お手入れをしないで放っておくと包丁はいつの間にかサビてしまいます。例えば、サビた包丁を使って切った刺身はサビ臭くてとても食べれたものではありません。

包丁がサビる原因とサビの落とし方について説明します。そのうえでサビにくい包丁とはどのようなものか解説します。

 

 

包丁がさびる原因は?

 


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サビは空気中の酸素と水分が包丁の鉄を酸化させることにより発生します。多くの包丁が鋼製で鉄分を含んでいることから、サビができてしまうのです。

鋼の包丁はしばらく使用していると酸化被膜が刃の表面にできるので、サビにくくなります。しかし、おろしたての包丁は酸化被膜がないので、非常にサビやすい状態にあると言えます。

サビを摂取することは人間の健康には悪いのでしょうか。人間の体内には血液が流れており、その血液には鉄分が含まれています。

血液中の赤血球が鉄分を持っているのです。したがって、基本的にはサビそのものは人体には悪影響はないと考えられます。
包丁と玉ねぎ
しかし、サビの種類によっては、鉄以外の銅や鉛などの他の物質を含んでいるものもあります。このようなサビを大量に摂取してしまうと、中毒症状を引き起こす可能性があります。

最も大きな影響があるのは食材の味です。前述したように、刺身のような繊細な味が求められるような料理にサビや包丁を使うと、サビの臭いが食材に移ってしまいます。

高級なお店の料理がサビ臭かったら大問題ですし、家庭料理だとしても気持ちがげんなりしてしまいます。

また、包丁がサビているということは普段包丁のお手入れをしていないということです。そんな包丁では切れ味も悪いでしょう。

切れ味の悪い包丁で拵えた料理は、やはり味が落ちると思われます。

たかが包丁のサビだと思うかもしれませんが、料理道具を大切にしないということになりますし、料理に対する考え方が間違っていると思われても仕方がないでしょう。

包丁がサビる原因は、前述の通り、酸素と水分ですが、サビにくい包丁を使ったり、乾燥している場所に包丁をしまう、などの対策以上に、普段の包丁に対する取り扱いが重要になります。

 


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もしサビが発生したとしても、早い段階でしかりと落とすことができれば、被害は最小限に抑えられます。それでは、包丁のサビはどのようにして落とせばよいのでしょうか。
包丁一式

 

 

どのようにサビをとるか?コツは?

 

 

包丁のサビを落とすには、さまざまな方法があります。まずはコルクとクレンザーを使う方法です。

コルクはワインを飲んだ時に使ったものを再利用しても構いません。最初に包丁の刃のサビの部分にクレンザーをかけます。

クレンザーは単なる洗剤ではなく、研磨剤が含まれている洗剤で、汚れを削り落とす力があります。

包丁を手で押さえて固定して、コルクでサビをこすります。コルクはスポンジに比べると固さがあり、気泡があるため刃に密着しやすい素材です。

サビが落ちたらよく水洗いをして乾かしておきます。この方法はプロの料理人も使ってる方法で、包丁のサビがよく落ちる方法として知られています。

クレンザーの代わりに歯磨き粉を使っても問題はありません。歯磨き粉にも研磨剤が含まれているので、包丁のサビをこすり取ってくれます。

次に、重曹とアクリル製のたわしを使う方法です。どちらも100円均一ショップで売られていますので手軽に入手することができます。

最初に包丁のサビている部分に少し重曹を振りかけます。最初から大量の重曹をかけないように注意してください。

重曹をかけた部分を、湿らせたアクリル製のたわしでゴシゴシとこすります。様子を見ながらこするようにしましょう。

少しこすってサビが落ちているようならこするのを中止して、落ちていなければ落ちるまでこすり続けます。サビが落ちたら水洗いして乾燥した場所で乾かすようにします。

包丁のサビはでも落とすことができます。包丁の刃の部分全体が沈む大きさの容器に酢を満たします。

包丁のサビは柄に近い部分にも発生しやすいので、包丁を酢の中に沈めてしまったほうが楽です。酢の中に5分間くらい浸しておいて、取り出したらサビをこすり取ります。

酢は一般家庭にも常備されていることも多いですし、コスト的にも高額ではありませんので、利用しやすい方法ではないでしょうか。

酢と同じような効果を期待できるものに柑橘系(ライムなど)のジュースがありますが、サビを落とすのに柑橘系のジュースを使うことは、コスト的にも心情的にももったいないかもしれません。

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他には100円均一ショップなどで売られているサビ取り用の消しゴムやクリームを使う方法もあります。

サビ取り用の消しゴムは、普通の消しゴムと同様に、包丁のサビの部分をゴシゴシと消すようにこすればサビが取れる優れものです。

サビが取れたら、包丁をよく洗って乾かします。クリームは包丁に塗り込んだ後に、数分から数十分時間を置きます。

時間が経ったら布などでサビをこすります。消しゴムの場合と同様に、サビが落ちたら水でクリームをきれいに落として、乾かしておくとよいでしょう。
包丁と砥石

 

 

錆びづらい包丁の選び方や材質は?

 

 

包丁は材質によってはサビにくいものもあります。どのような材質の包丁であればサビづらいとされているのでしょうか。

包丁には大きく分けて、鋼(はがね)、ステンレス、セラミック、という材質があります。一般的に鉄製の包丁と言えば、鋼の包丁を想像する人が多いのではないでしょうか。

鋼とは正確には炭素鋼のことを差します。炭素鋼には硬度が高く、加工しやすいという特徴があり、研磨することも容易です。

鋼には安来鋼(やすぎはがね)とSK鋼の2種類がありますが、SK鋼から不純物を除去した鋼が安来鋼となっています。安来鋼は日立金属が生産している鋼です。

安来鋼には、硬度の違いなどによって、青紙スーパー、青紙、白紙、黄紙に分類されています。青紙スーパーが最も摩耗しにくく、研ぎにくい鋼とされています。

鋼の包丁は、鉄分が多く含まれていることから、サビやすい包丁の筆頭と言っても良いかもしれません。

そこで家庭で使う包丁は、現在はステンレス製のものが主流になっていると言っても過言ではないかもしれません。

ステンレス包丁は、Stainless=Stain(サビ)がない、という意味で命名されている鉄にクロムを混ぜたステンレス鋼で作られた包丁のことです。

ステンレス包丁はサビに強く、価格もピンキリでお手頃なものもたくさん出回っています。

以前は丈夫さに難があったものもありましたが、現在では切れ味も良く耐久性のあるステンレス包丁が売られています。

しかし、ステンレス包丁は絶対にカビないというものではないことに注意が必要です。鋼の包丁と同様に毎日のお手入れをきちんとすることで長く使用することができるのです。

さらに最近ではセラミックス製の包丁を使っている人も増えています。セラミックスとは、陶磁器にも使われている素材ですが、包丁の場合にはジルコニアという高い硬度の物質を使ったものが多いようです。

ジルコニアは人工ダイヤモンドにも使われている素材で非常に固い物質です。セラミック包丁は高価ですが、非常にサビにくい包丁であると言えます。

また、刃こぼれはしにくいとも考えられ、その一方で刃を研ぐのに特殊な方法が必要になったりするので、簡単には研ぐことができないという特徴があります。

上記以外にも、モリブデン鋼(モリブデンが含まれている鋼)やチタンなど、サビに強い素材を使った包丁があります。

しかし、包丁の素材を吟味することも大切かもしれませんが、サビの防止には、洗って乾かすという日々の取り扱いをきちんと行うことがより重要です。