ハチミツは健康に良いからと言って、赤ちゃんの離乳食にしようとしていませんか。
実は、ハチミツは赤ちゃんにとって非常に危険な食品ですので、決して赤ちゃんに食べさせてはいけません。
なんとハチミツを赤ちゃんに食べさせることで死亡させてしまった例まであります。
なぜハチミツがこれ程までに赤ちゃんに危険を及ぼしてしまうのでしょうか。
この記事では、赤ちゃんにハチミツを食べさせてはいけない理由を詳しくご説明します。
赤ちゃんがご家庭にいるという方は、必ず目を通しておいてください。
赤ちゃんに危険な理由とは?
赤ちゃんにハチミツを食べさせた場合、乳児ボツリヌス症にかかる可能性があります。
乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌という細菌によって引き起こされる病気です。
ボツリヌス菌は土壌の中などに生息する細菌で、食品や飲料を介して人の体内に入ると腸内に入り込みます。
大人がボツリヌス菌を取り込む分には特に問題はありません。
ボツリヌス菌が腸内細菌に倒されるため、腸内で悪さをする前に消えてしまうからです。
しかし、赤ちゃんの場合は腸内環境がまだ未熟であり、腸内を守ってくれる細菌の数も乏しい状態です。
赤ちゃんの腸内にボツリヌス菌が入り込んでしまうとそのまま増殖し、腸内で毒素を出し続けてしまいます。
乳児ボツリヌス症とはその名の通り、免疫力の乏しい赤ちゃんだからこそ発症してしまう病気であると言えるでしょう。
赤ちゃん以外にはボツリヌス菌は無害な細菌です。
乳児ボツリヌス症の症例などは?
赤ちゃんが乳児ボツリヌス症にかかってしまうと、死亡してしまいかねない程の深刻な症状が発症してしまう可能性があります。
乳児ボツリヌス症に関する情報をお伝えしますので、赤ちゃんの安全を守るためにも、乳児ボツリヌス症の危険性をしっかりと認識しておきましょう。
過去の事例は?
国内では1999年以降で16件の乳児ボツリヌス症が報告されています。
乳児ボツリヌス症の主な原因はハチミツであるとされていますが、ハチミツ以外からの感染ルートも報告されました。
日本において乳児ボツリヌス症が発症している数は少なめですが、米国では毎年100例以上も報告されています。
症状は?
赤ちゃんが乳児ボツリヌス症を発症した場合、様々な症状が現れます。
便秘・元気がなくなる・泣き声が弱くなる・哺乳能力の低下・筋力の低下などです。
乳児ボツリヌス症によって赤ちゃんの活動機能が弱まることがわかるでしょう。
筋力低下によって首がすわらなくなってきたり、眼球運動が少なくなったり、よだれを垂らしてしまうなどの前兆があります。
少しでも赤ちゃんの様子がおかしいと感じたら、すぐに医者に診てもらうようにしてください。
乳児ボツリヌス症の致死率は1~3%と低いものの、赤ちゃんの活動機能低下が悪化すると最終的には無呼吸状態となり、死に至る危険があります。
ボツリヌス菌の潜伏期間は3日~30日とまばらで、潜伏期間が長い時は一か月後に発症する場合があります。
忘れた頃に乳児ボツリヌス症が発症してしまう可能性もあるため、油断は禁物でしょう。
ハチミツ以外の感染源は?
乳児ボツリヌス症は、ハチミツ以外からも感染するため、注意が必要です。
国内では、井戸水からの感染も報告されています。
また、ボツリヌス菌は酸素が無い状態のところで繁殖するため、真空パックや缶詰のような無酸素状態で保管されている食品を食べても感染します。
真空パックや缶詰のような真空状態で保管されている食品は酸化せず腐らないため安全に思えますが、ボツリヌス菌にとっては過ごしやすい環境であるということです。
我々の腸内菌がボツリヌス菌を倒してくれていただけで、日常的にボツリヌス菌を体内に取り込んでいる可能性があるでしょう。
ボツリヌス菌はほとんどの人にとっては問題無いものであるだけに、無意識的に赤ちゃんに同じものを食べさせてしまって発症させてしまうことの無いようにしましょう。
ボツリヌス菌が繁殖すると、ガスを発生させます。
レトルトパックなどが膨らみ、開けた時に異臭がする場合はボツリヌス菌が繁殖している可能性がありますので、なるべく食べずに捨てるようにしましょう。
ハチミツは何歳から食べられる?
ハチミツは、一歳以上から食べても良いとされています。
赤ちゃんが一歳以上になる頃くらいにようやく腸内環境が整うようになり、ボツリヌス菌にも対抗できるようになってきます。
厚生労働省からの報告によると、乳児ボツリヌス症の約94%は生後2週間から6カ月の乳児に発症しているといると発表されています。
発症者の最高年齢は生後11カ月であるため、一歳以上であればほぼ確実に乳児ボツリヌス症を防げるだろうと見られています。
上記のような目安があるため、多くのハチミツには一歳未満の赤ちゃんにはハチミツを食べさせない旨の注意書きがされています。
加熱処理がされているハチミツには、稀に注意書きが無い物もありますが、注意書きが無いからと安心して赤ちゃんに食べさせることの無いようにしてください。
ボツリヌス菌は繁殖前には芽胞という殻で体を守っており、加熱処理をしても殺菌することができません。
調理の際の加熱や電子レンジ程度ではボツリヌス菌を倒すことはできず、次々と増えていってしまいます。
ハチミツに注意書きをしていない業者が一応加熱処理を施しているとはいえ、ボツリヌス菌が熱に強いことを考慮した上でしっかりと殺菌してくれている保証はないでしょう。
万が一にも赤ちゃんが発症してしまうことを避けるためにも、生後間もない赤ちゃんにはハチミツを食べさせないことをルール化しておきましょう。
また、離乳食などのレシピにも栄養価の高いものとして当然の如くハチミツが記載されている場合もあり、大変危険です。
ハチミツが赤ちゃんにとって危険であるという知識を持っていないと、このような悪質な情報に騙されて赤ちゃんを危険に晒してしまう可能性があります。
ハチミツのみではなく、どのような食品が赤ちゃんにとって有害であるかを、しっかり自分で調べて確認しておくことが大切です。
また、ハチミツやレシピ本を発売する会社側の人は、しっかりとハチミツが赤ちゃんにとって危険であるという旨の記載をするようにしてください。
買ったお客さんが何も知らずにハチミツを一歳未満の赤ちゃんに使ってしまうことで、最悪の場合は赤ちゃんが死亡してしまう可能性があります。
会社生命を揺るがしかねない大きなトラブルに発展する可能性もあるため、乳幼児に対する食品の安全知識は特に注意して調べるようにしましょう。
加熱をしたからといって安全であるとは言えないという点はしっかりと把握しておいてください。
赤ちゃんの目線で安全を考えよう!
赤ちゃんにハチミツを食べさせることの危険性についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
成人にとっては問題ない食品であっても、赤ちゃんにとっては有害となる食品があるということをまずはしっかりと把握しておくようにしましょう。
赤ちゃんに対しては、大人の常識は通用しません。
些細なことですぐに病気になってしまう、デリケートな存在であるということを強く認識しておいてください。
商品を発売している会社が赤ちゃんのことまで考えてケアしてくれている保証はないため、自分の赤ちゃんが被害を受けないためにもしっかりと情報収集し、自分自身で赤ちゃんを守るという気持ちを大事にしましょう。