朝食に食パンを食べるという方は多いのではないでしょうか。
朝はどうしても時間が少なく、手軽に食べられるという点で和食よりも洋食が好まれる傾向にあります。
その中でも、昼食までの腹持ちやコストパフォーマンスを考えると、食パンを選択する人が多いです。
ですが、食パンというのは基本的に1斤売りですよね。
1斤を何枚かに切り、それを売っているものが多いです。
特に一人暮らしであったり、毎日必ず朝食を食べるわけでなければ、食パンを冷凍したいと思うこともあるでしょう。
また、ほかのパンであったり食パンでもまとめ買いをする時だってあります。
すぐに食べないパンを保存するのに最適なのは、やはり冷凍保存です。
水分が多いためにパンは乾燥しやすいです。
また、どうしても食パンなどはカビが生えやすく、常温で保存していたら2、3日程度しか日持ちがしません。
ですが、間違った方法でパンを冷蔵保存してしまうと、デンプンが劣化して硬くなってしまいます。
そのため、味がどうしても落ちてしまい、美味しく感じなくなってしまいます。
上手に冷凍保存するコツをおさえておくことで、美味しさを保ちながら長期間保存することが可能になります。
今回の記事では、パンの美味しい冷凍方法や解凍方法、どんなパンなら冷凍しても問題ないかということをお話します。
パンを冷凍することのメリット
パンを冷凍保存することで、常温や冷蔵で保存するよりも、パンの美味しさを長く保つことが出来ます。
もともと湿気が多いパンは、常温保存にしておくとカビが生えてきてしまい、また味も美味しくなくなってしまいます。
パンが固くなるのを防ぐ
パンにはデンプンが多く含まれています。
デンプンは0℃に近いほど劣化が進んでしまいます。
一般的な家庭用の冷蔵庫内は3℃~5℃に保たれています。
ですので、デンプンの劣化を早めてしまうので、パンの長期間の保存にはあまり適していません。
冷蔵庫に入れておいたパンが固くなってしまうということを経験したことがある人は少なくないでしょう。
原因はデンプンが劣化しているからなのです。
デンプンの劣化を抑えるためには、マイナス20℃以下に一気に温度を下げることが有効です。
やわらかいパンの食感を保つためには、なるべく早く低温にする必要があります。
一般的な家庭用の冷凍庫内はマイナス18℃に設定されています。
ですので、冷凍庫で保存することは、パンのやわらかさをなるべく長く保つのに向いているのです。
水分を適度にとばせる
パンを冷凍保存することで、表面の水分が適度に蒸発します。
そうすることで、トーストなど焼いた時にカリカリとした食感がになります。
たとえばピザトーストなどを作りたい場合でしたら、パンを凍らせたまま具をのせて焼くだけで、カリカリとした食感になります。
しっとりとした食感にしたいときは、霧吹きで水分を足してやったり、水で湿らせたキッチンペーパーなどを使い表面に少し水分を含ませましょう。
パンを上手に冷凍保存するコツは?
まずは、食パンであれば食べやすい大きさに切り分けましょう。
最初から切り分けられている場合、そのままの大きさで食べるのであればわざわざ切る必要はありません。
切り分けたパンであれば1枚ずつ、小分けのパンであれば1個ずつアルミホイルやラップで包みます。
この時に、アルミホイルやラップとパンのあいだになるべく空気が入らないように密着させておきます。
包んだパンを、1回に使う量ごとに別のフリージングバッグに入れます。
こちらのフリージングバッグの中の空気もなるべく抜いておきましょう。
なるべく熱伝導率をよくするために、フリージングバッグを金属製のお皿かアルミホイルに乗せるとよいです。
その状態で、冷凍庫にしまいましょう。
なるべく温度が上がらないよう、冷凍庫を開ける頻度を下げたり、時間を短くするとよいです。
食パン以外の場合は
惣菜パンや菓子パンといったものでも冷凍保存することは可能です。
ですが、中身になにが入っているかということに注意しましょう。
中身によってはあまり冷凍保存に向いていないことがあります。
基本的にデニッシュ系のパンやスナックパンなどは冷凍保存が可能です。
ロールパンや、クリームパンなどの菓子パンも冷凍可能です。
ソーセージが包まれたものや焼きそばパン、揚げ物を挟んでいるパンも冷凍保存可能で、ほとんどの菓子パン、惣菜パンの冷凍保存が可能です。
特にクリームパンの場合は、冷凍保存したまま解凍せず食べることでシューアイスのような味と食感が楽しめます。
冷凍保存は食パンの時と同じで、1個ずつアルミホイルやラップで包みます。
できればラップよりアルミホイルで包む方がよいでしょう。
フリージングバッグに入れ、アルミホイルや金属のお皿に乗せ冷凍庫に入れます。
冷凍保存した場合の消費期限は?
