生ごみをきちんと捨てたつもりでも、ゴミ捨て場を見に行ってカラスに荒らされたあとがあると気分がげんなりしてしまいます。
カラスは頭が良い鳥と言われているので、簡単なカラス対策ではあまり効果がないのかもしれません。
生ごみのカラス対策について説明します。
カラスの生態
カラスは、見ての通り体色が黒い鳥で、鳴き声もあまり美しくはないので、一般的にはあまり好かれる鳥ではなく、飼っている人も少ないでしょう。
ましてや、ゴミ捨て場を荒らしたり、人を襲ったりもするので、どちらかというと嫌われることの多い鳥です。カラスはどのような生態を持っているのでしょうか。
日本に生息しているカラスの多くは、ハシブトガラスかハシボソガラスの種類に大別されます。
ハシブトガラスは主に都市部に生息していて、獰猛で時には人間を襲うこともあるカラスです。ハシボソガラスは主に地方に生息していて、木の実などを主食にしているカラスです。
どちらのカラスも雑食性ですが、ハシブトガラスは肉食傾向が強いので、食べ残しの弁当のおかずやコンビニの廃棄食材などは好んで食べようとします。
カラスは非常に目の良い鳥で、視覚で物を判別しています。エサを探すのも視力頼りなので、例えば生ごみを見えないようにすると見つけることができないと考えられます。
その反面、臭いにはとても鈍感です。他の動物は嗅覚によって食べ物を見つけたり、どんな食べ物かを判別したりする場合が多いですが、カラスの嗅覚は弱く、臭いで生ごみに近付くようなことはありません。
しかし聴力は非常に高く警戒心も強いことから、簡単には捕まえることができない鳥です。鳥の中でもかなり用心深い種類だと考えられます。
カラスはとても早起きで太陽が昇る前から活動を始めています。したがって、早朝に生ゴミを出してしまうと、人間も少ないので、格好のエサ場となってしまう可能性があります。
また、カラスは一夫一婦制で、学者の中にはカラスには結婚という概念があるのではないかという人もいるくらいです。
同じ相手と巣を作り、子供を産み、育てるように、基本的には毎年同じ個体と繁殖活動を行っています。行動する時も2羽で行動することが多いそうです。
昼間は、カップルのカラスを除くと、それぞれで行動することが多いカラスですが、夜にねぐらに戻る時には集団で一斉に戻ることが一般的です。
カラスの寿命は意外に長くて10年~20年くらいと言われています。実は、まだカラスには未知の部分もあり研究が続けられています。
カラスの寿命に関しても、研究中ということもあり幅があるのが現状です。カラスは非常にコミニュケーション能力の高い生物です。
鳴き方で、仲間に対して「エサがある」「危険だから近付くな」「大丈夫、今は安全だよ」などという情報を伝達していると言われています。
このように知能が高いため、あるカラスが危険な経験をすると、そのカラスだけでなく仲間のカラスも同じような危険な目に合わないようにその場所を回避するような行動をとるようになります。
カラス除けの対策
頭が良いカラスに対して、生ごみを荒らされないようにする方法にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的なカラス除け対策を紹介します。
ネット
カラス除けには効果があると思われているネットですが、大切なのはネットの使い方です。
カラスは頭が良いので、ネットを持ち上げてネットの中に入ってしまい生ごみなどを荒らしてしまう場合があります。
実は結構力もあるので、ネットで生ごみを覆ったくらいでは、簡単にネットを持ち上げてしまうこともあります。
ネットの目が粗い場合にはそこからくちばしを突っ込んで生ごみを荒らしてしまいます。
つまり、ネットが動かないように重りなどで固定しておくこと、編み目の細かいネットを使うようにすること、重いネットを使用すること、などが重要なポイントです。
また、地域のゴミ収集所では多くの住民がゴミを捨てるので、ネットの使用方法についても共有しておくような工夫は必要かもしれません。
新聞紙
前述したようにカラスは非常に目が良いので、生ごみを見えないようにしておくことも効果的です。例えば、生ごみを直接透明なゴミ袋に入れないようにするのです。
ゴミ袋の外側に新聞紙で目隠しをして、その中に生ごみを入れるようにするとカラスには気付かれにくくなります。
しかし、一度つつくとゴミ袋が破れて中身が見えてしまうので、頭の良いカラスは手当たり次第にゴミ袋をつつくようになるかもしれません。
物理的にカラスが生ごみに触れることができないようにしてしまう方法も考えられます。
ゴミバケツ
蓋が閉まるゴミバケツに生ごみを捨てるようにすることも効果的です。基本的には、カラスには蓋を開けることはできないので、安心してゴミを捨てることができるでしょう。
しかし、簡単に開けることができる蓋のゴミバケツではカラス除けにはならないかもしれません。
また、ゴミバケツを置くスペースがない家やゴミの出し方のルールが決まっている場合には利用が難しい場合も考えられます。