香りもよく、ジューシーな味わいがあるフルーツのぶどうは、日本で見かけるだけでも多くの種類がありますよね。
ですが、ぶどうは粒単位で買うのではなく房単位で買うため、かなりのボリュームがあるフルーツでもあります。
すぐに食べきることができず、傷ませてしまったという方も少なくはないのではないでしょうか。
でも実は、そんな傷みやすいぶどうは冷凍保存することができるのです。
冷凍保存により長期保存することはもちろん、ほかにもメリットがあります。
今回の記事では、そんなぶどうの冷凍保存方法や保存可能期間をご紹介します。
ほかの保存方法との比較や、ぶどうを冷凍することにより生じるメリット・デメリットなどもあわせてご紹介しますので、参考にしてみてください。
ぶどうの旬の時期とは
ぶどうは種類が多いフルーツで、日本でも50種類から60種類が栽培されています。
では、代表的な3つの種類のぶどうについてご紹介します。
今回紹介する種類のような生食で食べることの多い種類のぶどうは基本的に同じ保存方法をとることができます。
デラウェア
デラウェアは、身近に食べることのできる粒の小さなぶどうで赤系のぶどうに分類されます。
小さな実の中には種はなく、強い甘さとほどよい酸味があるため、食べやすいぶどうです。
1房が100g~150gと、ほかのぶどうに比べても小ぶりなのも特徴です。
デラウェアはハウス栽培も盛んですので、早い時期ですと4月中旬ごろから収穫することができます。
6月ごろからは市場にも多く出回り始め、旬の時期は7月から8月ごろです。
巨峰
一般的に巨峰という名前で親しまれている、粒の大きなぶどうは品種としては「石原センテニアル」というものです。
日本で一番多く生産されており、全体の約35%が巨峰です。
巨峰は黒系に分類されるぶどうで、ピオーネなどもこの種類に入ります。
1房が700g~800g程と大きな房をしており、それにともない実も大きく10g~15gの粒です。
もともとは実の中に種がある品種でしたが、食べやすさの観点などから種がないほうが好まれるため、近年では種なしのぶどうとして出回っています。
果汁は多く、甘みが強い品種で、優しい酸味をもつ品種です。
5月下旬から6月ごろにかけて市場に出回り始め、8月から9月ごろにかけて旬を迎えます。
マスカット
マスカットは白系に分類されるぶどうで、緑色の皮が特徴的です。
巨峰と同じく粒が大きめで12gから15gほどあります。
ですが、房で言えば巨峰よりも少し小ぶりで、400g~600gほどです。
上品な甘みと、ほのかな酸味、そして芳醇な香りがあり、皮は薄いためにむかずに食べることができます。
5月下旬ごろから出回り始め、7月から10月ごろに旬を迎えます。
ぶどうはどのような保存方法がいい?
ぶどうを保存するときはどのような保存方法をとっているでしょうか。
例えばスーパーや青果品の直売店などでは常温で販売されていることが多いですので、常温保存をしているという方も少なくはないでしょう。
また、フルーツの多くは冷やして食べても美味しいことから冷蔵庫や野菜室などで保存しているという方もいることでしょう。
では、どの方法がぶどうの保存に適しているのかを常温保存、冷蔵保存、冷凍保存の3つの保存方法に分けて考えていきます。
常温保存の場合
初夏から初秋にかけて旬を迎えるぶどうは、実は最適保存温度が5℃から10℃と低温を好むため、常温保存には不向きなフルーツなのです。
また、ぶどうが苦手とするのはなにも暑さだけというわけではありません。
果汁が多いぶどうは、乾燥にも弱いのです。
では、湿度を高く保っておけばいいかというわけでもないのです。
特に6月ごろに収穫されるぶどうは、水分はもちろん糖分も高いです。
つまり、カビや害虫の温床となりやすいのです。
ですので、それらを避けるためにも常温保存はおすすめできません。
どうしても常温保存しておく必要があるときは、正しく保存することが大切です。
まずは購入してきたぶどうをパックから取り出します。
そして、軽く触っただけですぐに取れてしまう実を房から外します。
