ラベンダーは地中海沿岸を原産とする、春から秋にかけて青紫色の小さな花を咲かせる植物で、現在では世界中で栽培されています。白やピンクの花を咲かせる種類もあります。

細い茎で、葉も灰緑色で細長く、高さは50㎝から1mくらいにまで育ちます。

日本でも北海道の富良野にあるラベンダー畑は有名です。ラベンダーは、古代ローマ時代にそのハーブを入浴に使っていたそうです。


スポンサードリンク


ラテン語で「洗う」を意味するラワーレ(Lavare)に由来して、ラベンダーという名前になったと言われています。ラベンダーの効能と使用上の注意について説明します。

 

 

ラベンダーの効果・効能は?

 

 

ラベンダーにはさまざまな効能がありますが、主な6つの効能について紹介します。

 

リラックス

 

優しいラベンダー香りには、人の心を落ち着かせてくれる効果があります。

ラベンダーの香りは中枢神経に働きかけ、気持ちを静めるセロトニンという物質の分泌を促すと言われています。

緊張感や不安、または日頃のイライラした気持ち、などを落ち着かせるためにラベンダーの香りを嗅いではいかがでしょうか。

また、緊張が原因となる高血圧や頭痛、不眠にも効果があるとされています。

 

鎮痛・鎮静作用

 

ラベンダーの香りには緊張を和らげる作用があるので、運動した後の疲れた筋肉などに対する鎮静効果が期待できます。

加えて、ラベンダーには鎮痛作用もあるので、腹痛や生理痛などの痛みを鎮めて、緩和してくれる効果があります。

 

冷却効果

 

ラベンダーには物を冷やす効果もあります。運動して火照った部分を冷やすだけでなく、炎症を起こしている部位に使うことも有効です。

 

スポンサードリンク


肌のトラブル予防

 

ラベンダーには、肌細胞の再生をサポートする力と、皮脂のバランスを健康的に整える効果があります。

したがって、ラベンダーには、吹き出物やニキビなどの皮膚の炎症を防いでくれる効能があるのです。
ラベンダーの花

 

抗菌・殺菌

 

ラベンダーには強い殺菌能力があります。昔から傷口を洗うのにラベンダーが使われていたのは、この殺菌能力を利用するためだったのです。

 

防虫効果

 

ラベンダーには防虫効果もあります。中世ローマの時代には、部屋の中にラベンダーを吊るして虫を防いでいたそうです。服と一緒にタンスに入れておいても効果があるようです。

 

 

どのような使い方がある?

 

 

ラベンダーには上記のような効果があるとされています。ラベンダーには20種類以上もの品種があると言われています。

代表的な品種にはイングリッシュラベンダーやラバンディンなどがあります。

イングリッシュラベンダーはメディカルハーブとしても有名で、効能が高く、価値があるラベンダーとされています。

具体的には、どのような方法でラベンダーは使われているのでしょうか。

 

ハーブ

 

ラベンダーは、ハーブの女王とも呼ばれ、ハーブの中でも高い人気があります。食用、薬用、香水、アロマ、クラフト、など様々な形で利用されています。

ラベンダーを乾燥させてハーブにして、紅茶などに混ぜてハーブティーとして飲むと、さっぱりしてリラックスした気分になれます。

おすすめのハーブティーのブレンドは、ティースプーン1/4杯程度のラベンダーに対して、ティースプーン1杯程度の紅茶をブレンドする方法です。

お好みの紅茶は、ニルギリ、キャンディ、ディンブラなどです。

 


スポンサードリンク


 

お湯をティーポットに300ccほど入れます。注いだお湯300ccに対して、ブレンドしたハーブティーをティースプーン2杯ほど程度入れて、3分ほどよく蒸らします。

蒸らす時間でハーブティーの濃さは調整できますので、お好みの状態に調整するようにしましょう。

実際に口の中もさっぱりするので、食後にハーブティーを飲むと食後の談笑がますます楽しくなるのではないでしょうか。

気持ちがイライラしている時に飲めば、気分転換になります。また、気分が塞いでいる時の状態を和らげてくれる効果も期待できます。不眠にも効果があるそうです。

ハーブにすると、お茶だけでなく、料理に混ぜて使うことも可能なので、利用方法が広がります。食用の場合は、ジャムや砂糖に漬け込んで食べることをおすすめします。
ハーブティー

