みなさんのご家庭では、どのくらいの期間エアコンを使用しているでしょうか。
ほとんどの方は、夏と冬の2期にエアコンを使用しているのではないでしょうか。
もちろん、一年中エアコンを使っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、エアコンは夏や冬のはじめに久しぶりにつけるという方が多いでしょう。
久しぶりにエアコンをつけてみたら、どこからともなく臭い風が部屋中に広がってしまったという経験をお持ちではないでしょうか。
その臭いの原因は、ずばりエアコンです。
今回の記事では、エアコンからただよう臭いの原因やその対策方法をご紹介します。
また、エアコンは家のみではなく自動車にもついていますね。
車のエアコンについてもご紹介します。
エアコンが臭い原因は?
エアコンの臭いの原因と言われて、何が思いつくでしょうか。
ホコリや雑菌、カビといったものが思い浮かぶのではないでしょうか。
どう考えてもあまりきれいなものではないですね。
家庭用エアコン
まずは、どんな臭いが気になるでしょうか。
よくあるのは5つのにおいで、カビ臭いにおい、生臭いにおい、タバコのヤニ臭いにおい、すっぱいにおい、よくわからないが嫌なにおいに分けることができます。
ヤニ臭さは原因がわかりやすいですね。
ご家庭に喫煙者がおり、部屋でタバコを吸っているのであればその臭いが原因となります。
酸っぱいにおいは主に汗のにおいです。
室内で筋トレをしたり汗をかく環境にある場合や、ペットを飼っていると方、人間やペットの汗がにおいの原因となっていることが多いです。
これら2つのにおいは、エアコンの仕組みが関係しています。
エアコンは、暖めた空気や冷たくした空気を部屋に送ることで室内の温度を変えます。
詳しく仕組みを見ていきましょう。
まずは、部屋に送り出すための空気をエアコン内部に取り込む必要があります。
多くの機種では、エアコンの上部から室内の空気をエアコン内部に取り込んでいます。
取り込まれた空気は、エアコン内部のフィルターを通り、空気中のホコリやチリといった微小なゴミが取り除かれます。
フィルターを通ってきれいになった空気は、フィンと呼ばれる熱交換器とによって、暖められたり冷やされたりします。
暖められたり冷やされた空気は、ファンによって部屋に送り出されるのです。
こういう仕組みを通じて、部屋の温度を変化させます。
つまり、エアコンは部屋の空気を使って温度を変化させているため、部屋の中ににおいの発生源があると、エアコンから出てくる空気ににおいがついてしまいます。
もちろん、タバコも誰も吸わないし、ペットも飼っていないし、部屋で筋トレを含めた汗をかく運動もしないのに、エアコンから変なにおいがするという方もいることでしょう。
その場合はずばり、エアコンの中が原因となってにおいが発生しているのです。
先ほども紹介したホコリやカビ、雑菌ですね。
エアコンに黒い斑点状の汚れがついていたり、ホコリがたまってるということはありませんか。
これらが、エアコンのにおいの原因です。
この場合は対策として掃除するしかありません。
車のエアコン
車のエアコンも、原因となるものはほとんど同じです。
ですが、車の中で筋トレなどをするというかたは稀でしょうから、タバコのヤニやカビ、ホコリ、雑菌などですね。
エアコンを使うことによって外気温との差が生まれます。
それにより、エアコンの部品の中に水滴が発生して結露してしまいます。
結露は湿気ですので、そこにカビが発生します。
さらに、その結露にホコリなどが付着してしまうと雑菌も繁殖してしまいます。
対策は一人で掃除可能?
