もうすぐ夏です。夏といえば、花火大会やお祭りなどイベントごとが目白押しですね。
ところで、あなたは普段着物や浴衣などを着ることはありますか?旅行でホテルや旅館などに行って寝間着替わりに浴衣を着ることはあっても、日常的に和服を着る機会なんてそんなにない人の方が多いのではないでしょうか。
でも花火大会や夏祭りなど、夏のイベントでは浴衣を着る人が増えます。
ですが、夏祭りなどは意外とスケジュールの間隔が短く、それでいて頻度も高いですよね。一回一回クリーニングに出していたら遊びに行くお金がなくなってしまうかもしれません。
そこで今回は、浴衣の洗濯についての雑学をご紹介します。材質によってしてもいい洗濯方法がありますので、参考にしてみてください。
浴衣を洗うときはどうする?
浴衣を着たあとは汗をかいていることもありますよね。また、屋台の食べ物や花火の火薬の匂いなどが着いていることも。できることなら自宅で洗濯したいと考える人も少なくはないでしょう。
では、浴衣のお手入れ方法について説明します。
浴衣を脱いだ時に
着用回数が少なく、あまり匂いも気にならないのであれば、和装ハンガーなどにかけ外干しをするとよいでしょう。
和装ハンガーは1000円〜2000円の価格で売られていますが、百円均一ショップなどで買うこともできます。また、浴衣結やこちらのブログで和装ハンガーの作り方が紹介されています。
洗う時は
まず、必ず洗濯表示を見ます。特に浴衣は材質によって洗ってよいか、どういった洗剤なら使ってよいのか、洗濯機を使っていいのかが変わってきます。
そして洗濯可能であっても、まずは色落ちしないのかどうかを確かめることが大切です。でも、これはやってみるまで分からないものなのです。
ですので、まずは目立たない部分で試してみてください。浴衣でしたら帯の部分やおはしょり部分は一般的に外から見えることはありません。
布を水に浸し、浴衣の柄部分をとんとん、と軽く叩きましょう。それで色移りがあるようでしたら、クリーニング店などにおまかせするほうが無難です。
色落ちがないようでしたら、洗濯しても構わないです。もし心配であれば、ほかの洗濯物と分けて浴衣のみを洗いましょう。ぬるま湯を使うより冷たい水を使う方が色落ちのリスクは減ります。
もし心配な方は手洗いをする方がよいです。手洗いでしたら洗濯機を使うより優しく洗えますし、万が一色落ちし始めてもすぐに気付くことができます。
また、洗濯機を使う場合は必ず洗濯ネットを使用してください。手洗いであっても洗濯ネットに入れておいた方がよいです。
綿素材
綿素材の浴衣は基本的に洗うことが可能です。ですが、浴衣の織り方などで不向きなものもあります。絞りの浴衣は、シボが小さくなることもありますので、クリーニングに出した方がよいかもしれません。
綿絽の浴衣も絽の部分はかなり歪みやすいです。できれば、専門のクリーニング店にお願いした方がよいでしょう。
洗濯機、手洗いどちらも可能なものが多いです。洗濯表示を見て、洗濯機が不可となっていれば手洗いします。洗濯表示がついていなく、不安であればクリーニング店におまかせしましょう。
使う洗剤は、市販のおしゃれ着用の洗剤で構いません。アルカリ性の洗剤は色落ちしやすいので辞めておきましょう。
早く乾かしたいからといって、乾燥機は使わないでください。シワになったり縮んだりします。
綿麻
綿と麻で織られた浴衣です。こちらは、麻素材が入っていますが基本的には洗って構いません。もちろん、洗濯表示には従ってください。
麻素材が入っているので、綿素材よりも縮みやすいです。気になる方は手洗いにした方が無難でしょう。
こちらもおしゃれ着用の洗剤で洗うことが出来ます。洗い方は綿素材と同じで構いませんが、縮みやすいことを留意しましょう。乾燥機は絶対に使わないでください。
麻素材
麻100%で織られた浴衣です。麻は縮みやすいため、自宅での洗濯はあまりおすすめできません。
どうしても洗いたい時は、中性洗剤やおしゃれ着洗剤で洗います。縮みやすいので、お湯は使わないでください。
手洗いする際は、あまり強く擦りすぎない方がよいです。押し洗いだけして、汚れのひどい部分は繊維に沿って押し出しましょう。
乾燥機はこちらも使うのはNGです。生地が縮みますし、シワになります。
ポリエステル