すぐに取れてしまう実は、すでに熟しきっている実ですのであとは腐敗してしまうだけです。
その実とまだ熟していない実を一緒に保存してしまうと、その実から傷んでしまう可能性が高いですので、先に熟しきったものは食べてしまいましょう。
残った実は洗わずに新聞紙やキッチンペーパーなどで包みます。
新聞紙を使うときのコツは、事前にくしゃくしゃにして柔らかくしておくことです。
新聞紙は固いので、そのまま使うと実が負けて傷ついてしまい、そこから傷んでしまいます。
新聞紙やキッチンペーパーごとポリ袋やビニール袋に入れ、冷暗所で保存します。
ですが、常温保存では夏場など暑い時で2日ほど、冬場など気温が低い時でも3日程度しかもちません。
冷蔵保存の場合
冷蔵保存は、常温保存に比べてより長期間保存することができます。
房ごと保存するときは、常温保存の時と同じように包み、冷蔵庫や野菜室内で潰れないように保存します。
巨峰など粒が大きいものは、粒ごとに保存する方法をおすすめします。
熟しきった実を外した後は、ぶどうを房から外します。
このときに2mmから3mmほど枝を残しながら切り取ることで、果汁を外に逃がさずに保存できるためカビなどのリスクを軽減できます。
房ごと保存することで4日程度、粒の状態で保存することで1週間程度保存することができます。
冷凍保存の場合
やはり、ぶどうの場合は冷凍保存することが一番おすすめできます。
ぶどうは他のフルーツとは異なり、解凍後も冷凍前とあまり変わりない状態に戻すことができます。
まずは、粒を房から切り離します。
こちらも枝を少し残すことで果汁を逃がさずに保存できますが、小さな粒の場合は1粒ずつが難しいかもしれませんので、房ごと冷凍してもよいでしょう。
ぶどうの粒を水で洗い、キッチンペーパーなどでしっかりと水分をふき取ります。
粒同士が重なったり、枝などで粒が傷つかないように気を付けながらフリーザーバッグなどに入れます。
潰さないように注意しながら、できるだけ空気を抜き、冷凍庫で保存します。
冷凍することにより長期間保存ができ、2週間から3週間保存することができます。
ぶどうを冷凍保存するメリット・デメリットは?
長期間保存できる冷凍保存ですが、ぶどうを冷凍保存することによりどんなメリットやデメリットが生じるのでしょうか。
メリット
もちろん、長期間保存できることがメリットとして挙げられますが、他にもメリットはたくさんあります。
ぶどうを食べるときになかなか皮がむけず、嫌になった経験をお持ちの方はいらっしゃるでしょう。
ぶどうは冷凍保存することにより、皮と実の間に隙間ができます。
ですので、水につけることで皮と実の間が滑りやすくなり、簡単に皮むきができます。
特にぶどうは生後5か月から6か月ごろの離乳食初期から食べることができますが、赤ちゃんはまだ消化能力が未熟で、ぶどうの皮を食べると詰まってしまうことがあります。
そのため、赤ちゃんに与えるときは皮をむく必要があるのですが、冷凍することで簡単に皮をむけるので与えやすくなります。
また、冷凍しているのでお弁当の中に入れてもよいでしょう。
ぶどうは自然解凍後に冷凍前とほとんど変わらない食感で食べることができますので、保冷剤代わりに使い、その後食べることができます。
メリットとは少し違いますが、半解凍にすることによりシャーベット状になり、夏のアイス代わりに食べることができます。
半解凍状態では皮も食べやすくなっていますので、眼精疲労対策などで有名なアントシアニンの摂取が行えます。
デメリット
ぶどうを冷凍することにより生じるデメリットはほとんどありません。
強いて挙げるのであれば、再冷凍することにより果汁が潰れ口当たりが悪くなるという点です。
ですので、解凍するときはその時に食べきれる分だけにしましょう。
まとめ
傷みやすいぶどうですが、冷凍保存することによって長持ちさせることができます。
冷凍することにより生じるメリットは多く、最適な保存方法と言えます。
夏にいただきものでたくさん貰ってしまったというときは、迷わず冷凍して長期間美味しく食べましょう。