しているため形が崩れにくく、一粒ずつバラすことが可能となっています。
いくらという名前は実は日本語由来ではなく、ロシア語から来ています。
ロシア語のいくらは魚の卵という意味であり、ロシアにおいてはあらゆる魚の卵に対して使われる言葉ですが、日本においていくらと言う場合は鮭か鱒の卵のみを指しています。
筋子とは?
鮭や鱒の卵で、卵巣から取り出された時の塊のままで出荷されているものを筋子と呼びます。
卵同士が筋で繋がっているため、葡萄の房のような状態になっている点が特徴的でしょう。
いくらに使用される卵と比較するとまだ未熟で、卵膜が柔らかいものが使用されています。
いくらのように一粒ずつバラそうとすると形が崩れてしまう恐れのあるものが、筋子としてそのまま出荷されることになります。
いくらと筋子はどう違う?
いくらと筋子は、鮭や鱒の卵であるという点で共通しています。
塊のまま出荷されると筋子となり、筋子から粒がバラされた状態で出荷されるといくらとなります。
出荷の仕方が異なるだけで、同じものを指しているということが分かるでしょう。
では、いくらと筋子で値段や味などは変化するのでしょうか。
順番に比較しながらご説明します。
値段は違う?
値段は大きく異なっており、いくらの方が値段が高く、筋子は安いです。
出荷時の漁獲量などによって相場は都度変わりますが、およそいくらの方が筋子の倍は高くなると考えて良いでしょう。
いくらの方が高級品であると言えます。
いくらは筋子から一つ一つ丁寧に粒をバラしているため、まずその手間代が上乗せされます。
さらにいくらは卵が未熟な筋子とは異なり、成熟した卵のみを選りすぐって作られているという点も値段が高騰する理由となっています。
味は違う?
どちらも鮭や鱒の卵が使われているため、基本的な味は変わりません。
しかし、安心して美味しい卵を食べたいのであればいくらを選ぶ方が無難でしょう。
筋子は未熟な卵を塊のまま使っているだけに、質が安定しないという印象があります。
質の良い筋子はいくら並みに美味しいですが、質の悪い筋子も多く出回っており、濃い味付けで質の悪さを誤魔化している場合もあります。
塩辛い筋子には少々注意した方が良いでしょう。
少し古い筋子に大量の塩を加えて長持ちさせている可能性があり、筋子自体の質は悪くなっている可能性が高いからです。
とはいえ、いくらよりも安価で楽しめますし、出荷されている以上は食べられないほど腐っているというわけではありませんので、あえて安い筋子を選ぶというのも選択肢の一つでしょう。
筋子の質によっても値段は変わるため、お財布と相談しながら好きなものを選んでみてください。
食べやすさは違う?
食べやすさもいくらに軍配が上がるでしょう。
筋子はくっついている粒を房から剥がしてから食べる必要があり、手間がかかります。
いくらは筋子を食べる際の面倒臭さを解消するためにバラされているものであり、当然筋子と比べると食べやすくなっています。
筋子の未熟な卵の耐久性に難があるためバラされないだけで、本来は筋子の粒もバラせるものならバラしておきたいものです。
人によっては良質な筋子を買ってきて、自分でバラしていくらを作るという人もいます。
自分が食べる分には卵の形が崩れようと味が楽しめれば問題ないため、見栄え重視で筋子のまま出荷されたものも、自分の手によっていくらに作り変えることは十分に可能です。
大きさは違う?
粒の大きさは成熟しているいくらの方が大きいです。
筋子の卵は未熟であるため、粒の揃っていない小さい物もあります。
また、筋子には様々な種類の鮭や鱒の卵が使用されているため、魚の種類によって大きさが変わることもあるでしょう。
大きな粒の卵を楽しみたいという方は、いくらを選ぶ方が外れを引くことはないでしょう。
いくらと筋子は同じだけど違った
いくらと筋子の違いについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
どちらも鮭や鱒の卵という点で共通していましたが、大きな違いもありました。
いくらは筋子と比べて希少性の高い成熟した卵が使われており、手間暇もかけられているという点が、いくらと筋子を分ける大きな違いであると言えるでしょう。
普段は筋子を楽しみつつ、たまに贅沢としていくらを楽しむようにしてみてはいかがでしょうか。