適切な方法で、なるべく温度変化がないままでしたら1ヶ月程度は保存することができます。
もし、フリージングバッグを開けてしまい、食べきることができずに再度冷凍庫に入れた場合は、2週間程度を目処に食べきるようにしましょう。
ですが、パンが既に解凍されていた場合はあまり再冷凍してしまうことをオススメしません。
菓子パンや惣菜パンのように中身が入っている場合は、適切な方法で冷凍した場合、2週間程度が消費期限です。
もちろん、中身によって多少前後します。
基本的には、混ざっているものが少ないほど長期間の冷凍保存が可能です。
上手に解凍するコツは?
上手に冷凍できたのなら、あとは美味しく食べるための解凍方法です。
解凍する方法は大まかに分けて「自然解凍」「電子レンジ」「オーブントースター」があります。
自然解凍
どのパンであっても基本的には自然解凍がオススメできます。
食べたい日の前日に冷蔵庫にいれて、自然解凍させます。
パンの中でも自然解凍にもっとも適しているのは、サンドイッチです。
ランチにもっていく時には特にオススメします。
あまり冷凍されたサンドイッチは見たことがないかもしれません。
ですので、冷凍するというイメージはあまりないかもしれませんが、中身の具材を工夫することによって、とてもおいしいランチになります。
サンドイッチの場合は前日から冷蔵庫で解凍しません。
当日の朝、冷凍庫から出すことでちょうどお昼頃にいい食べ頃になっています。
オススメできる中身の具材ですが、冷凍に不向きな水気がでるものや冷凍することによって食感が極端に変わってしまうような食材はやめておいた方が無難です。
オススメできるものは固形のままではなく、ペースト状にして挟むものです。
ジャム類を挟むジャムサンド、クリームチーズを含めたチーズ類とハムなどを挟んだサンドイッチであれば美味しく食べられます。
卵を挟むときはきちんと加熱調理をしましょう。
かぼちゃやさつまいもをペースト状にしたものなども向いている食材です。
電子レンジ
電子レンジを使って温める時は、オーブントースターと併せて使うことをおすすめします。
電子レンジは全体的に均一に熱を通してくれますので、オーブントースターでは熱が届かない中身をカバーしてくれます。
ですので、電子レンジを使うのは中身の入ったパンをオススメします。
電子レンジを使う際は必ずラップをかけましょう。
バターを多く使っているパンやクリームが入っている菓子パンなどは、まず前日から自然解凍をします。
その後にレンジをかけることで上手に解凍できます。
メロンパンなど表面が砂糖でコーティングされているものは電子レンジでは、べたべたになってしまいます。
また、電子レンジに長時間入れすぎると固くなってしまい、食べづらくなります。
ですので、電子レンジを使う際は10秒~30秒程度温めながら様子をみます。
そのあと、トースターで少し焼いてみてください。
砂糖でコーティングされたものは、トースターで温めるときはアルミホイルでカバーしましょう。
オーブントースター
冷凍した食パンやフランスパンはオーブントースターで解凍するのをオススメします。
こちらも前日の夜に冷蔵庫にいれて自然解凍させておくと失敗せずに解凍できます。
凍ったままで焼いてしまうと、パンの中まで熱がとおらずに、表面は焼けすぎているのに中は凍ったままという悲惨な状態になることもあります。
どうしてもそのままオーブントースターを使わないといけない場合は、低めの温度に設定し、じっくりと焼きましょう。
クロワッサンなど厚みがあるパンは、凍ったままオーブントースターに入れる場合、あらかじめトースターを10分ほど空焼きしておきます。
その後、スイッチをオフにしてからパンを入れて、数分間おいておきます。
そうすることで、ふっくらとしたおいしいパンになります。
少しパン表面を焦がしたい場合はそのあとに作動させてください。
パン生地だけのパンでしたら、霧吹きなどで水分を加えたあと、オーブントースターに入れることでおいしく焼けます。
総菜パンや菓子パンであれば、アルミホイルをかぶせながら低温でじっくりと10分程度焼きましょう。
解凍後の注意点
一度、解凍してしまったらすべて食べきるようにしましょう。
再冷凍することはオススメできません。
食感がおいしくなくなったり、味が変わってしまうことももちろんありますが、細菌などが繁殖しやすくなってしまいます。
ですので、冷凍前にあらかじめ食べ切れる分量に分けておくことが重要です。
まとめ
パンは冷凍保存することで、美味しさを保ったまま長期間保存することが可能です。
食パンなどは1ヶ月以内、惣菜パンや菓子パンなど中身の入ったものは最長でも2週間を目処に食べきりましょう。
解凍方法はパンによって最適なものがあります。
基本的には冷蔵庫での自然解凍とし、種類に合わせて電子レンジやオーブントースターを使い分けてください。
一度解凍してしまったものを再冷凍してしまうと、細菌の繁殖などのリスクが高まります。
冷凍する前に、食べ切れる量に分けておくことをオススメします。