ポリエステルは特に洗濯に向いている素材です。こちらもおしゃれ着用の洗剤を使って洗いましょう。丈夫な素材ですので、弱アルカリ性の洗剤でも生地が傷むことはそう多くはありませんが、色落ちには気をつけてください。
洗濯機でも手洗いでも洗うことは可能です。ポリエステルは逆汚染といって、洗濯槽の汚れなどを吸着しやすい特徴がありますので、洗濯機が綺麗かどうかをよく確かめます。
シワはつきにくい素材ですが、高温はよくありません。ですので、乾燥機は使わないでくださいね。
その他洗ってはいけないもの
絹や金糸が入った素材のものは、家庭では洗わない方がよいでしょう。また、洗濯表示がないもの・材質がわからないものはなるべくクリーニングに出した方が無難です。
洗い方
まず、埃などはブラシ等で払っておきます。気になる汚れがある時は、中性洗剤をつけ、軽く叩きます。シミ汚れがある際は、部分用の酸素系漂白剤をつかい、すぐに洗います。
浴衣は面倒でも畳んでから洗います。そうすることでシワになりにくく、仕上がりが綺麗になります。
左右の袖を合わせて、前身頃で山折りにします。着ているときで言うなら、手を後ろで組んだような状態です。
見頃を4つ折りにして、洗濯ネットに入れます。ベストなのは着物用洗濯ネットですが、普通の洗濯ネットでも可能です。あまりにもネットが大きすぎる場合は、数箇所留めて置いた方が型崩れの防止になります。
折り方のコツですが、1番汚れやすい部分が外側になるようにしましょう。浴衣の場合は、裾部分や皮脂がつきやすい襟元です。
洗濯機に入れる時は、できるだけ1枚ずつ洗います。色落ちや色移りのリスクが減らせます。中性洗剤を使い、「おしゃれ着洗い」や「ドライコース」、「手洗いコース」にした方が浴衣がシワになりにくいです。
脱水は必ず短めにします。濡れたままバスタオルの上などに置き、その後まだ濡れた状態で和服ハンガーなどにかけ陰干しします。その時に少しシワを伸ばしておくとアイロンがけがスムーズになります。
手洗いをする時は、大きめのタライなどにたっぷりと水を入れます。この時の水の温度は30℃以下が目安です。その水に中性洗剤を溶かし、浴衣を押し洗いします。
その後洗濯機で30秒程度の短い脱水を行い、干します。パリッとさせたければ洗濯のりを使うとよいでしょう。また、繰り返しになりますが乾燥機にかけるのは絶対に辞めてください。
洗濯表示別使用可能洗剤
洗う時に1番頼りになるのは洗濯表示です。一覧にしましたので、参考にしてみてください。
洗濯表示 | おしゃれ着用 | 蛍光剤無配合洗剤 | 蛍光剤配合洗剤 |
中性と書いてある | おすすめ | 使用不可 | 使用不可 |
中性表示のない「生成」や淡い色のもの | 使用可能 | おすすめ | 使用不可 |
中性表示のないそれ以外の色のもの | 使用可能 | 使用可能 | おすすめ |
基本的に家で浴衣を洗う時は、おしゃれ着用の中性洗剤が無難です。LIONの「アクロン」や花王の「エマール」などが当てはまります。
アイロンはかけても平気?
シワや型崩れ防止のためにもアイロンがけをしたいところですね。実は、アイロンもかけることができます。
まずかける時はドライアイロンをします。また、湿っていない状態でアイロンをかけるとシワが伸びづらく、何度もかけることになりますので、まだ湿った状態からかけましょう。
乾いてしまっていたら、霧吹きなどで湿らせてあげてください。
温度ですが、綿や麻は高温でかけることができます。ポリエステルは熱に弱いので、中温程度がよいでしょう。こちらも必ず洗濯表示に従って温度調整をしてください。
基本的に浴衣をアイロンがけする時はあて布をします。これによって生地の傷みを抑えることができます。
もし、シワになりすぎていたりしてアイロンがけが難しそうな時はプレス機を使っても構いませんが、絞りの浴衣はシボが消えてしまいますので注意が必要です。
浴衣の洗濯まとめ
案外慣れれば自宅で行える浴衣の洗濯、いかがでしたか?洗ってはいけないと思い込み、クリーニングにずっと出していた方は、今年挑戦してみるのもよいかもしれませんね。
また最近では帯も洗えるものがありますが、浴衣に比べると汚れることは少ないので、匂いが気になる時はスプレーで対処してもよいでしょう。
高い浴衣はあまり自宅で洗うことはおすすめできませんが、最近の浴衣は安いものも売られています。ぜひ、今年は浴衣の洗い方をマスターし、夏祭りを楽しんでくださいね!