どうしようもなく暑い日や、寒い日はどうやってしのぎますか?
家にエアコンがあればそれを稼働させるという方が多いことでしょう。
ですが、エアコンをつけてみるとどこからか水が滴り落ちている、という経験はお持ちではないでしょうか。
実は、水漏れというのはエアコンにおこるトラブルの上位にランクインするくらい起こりやすいトラブルです。
ある日突然水漏れを起こしたりすれば、焦りますよね。
または、水漏れなどはまだ起こっていなくても、水の流れる音が聞こえてくるということがあるかもしれません。
部屋中に被害が広がる前に急いで業者に依頼するという方も少なくはないでしょう。
ですが、水漏れを起こしている原因によっては、自分で修理できるかもしれません。
今回の記事では、そんな厄介なエアコンの水漏れの原因や修理方法をご紹介します。
エアコンの水漏れの原因は?
では、どのようなことが原因でエアコンの水漏れに繋がるのでしょうか。
多くの場合では、水漏れは冷房使用時におこります。
その原因は大きく分けて、ドレンホースが原因、エアコン内部が原因、その他の3つに分類できます。
ドレンホースが原因
まず、ドレンホースとはエアコンのパーツの中でどの部分を指しているかご存知でしょうか。
ドレンホースとは、エアコンの室内機で発生した水分を室外に排出させるための排出管のことを示しています。
このドレンホースが原因となって起こる水漏れは、エアコンの水漏れトラブルの実に8割を占めています。
つまりは、エアコンが水漏れしていたらまずドレンホースが原因であると考えてもよいでしょう。
ですので、水漏れの修理を行う際に1番に確認する部分は、ドレンホースの先端部分、つまり水が排出されている部分です。
ドレンホースからは、エアコン室内機から発生する水とともに、室内機に取り込んでしまった部屋のホコリや小さなゴミなども一緒に流れていきます。
それらがたまると、ドレンホースのどこかに詰まりができてしまいます。
詰まってしまうと、もちろん水の流れが悪くなりますよね。
水の流れが悪くなることによって、室内機に水分が取り残され、結果として水漏れが起こります。
また、他にも水の流れが悪くなる原因として、ドレンホースの配管が上り勾配になっていることがあげられます。
水は重力に従って落ちていくため、重力に反する上り勾配だと流れにくくなってしまいます。
ホースでの散水の時は、水に勢いがあり次から次へと流れてくるため押し出されて上り勾配でもきちんと水は流れてくれます。
ですが、エアコンからの排水というのは量も勢いもホースに比べて弱いです。
そのために、上り勾配があるとそこで排水が止まってしまうことがあります。
また、水が流れにくい状況を作ってしまうと、ホコリやゴミなどの汚れがたまりやすく水漏れの原因となってしまいます。
エアコンの設置が原因
ドレンホース以外の原因としてあげられるのは、室内機による原因です。
まず、室内機は水平に設置されていますか。
ほとんどの方は、エアコンを自分で設置することはまずないでしょう。
基本的にはエアコンを購入した業者に依頼して設置してもらう方がほとんどです。
エアコンの設置業者は、水平器と呼ばれるものを使い必ず水平になるように設置します。
ですが、その時に水平に設置されていなかったり、その時は水平であっても時間がたって家自体が地盤沈下やその他の理由で傾いているかもしれません。
そもそもエアコン本体が傾いていると、ドレン水はドレンホースのほうに流れていきません。
ドレン水はドレンパンにたまるだけですので、容量の限界を超えると水漏れを起こしてしまいます。
フィルターが目詰まりしている
エアコンは、室内の空気を取り込み、その空気を暖めたり冷やしたりして室内に送り込みます。
その空気を取り込む際に、ホコリや小さなゴミも吸い込んでしまうので、フィルター部分で取り除きます。
ですが、このフィルターがひどく汚れて目詰まりしてしまうと、エアコンの効率が悪くなってしまいます。
効率が悪くなると、ほとんどの方はエアコンの設定温度を下げてしまうでしょう。
そうなると、エアコンの内部が急速に冷やされてしまい、結果として結露が大量に発生してしまいます。
この結露がたまることで水漏れを起こしてしまうのです。
フィンが汚れている
フィンとは、熱交換器のことです。
これはフィルターよりも、より内部にあるパーツですが、このフィンが汚れていることも、ドレン水がうまく排出できない原因のひとつになります。
この部分に水滴がつくことにより、送風時に一緒に水分が飛ばされることが、水漏れの原因です。
送風口が結露している
送風口には、風向きを変えることができる板、ルーバーと呼ばれるパーツがついています。
ここに冷気があたると水滴が発生することがあります。
その水滴が送風時に室内に降ってくることが原因となる水漏れもあります。
ドレンパンが原因
ドレンパンには前面にある部分と背面にある部分があります。
ここにドレン水がたまり、やがて排出されるのですが、ドレンパンに亀裂が入っていると、そこからドレン水が落ち、水漏れの原因となります。
また、送風ファンの背面にあるのが背面ドレンパンと呼ばれる部分です。
その背面ドレンパンにホコリやゴミなどの汚れがつまってしまうと、水漏れが発生することもあります。
冷媒ガス不足
エアコンの冷媒ガスが不足すると、室内機の熱交換器部分に霜が付着する場合があります。
その付着した霜はやがて溶け出し、室内機から水漏れすることがあります。
エアコンを稼働し始めたらしばらくそのまま動かし続けてください。
ある程度動かしたところで室内機のフィルターを外してみます。
その際、熱交換器に霜が付着していたら、冷媒ガスが不足している可能性があります。
室内の湿度が高くなっていますと、熱交換器前面が霜ではなく氷で覆われることもあります。
その場合は水漏れだけではなく、微小な氷が飛んで来ることもあります。
修理方法は?
