生姜には独特の辛味があって、さっぱりとした風味に味を変えてくれる食材として利用されています。

夏にはそうめんなどの薬味として、冬には生姜湯などとして、四季を通じて楽しむことができる野菜です。

生姜の栄養成分や効能、副作用について説明します。

 


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生姜にはどのような成分が含まれている?

 

 

生姜には様々な成分が含まれていますが、代表的な辛み成分としてジンゲロールがあります。ジンゲロールは酸化しやすくて、空気に触れてしまうとたった3分くらいで消えてなくなってしまいます。

加熱をすると別の成分に変化してしまうので、ジンゲロールをしっかりと取得したい時にはすり下ろした直後の生姜を食べる方が効果が大きいと考えられます。
立派な生姜
ジンゲロールを加熱して発生する物質のひとつがジンゲロンという成分です。ジンゲロンも辛味成分です。

生姜を加熱すると、ジンゲロンの他にもショウガオールという成分が発生します。ショウガオールも辛み成分のひとつで、口の中に残るジワジワとした辛味の原因です。

ジンゲロンもショウガオールもジンゲロールから生成される成分ですが、加熱されるとジンゲロールが減少してショウガオールやジンゲロンが増加することになるのです。

また、生姜の香りはシネオールという成分によるもので、生姜独特の清涼感のあるようなちょっと土臭いような香りの原因となっています。

 

 

生姜の効果効能は?

 

 

生姜は昔から体を温めてくれる食べ物として知られていましたが、その他の点も含めた生姜の効能について紹介します。

 

①冷え性の改善

 

前述した生姜に含まれるショウガオールには血管を拡張して血行を良くしてくれる効果があります。血圧を安定させてくれる効果も期待できます。

ショウガオールの働きを活発にするには生姜を加熱することが効果的です。

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生の生姜にもジンゲロールが体の表面を温めてくれる効果がありますが、体の芯から温まりたい場合には加熱した生姜を摂取するようにしましょう。

ただし、100℃を超えてしまうとショウガオールの成分が破壊されてしまいますので、加熱する際の温度には注意が必要です。

 

②糖尿病の対策

 

生姜の成分には糖尿病のリスクを減らす効果があります。生姜に含まれている活性化合物にはインシュリンの値や代謝を改善する機能があるのです。

インシュリンとは膵臓から分泌される蛋白質性ホルモンで、体内のぶどう糖の消費を促す作用があり、糖尿病の治療に用いられるものです。

しかし、砂糖漬けの生姜やシロップたっぷりの生姜クッキーなどを食べることは、糖尿病には危険なので、食べないようにしましょう。

 

③鎮痛効果

 

生姜には痛みを和らげる効果があります。特に生理痛には顕著な効果があるようで、生姜湯などの服用で生理痛の痛みや吐き気を抑えることができます。

ひざの関節の痛みの抑制にも効果があると言われています。

ただし、他の鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を服用している場合には、鎮痛効果が得られないこともあるので、そのような場合には医師と相談してから生姜を摂取するようにしましょう。

 

④抗炎症作用

 

生姜に含まれる化合物質には抗酸化作用があるので、炎症を和らげてくれる効果があります。

また、生姜には細胞の物質伝達を抑制する力もあるために炎症が拡大しないような機能も期待できるのです。
生姜茶

 

⑤美肌効果

 

生姜は体温を整えてくれると同時に食物繊維も豊富なので、便秘の改善にも役立ちます。

冷えが改善して胃腸の働きが整うようになると、老廃物が体外に排出されるようになるので美肌効果も期待できます。

 

⑥風邪予防

 

生姜に含まれるジンゲロールには殺菌作用があるため、風邪の予防にも適しています。

他にも風邪の諸症状の緩和に良いとされる生姜のレシピには、喉の痛みに対してはすりおろした生姜とハチミツをお湯に溶かした生姜湯を、寒気には卵入りの生姜スープを、それぞれ摂取すると効果的です。

 

 

市販のチューブの生姜とすりおろし生姜は違う?加熱しても平気?

 

 

生姜にはそのままの形でスーパーや八百屋で売られているものとチューブに入っているすりおろされたものがありますが、成分や効能に違いはあるのでしょうか。

生のすりおろし生姜には、前述したとおり、ジンゲロールが含まれています。ジンゲロールには体を冷やす効果や殺菌効果が期待できます。

一方でチューブの生姜には生姜の成分だけでなく、他の様々な成分も含まれています。例えば、でんぷんやソルビートという添加物です。

したがって、チューブの生姜とすりおろし生姜では使い方が異なると考えてよいでしょう。

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チューブの生姜はあくまでも調味料、香り付けとして利用されるのに対して、すりおろした生姜に関しては生姜を食べるという感覚で摂取することがよいと考えられます。

また、チューブの生姜を加熱すると生姜成分の効果は弱くなってしまうと考えられますので、チューブから取り出したまま使う方がよいと考えられます。

生姜の効能がゼロになることはありませんが、生の生姜に期待しているような効果を得ることは難しいでしょう。
刻み生姜

 

 

副作用は平気?

 

 

このように体にとって良いことばかりのように考えられる生姜ですが、副作用の心配はないのでしょうか。

生姜を多く摂取し過ぎた場合には、胃腸を壊してしまう可能性があります。

適度な量であれば食物繊維が胃腸の働きを整えてくれるのですが、食べ過ぎると刺激が強い生姜が裏目に出てしまうこともあるのです。

また、生姜を食べ過ぎると胸やけを起こすこともあります。胃腸の場合と同じく刺激物でもあるので、食べ過ぎには注意が必要です。

また、人によっては生姜の成分で動機が激しくなったり、アレルギー症状を引き起こすような場合もあります。

そのような人は生姜を食べてはいけません。もし食べてしまった場合には、病院に行くことをおすすめします。

食欲増進効果のある生姜は妊婦や子供にとっても健康効果が期待できる食材ですが、乾燥させた粉末生姜に関しては妊婦に悪影響を及ぼす可能性があるので、摂取することは止めておきましょう。

小さな子供(おおむね6歳以下)に対しても、乾燥させた生姜パウダーを過剰摂取させないように注意が必要です。

生姜の適量とは、生生姜であればスライスで6~7枚くらい、重さで5gくらいが目安とされています。すりおろした生姜の場合は小さじ1杯くらいです。

体に良い食材であっても食べ過ぎはかえって健康にとっては逆効果です。適切な量を摂取するように注意しましょう。