 

アロマ

 

ハーブの花を精油してアロマオイルを抽出すると、いろいろな方法で利用することが可能になります。

ハーブのアロマには気付け薬の作用がありますので、認知症の人には気持ちを穏やかにすると同時に記憶をはっきりとさせる効果があるようです。

また、お風呂にアロマオイルを数滴たらすと、リラックス効果と美肌効果の両方が期待できます。

中には化粧水にアロマオイルを混ぜて使っている人もいますが、この精油が強すぎる場合がありますので、薄めて使うことをおすすめします。

 

ポプリ

 

ラベンダーは心地良い爽やかな香りがするので、ポプリにする人も多いようです。ポプリにすると香りが長持ちするので、居間や寝室に置いて香りを楽しむこともできます。

また、タンスの中にポプリを入れておくと、香りが洋服に移って心地良い気分を味わえるだけでなく、防虫効果も期待できます。

 

鑑賞

 

花本来の楽しみ方ですが、ラベンダーの優しい柔らかい色彩は、見ている人の心を和ませてくれます。

庭の花壇に植えたり、ベランダの鉢に植えたり、身近で目を楽しませてくれるでしょう。また芳香もキツイ香りではないため、鑑賞にも適している花です。

なお、ラベンダーは、日当たりと水はけが良い場所でよく育ちます。石灰質の土であれば、なお良いでしょう。

寒さには強いと言われていますが、逆に高い温度や高い湿度を嫌います。風通しの良い場所で育てることがおすすめです。
ラベンダーのアロマ

 

 

スポンサードリンク


副作用や子供に使用するときの注意点は?

 

 

このようにさまざまな効能があり、便利に利用することができるラベンダーですが、利用する際に注意しなければいけないポイントはどこでしょうか。

ラベンダーは妊娠中の人は避けたほうがよいでしょう。なぜならばラベンダーには女性の子宮を刺激する効果があるからです。

母体や赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性があるので、特に妊娠初期の人は気を付けましょう。

妊娠初期に限らず、授乳中などでも安全とは言えないという報告もあるので、子供が小さいうちはラベンダーに近付かない方がよいかもしれません。

赤ちゃんでなくても、子供にとってはラベンダーは刺激物です。自然由来のものだから安全、とは限らないのです。

 

 

気持ちを落ち着かせる効果が強く出過ぎて深く寝入ってしまい、起きてもボーっとしているような症状が出ないとも限りません。

なるべく子供には与えないか、与えるとしても医師から許された分量や濃度で与えるようにしましょう。

パッチテストをして、子供に影響がないかどうかを調べておくことも大切です。

また、血圧の低い人にとってもラベンダーの取り扱いには注意が必要です。上記の子供の場合と同様に、ラベンダーの強い鎮静効果のせいで、眠くなってしまう場合があります。

人によっては強力な催眠効果を引き起こすことがあるので、日常生活を送ることが難しくなってしまう場合もあります。

ラベンダーの精油を口にすると、便秘や頭痛の症状を引き起こす場合があります。

乾燥ハーブとして食用やお茶に混ぜるラベンダーであれば、それほど大きな問題はないと考えられますが、精油されたラベンダーは成分が濃縮されているため、直接飲むことは止めましょう。

同様にアロマオイルを直接大量に肌に塗ることもおすすめできません。肌に塗る場合には数滴に留めておいたほうが良いでしょう。

濃いアロマオイルを大量に肌に塗ると、かぶれたり、湿疹ができることもあり得ます。用法を守らずに、使い過ぎてしまうと、かえって逆効果になってしまう場合があるのです。