原因の8割はドレンホースが原因とお話しました。
まずは、ドレンホースを確認してみましょう。
ドレンホースをチェック
ドレンホースの先端が水に浸かっていたり、障害物があったり、波打っていないかチェックします。
もし、この時点で問題があるようでしたら、水が流れやすいようにドレンホースをまっすぐ伸ばします。
実はこれだけで水漏れが解決することもあるのです。
エアコンの設置業者は、メーカーからエアコン取り付けに際してドレンホースの先端を床から最低5cm以上は離すように指導されています。
もし、床から5cm以上離れていないと、床の汚れや虫などがドレンホースの先端から侵入し、結果としてドレンホース内部を詰まらせることによる水漏れを起こす可能性があります。
ドレンホースのゴミを取り除く
次はドレンホースの内部をきれいにします。
やり方は掃除機で吸い取る方法とポンプを使う方法の2つです。
これで、ドレンホースの詰まりは解消されすることができます。
掃除機で吸い取る場合は、わざわざ購入せずとも家にありますので、すぐに行えます。
用意するものは、掃除機と手ぬぐいなどの布です。
万が一ドレンホース内の水を掃除機で吸い取ってしまうと、掃除機が故障してしまうこともあるので注意が必要です。
掃除機の故障を防ぐためには、ドレンホースの出口か掃除機の吸い込み口に布を当ててから、吸い取るようにします。
布を使わないのであれば、数日間は冷房を使わないで水気がなくなってから行いましょう。
ポンプを使う方法は、市販のドレン用サクションポンプを使う方法です。
ドレンホース先端にドレン用サクションポンプの先端を密着させ、ハンドルを押したり引いたりを繰り返すことで詰まりを除去します。
使い方はいたって簡単ですので、修理業者に依頼する前に自分自身で試すことをおすすめします。
特におすすめできるのはイチネンTASCO TA918SW ドレンホース用サクションポンプです。
こちらは吸い込み口が一体化なので、小さなパーツをなくしにくいというメリットがあります。
頑丈にできており、吸引力も申し分ありません。
まずは、ポンプの口をドレンホースの排出口と合わせ、ポンプのハンドルを押したり引いたりして、ドレンホース内に詰まったゴミを取り除きましょう。
掃除機を使うよりも作業が容易なので、こちらの方をおすすめします。
ですが、ドレンホースが劣化して亀裂が入っていると、掃除機やドレンポンプで吸ってもその亀裂から空気が入り込み勢いよく吸い込むことができません。
もし、ホースが劣化している場合は、新しいホースに交換しましょう。
ビニールテープを使うだけで簡単に交換することができます。
交換の際に耐久性ドレンホースにしておくと、長持ちします。
パーツを掃除する
ドレンホースの掃除で水漏れが直らなければ、エアコン本体のパーツを掃除しましょう。
フィルターが目詰まりしているときは、掃除機でホコリなどを吸い取ります。
本体から外し、掃除機で吸い取り、十分に汚れが取れていればそのままエアコンに取りつけましょう。
もし、汚れがひどければ水洗いした方がよいかもしれません。
水洗いした場合は、きちんと乾燥させてから設置しましょう。
フィルターはきれいになっても、まだ水漏れがあるという場合は熱交換器にホコリがたまっているかもしれません。
熱交換器に汚れがたまっていると、結露をおこし、それにより発生した水がきれいに排出されません。
それを解決するためには、エアコンの熱交換器を掃除する必要があります。
フィンを自分で掃除するなら、エアコンクリーナーを使いましょう。
また、エアコンクリーナーは普段のお手入れとしても使用できます。
水漏れ時のみでなく、少し埃くさかったりやカビ臭いにおいがするときに使用してみましょう。
フィルターを取り外した状態で、熱交換器を掃除機で吸います。
その後、エアコンクリーナーを吹き付け、10分ほど放置してからフィルターを戻します。
しかし、エアコンの内部は、水に濡れると故障する部分が多くあります。
自信がなければ、業者に依頼した方が安全にとりおこなってくれます。
業者に依頼
ドレンホースのつまりや、フィルターや熱交換器の汚れ以外で水漏れがあった場合は、迷わず業者に依頼することをおすすめします。
エアコンの傾きや、ドレンホースのうねりなどは自分で直すことはまず、難しいでしょう。
ドレンパンの掃除も、あまり家庭で行える難易度ではありません。
冷媒ガスも自分で注入することが不可能というわけではありませんが、手間や故障のリスクなどを考えても業者に依頼した方が無難です。
まとめ
厄介な水漏れは、ほとんどが冷房使用時に起こるものです。
まずは、原因として最も多いドレンホースの掃除をしてみましょう。
フィルターや熱交換器の汚れも掃除機などを使って簡単に行えます。
ですが、それでも直らない場合は、業者に依頼した方がエアコンの故障リスクを格段に減らせます。
もちろん、掃除も業者に依頼することができますので、難しそう、手間がかかりそうと感じたら依頼するのも一つの手です。