エアコンのにおい対策は、やはり掃除をすることでしょう。
もちろん、タバコ臭いにおいやすっぱいにおいなどは原因となるものをとめることで収まります。
タバコでしたら、タバコ専用の消臭剤を使ったりすればマシにはなるでしょう。
すっぱいにおいは汗の匂いが主な原因ですので、部屋の消臭剤や芳香剤などで対処することができます。
ですが、カビやホコリ、雑菌のにおいは原因となる元を絶たなければいつまでも臭い続けます。
家庭用エアコン
エアコンで掃除できる部分は、取り外すことのできるフィルター・ルーバー・カバーと取り外すことのできないフィン・ファン・ドレンパンの6つです。
掃除する前に、踏み台や脚立などを用意しておくと、高いところまで手が届きます。
掃除機や洗濯用の中性洗剤などで掃除をしましょう。
手が荒れやすい方は必ずゴム手袋を着用することをおすすめします。
細かい部分の掃除には使い古した歯ブラシや綿棒、つまようじなどを準備しておきましょう。
また、掃除するさいは、感電などを起こさないためにも必ず電源を切り、コンセントを抜いてください。
エアコンの内部の掃除前に、普段あまりエアコン周囲の掃除をしないという方は、外面を掃除しましょう。
エアコンの表面や上部にホコリが溜まっている状態で掃除を始めてしまうと、部屋中にホコリを撒き散らすことになります。
やわらかい布やハンディモップをつかって乾拭きしましょう。
取っ手が長いものを使うと、高いところの掃除も楽に行えます。
ですが、汚れがひどいからといってアルコールやベンジン、シンナーなどは絶対に使わないでください。
表面の素材を傷める可能性があり、その傷に余計な汚れがつくおそれがあります。
では、エアコン内部の掃除です。
まずはエアコンのカバーを開けます。
カバーは機種により前面パネルと呼ばれることもあります。
エアコンの側面を両手でもつと、カバーを開けるための取っ手やくぼみがあります。
その取っ手やくぼみを持ち、少し手前に引きながらカバーが止まる位置まで、ゆっくりと引き上げていきます。
取り外し方は、機種により異なります。
無理矢理取り外すと、故障や破損の原因となりますので、取扱説明書を参照してください。
もし捨ててしまった、どこにいったかわからないという場合は、インターネットで型番を検索すると、メーカーなどのホームページにウェブ版のマニュアルを置いてあるものが多いです。
カバーが取り外せたら、次はフィルターを取り外します。
多くの機種では、下に引っ張ることで簡単に取り外すことができます。
次にルーバーを取り外します。
カバーやフィルターと違い、名前だけではどのパーツかいまいちわかりづらい方もいるかもしれません。
ルーバーとは、エアコンの電源をつけたときに、はじめに動き出す横長のパーツです。
風向きを上下左右に調整する働きを持っています。
最近の機種では、風向きを緻密にコントロールするためにたくさんのルーバーがついていることもあります。
ほとんどの機種で取り外し可能ですが、中には取り外しにくい機種もあります。
その時は無理に取り外そうとせず、そのままの状態で掃除するようにしましょう。
無理矢理取り外すと、破損の原因となり、終わったあとに元に戻せないこともあります。
これらの取り外すことのできたパーツは、目に見えるホコリがついていたら掃除機で吸い取ります。
フィルターは表面から吸い取ることで簡単に取り除くことができます。
ただし、水滴がパーツについている場合は、掃除機を使うのはやめておきましょう。
掃除機の故障につながります。
その場合は、乾いた布で拭くだけで問題ありません。
その次に、パーツを洗ってしまいます。
洗剤を、手洗いと同じ濃度に薄めましょう。
浴槽などに浸け置きしても構いません。
全てのパーツをシャワーなどをつかって水洗いします。
水洗いがすんだら、フィルターを洗剤液につけおきしておきます。
その間に、ルーバーとカバーの汚れを洗剤液をつかってきれいにしていきます。
歯ブラシを浸けながら、目立つ汚れを歯磨きと同じくらいの力加減で擦り落としします。
細かい部分は、綿棒やつまようじなどを使うとよいでしょう。
ルーバーとカバーを磨き終えたら、フィルターを洗剤液から取り出して、歯ブラシで擦ります。
こちらも細かい部分には、綿棒やつまようじを使うことで落とすことができます。
すべてのパーツが洗い終わったら、入念に水をつかい洗剤を落とします。
