カモミールは小さな白い花を咲かせる植物ですが、ハーブとして有名です。古代エジプトの時代から薬草として珍重されており、マザーハーブ(母の薬草)として知られています。

日本には鎖国をしていた江戸時代に、オランダやポルトガル経由で輸入されました。当時はカミツレと呼ばれ、薬扱いだったそうです。

カモミールはキク科の植物で大きく、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類があります。


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ハーブティーにするには、ジャーマンカモミールが適していて、アロマにするのであればローマンカモミールが向いているそうです。

 

 

カモミールの効果・効能は?

 

 

昔から薬として大切に利用されていたカモミールですが、どのような効能があるのでしょうか。

 

リラックス効果

 

カモミールの甘い香りには興奮した神経を鎮める効果があります。不眠に悩む人や緊張している人に対しても、気持ちをリラックスさせることができます。

ジャーマンカモミールは、よく青りんごの香りに例えられますが、この香りがイライラを解消してくれるのです。

興奮や緊張でなかなか寝付けない時にはカモミールティーを一杯飲むと穏やかにぐっすりと眠ることができるでしょう。

 

抗炎症効果

 

カモミールにはアズレンという抗炎症作用がある成分が含まれています。したがって、カモミールは歯周病や膀胱炎、火傷などに効果があります。

ヨーロッパでは、濃いめに抽出したカモミールティーを口に注いで、口腔洗浄液として利用したり、口内炎などの治療に使用したりします。

 

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保湿効果

 

カモミールには保湿効果があるので、肌が乾燥しやすい人や敏感肌の人に向けた化粧水や乳液などのスキンケア用品、入浴剤やシャンプーなどに使われています。

またカモミールの香りはとても良くて、髪の毛のつやを際立たせるのにも効果的です。
カモミールの花

 

気管支炎・鼻詰まりに

 

カモミールをは気管支炎や鼻づまりなどの症状を和らげることができます。カモミールティーの蒸気を吸い込むだけでも効果があります。

花粉症などのアレルギー症状にも有効ではありますが、前述したように、カモミールはキク科の植物です。ブタクサもカモミールと同様にキク科の植物です。

ブタクサアレルギーのようにキク科の植物に対してアレルギーがある場合には、症状が悪化してしまうことがあるので、その場合にはカモミールの取り扱いに注意が必要となります。

 

整腸効果

 

カモミールには胃の粘膜を保護する効果もあります。消化器系の器官に対しても、機能を整えてくれるのです。

例えば、胃潰瘍や過敏性腸症候群など、ストレスが原因とされる消化器系器官の不調には効果的であるとされています。

 

女性特有の症状に

 

古くから女性のための薬としてカモミールは利用されてきました。例えば、生理痛や生理不順を和らげてきたのです。

また、生理の際に発生するイライラする不快感や頭痛・嘔吐感などの月経前症候群(PMS)といった症状にも効果があるとされています。

加えて、女性に多いとされる、貧血症状や冷え性、更年期障害などにもカモミールは有効なのです。

 

 

どのような使い方がある?

 

 

カモミールの効能は上記の通りですが、具体的にどのような使い方があるのでしょうか。

 

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ハーブティー

 

カモミールのハーブには、ジャーマンカモミールが向いているでしょう。ジャーマンカモミールのハーブには乾燥させたドライタイプと、生のタイプがあります。

ジャーマンカモミールは自宅で簡単に育てることができます。生タイプはフレッシュな香りを楽しむことが可能です。

一年を通じて楽しむにはドライタイプの方が使いやすいかもしれません。茶葉を使う場合のカモミールティーの淹れ方を説明しましょう。

最初にティーポットとティーカップそれぞれにお湯を注いで温めます。次いで、ポットとカップのお湯を捨てて、ポットに茶葉を入れます。

カモミールだけを使ってお茶を入れることは可能ですが、紅茶などとお好みでブレンドしても良いかもしれません。

ティーカップ1杯(150ml程度)のお湯に対して、茶葉がティースプーン1~1.5杯くらいを目安にしてください。ポットにお湯を注いで、蓋をしてから3~4分くらい蒸らします。

濃いカモミールティーが飲みたい場合は蒸らし時間を長くすると良いでしょう。最後に、カップにハーブティーを注いで完了です。

ハーブティーを注ぐ前まで、カップにお湯を注いで温めておいて、ハーブティーを注ぐ直前にお湯を捨てても良いかも知れません。

次に、ティーバッグを使う場合のカモミールティーの淹れ方を説明します。最初にティーカップとティーカップにお湯を注いでおいて温めます。

カップのお湯を捨てて、ティーバッグを入れてからお湯を注いで、3分ほど蒸らします。カップの蓋、もしくは蓋の代用品があれば効果的に蒸らすことができます。

蒸らし終えたら、ティーバッグを取り出して完了です。カモミールティーには、血圧を下げる効果がある成分が含まれています。

 

 

血管を拡張させて血圧を下げるのがアセチルコチンという物質ですが、このアセチルコチンを生成するのがコリンという成分です。

カモミールティーはこのコリンを含むために、高血圧予防に良いと言われているのです。
カモミールのハーブティー

 

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入浴剤

 

ハーブティーを飲む時と同じように、入浴剤としてカモミールハーブを利用することができます。

目の細かいネットなどにカモミールハーブを入れてお湯の中で揉み出すようにしましょう。ティーバッグであれば3個くらいあれば十分でしょう。

カモミールには、美肌作用があるので、入浴剤としても活用できます。

 

ポプリ

 

カモミールのポプリもいろいろな場面で利用することができます。

カモミールのリラックス効果を利用して、寝室などにカモミールのポプリを置いておけば、ぐっすりと眠ることができるでしょう。

 

スキンケア

 

カモミールの抗炎症作用や保湿効果を利用するために、スキンケアに使える化粧水を作ってみてはいかがでしょうか。

光を通さない遮光瓶にエタノールを5mlほどを入れてから、カモミールの精油を3滴ほど入れて、よく振って混ぜます。

次に、精製水を45mlほど注いで、さらによく振れば化粧水は完成です。完成した化粧水は冷蔵庫に保管して、1ヶ月くらいで使い切るようにしましょう。

乾燥肌が気になる人は、グリセリンを2.5ml~5mlほど加えると保湿効果が強化されます。

 

アロマ

 

カモミールの精油は実は高価なのですが、少しの量で大きな効果を得ることができます。ハンカチやタオルに少し垂らすだけでも、リラックス効果を感じられるでしょう。
カモミールの花1輪

 

 

副作用や子供や赤ちゃんに使用するときの注意点は?

 

 

カモミールティーはカフェインも含んでおらず、副作用がないと思われがちですが、実はそんなことはありません。

例えば、妊娠している人がカモミールティーを飲むと、母体や赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性があります。

このカモミールの働きを通経作用と言います。通経作用とは、子宮内のものを押し出そうとする動きのことです。

生理不順などを改善するためには効果的なのですが、妊娠中の人はカモミールを避けたほうが良いでしょう。

実際にカモミールのせいで流産してしまったという例はないようですが、妊娠中は体がデリケートになっている場合があるので、避けておいたほうが無難です。

カモミールは口に入れるものなので、無農薬の方が望ましいでしょう。しかし、無農薬のカモミールは長期間そのままにしておくと虫が発生する可能性があります。

熱湯に入れる場合にはそんなに心配しなくてもよいかもしれませんが、なるべく早く使い切った方が良いでしょう。