洗剤が残らないようにするのがコツです。
最後に完全に乾かします。
水分が少しでも残っていると、そこから再びカビなどが生えてきてしまいます。
乾いた布で拭き取ったあと、風通しのよい場所に置いておくとよいです。
乾燥させ終わったら、元の場所にパーツを設置します。
その後30分〜1時間程度送風で運転させることで、よりきちんと乾燥させることができます。
個人が自宅で行えるエアコン掃除はここまでに留めておく方がよいでしょう。
フィン、ファン、ドレンパンの内部にあるパーツは、個人で行わずプロに依頼する方が安心かつ安全です。
エアコンの内部まで掃除できるスプレーなどもありますが、誤って水気厳禁のパーツにかかってしまうと火災の原因にもなります。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると、平成22年度~平成26年度に、エアコンの洗浄液が原因でとされる発火事例が、全国で16件起きています。
車のエアコン
まずは、日常的に行える手入れ方法です。
においに困った時の応急処置手段としても使える方法ですが、普段の運転時から、湿気の除去を意識しておくことで、エアコンの内部に湿気が溜まることを防げます。
エアコンを使った際は、運転が終わったらエンジンを切る前に「A/C」ボタンを切り、設定温度と風量を最大にします。
窓を開け換気しながら10分程度そのままにしておきます。
このひと手間を加えるだけで、エアコンの内部にカビが発生するのを抑えることができます。
次はメンテナンス方法です。
エアコンフィルターは、1年ほど使うと真っ黒に汚れてしまっています。
自動車メーカーやディーラーはエアコンフィルターの交換時期として1年~2年ごと、もしくは走行距離が約10,000km~30,000kmを推奨しています。
脱臭タイプ・粗塵タイプ・微粗塵タイプ・花粉除去タイプなどフィルターにも種類があり、それによっても目安の時期は異なります。
また、走行する環境にも依存します。
走行していれば、自然とホコリや砂などがエアコンフィルターに入ってしまいます。
そのため、粉塵の多い地域を走ることが多い方はよりこまめにフィルターを交換するほうがよいでしょう。
走行距離をあまり気にしていない方は時期での交換をおすすめします。
1年使ったくらいではそこまで臭いが気にならないという方は、車検時に合わせて2年ごとに交換するとよいでしょう。
エアコンフィルターの交換は車検項目には入っていません。
もし車検で交換をする時は忘れずに依頼をしておきましょう。
もちろん、自分で交換することもできます。
フィルターの交換方法は、車種ごとに異なりますので、取扱説明書を参考にしてください。
交換用の新しいエアコンフィルターは、車種によって適合品番が異なります。
自分の車の品番を調べ、それに合ったエアコンフィルターを購入してください。
ディーラーやカー用品店、インターネットで購入することができます。
交換するほどでもないときは、フィルターによって水洗い可能なものがあります。
純正パーツの場合は、ほとんどが水洗い不可となっていますので、新しいものと交換した方がよいでしょう。
業者に頼んだほうが手っ取り早い?
自分でエアコン掃除をすることが手間であると感じるのであれば、プロにエアコンクリーニングを依頼する方がよいでしょう。
そもそも、エアコン内部は個人で掃除することがあまり推奨されていないため、どうせ依頼するのであれば同時にフィルター部分なども依頼してもよいかもしれません。
専用の器具や技術をつかって、エアコンの隅々まで掃除してくれますので、手っ取り早く安全に掃除することができます。
車のエアコンについても同様です。
ディーラーなどによっては、フィルターをそこで購入することで工賃が安く済んだり無料になったりというサービスもあります。
以上のことからも、エアコンのクリーニングはプロに頼むというのも一つの手であるといえるでしょう。
まとめ
エアコンのにおいは、掃除により抑えることができます。
カビやホコリ、雑菌などがにおいの原因ですので、それを取り除いてあげましょう。
自分では難しい部分はプロに頼むという選択肢があります。
エアコンの掃除により、エアコンの運転具合はもちろん、人体にとってもよい影響があります。
手間かもしれませんが、定期的なクリーニングを行うことを強くおすすめします。