夏になると強い紫外線で肌を焼いてしまうことがあるので、肌の弱い人は日焼け止めを手放せないかもしれませんね。
でも去年使いかけだった日焼け止めは使っても問題はないのでしょうか。
日焼け止めの使用期限と、保存する場合の方法について説明します。
日焼け止めの使用期限はいつ?去年のは使える?
去年少ししか使わなかった日焼け止めが残っていると、もったいないから今年も使ってしまおうと思ったことはないですか。
日焼け止めの使用期限はいつまでなのでしょうか。
日焼け止めの成分
日焼け止めの成分には大きく2つ、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して日焼けを防止する成分です。
肌に塗られた紫外線吸収剤は、紫外線を吸収した後に、熱エネルギーや赤外線などに変換して体外に放出します。
この化学反応をもたらすのが、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどの化学物質です。
これらを含んだ紫外線吸収剤は紫外線に対する防御力が高く、汗にも強いという特徴があります。
紫外線散乱剤とは、その名の通り、紫外線を散乱させて日焼けを防止する成分です。紫外線吸収剤よりも長い時間効果を発揮することができます。
また、刺激も少なくて済みますが、紫外線の防御効果は紫外線吸収剤よりも低いとされています。
紫外線散乱剤には酸化チタンや酸化亜鉛などが使用されていますが、ケミカルな物質が多い紫外線吸収剤と異なり、自然界に存在している物質なので、肌に優しい成分が使われていると言えます。
日焼け止めによっては、肌が赤くなったり腫れてしまったり、アレルギーになってしまうこともあり得ます。
自分の肌に合わないと感じたら、すぐに使用を中止しましょう。
日焼け止めの使用期限
日焼け止めはいつまで使えるものなのでしょうか。未開封のものと開封済みのものは異なります。
未開封の日焼け止めは、一般的には、3年間を使用期限としています。開封済みのものは1年間、メーカーの推奨は3ケ月間、とされています。
したがって、同じシーズン内で何回か使うことには問題はありませんが、去年の日焼け止めを使うことは止めておいた方がよいでしょう。
日焼け止めに含まれている化学物質などが劣化することは少ないと思われますが、ベースの乳液などは劣化したり、酸化したりしてしまいます。
また、時間の経過とともに、防腐剤の効果はなくなって、雑菌などが浸入して、肌のトラブルを起こしかねません。
もし使用期限内であったとしても、酸っぱい嫌な臭いがする、黄色に変色している、液体が分離している、などの状態になっていたら使用するのは止めましょう。
もし気が付かずに使ってしまった場合は、すぐに水で日焼け止めを洗い流してください。腫れてしまったり痒みが続くような場合には、皮膚科を受診した方が良いでしょう。
使用期限を過ぎた日焼け止めの活用法
まだたくさん残っていたのに、使用期限が過ぎて使えなくなってしまった日焼け止めを捨てるのはもったいないですよね。
以下のように、残った日焼け止めを活用する方法があります。日焼け止めの油分には銀製品の黒ずみを消してくれる効果があるのです。
銀製品は放っておくと、いつの間にか真っ黒になってしまい、その黒ずみはなかなか落ちません。
このような時には日焼け止めの油分が役に立ちますが、銀製品を傷めてしまう場合があるので、目立たない場所で試してから使うようにしましょう。
子供が悪戯して家具などに貼ってしまったシールを剥がす時にも日焼け止めは重宝します。日焼け止めをシールの上に塗ってティッシュを被せてしばらくそのままにしておきます。
その後、柔らかい布などで拭き取ると綺麗にシールが剥がれます。これは日焼け止めの油分がシールに染み込むことで剥がしやすくなるのです。
ただし、銀製品と同様に、家具などを傷めてしまう可能性があるので、使用するときには注意しましょう。
日焼け止めの品質を劣化させずに長持ちさせる方法は?
日焼け止めを品質を保ったまま長持ちさせるにはどのような方法がよいのでしょうか。
保存方法
一般的にはオーガニックな自然由来の成分を多く含む日焼け止めの保存期間は短いと覚えておきましょう。
日焼け止めは油分が多い製品なので、直射日光が当たらず気温が上がらない風通しの良い場所で保管をすると良いでしょう。
洗面所やお風呂場に保管する人もいるようですが、あまり保管に適した場所ではありません。
洗面所は湿気も多く、ドライヤーの熱が当たる場合もあります。お風呂場は屋内で最も湿気が多い場所です。
日焼け止めを使う場所としては良いのでしょうが、保管となると問題があるでしょう。
季節を問わず毎日日焼け止めを塗っているような人にとっては、洗面所は便利な場所でしょう。
毎日使うのであれば、洗面所に置いておいても早く使い切ると思われますので、致し方ないかもしれませんが、日々劣化していることは忘れないようにしてください。
それでは、日焼け止めの保管に冷蔵庫はどうでしょうか。一年中温度は安定していますし、成分も劣化しないと考えてしまいがちです。
しかし、前述した通り、日焼け止めには油分が含まれています。日焼け止めにとって冷蔵庫は寒すぎるのです。
冷蔵庫内の温度が低すぎると、日焼け止めが固まってしまい滑らかさを失ってしまう場合があります。製品によっては、成分が分離してしまうこともあります。
したがって、冷蔵庫はあまりおすすめができる場所ではありません。常温で日が当たらない場所に保管するようにしましょう。
きちんと日焼け止めを保管していても、いつの間にか使えなくなっているようなことはあるものです。
日焼け止めを久しぶりに使用するときには、品質が変わっていないか、問題はないか、きちんと確認をしてから使うようにしましょう。
基本的には日焼け止めはワンシーズンで使い切るのがベストです。毎年新しい日焼け止めを使って、紫外線対策をすることが望ましいのです。
もし余らせてしまった場合には、前述のように、他の用途に使うこともできますが、それにも限界があるでしょう。
どうしても、他に利用できない時には残念ながら捨てることになります。
捨て方
日焼け止めを捨てる時にはどのような点に注意をすれば良いのでしょうか。基本的には燃えるゴミとして捨てても問題はありません。
日焼け止めの中身は、新聞紙や要らなくなった布に吸わせてから捨てると良いでしょう。
万が一にもペットや赤ちゃんが口に入れると大変なので、ゴミ袋の口は堅く縛って、簡単には手が触れられないようにしておくと、安心です。
日焼け止めが入っていた容器は、その種類に応じて、地域のゴミ分別のルールに沿ってゴミ出しするようにしましょう。
現在では多くの化粧品に日焼け止め効果の成分が含まれていますが、夏になると日焼け止めの効果を謳った製品は掻き入れ時を迎えます。
日常的に利用できるものから海に行くときに使うものまで、多くの種類が登場しています。しかし、基本的には、日焼け止めはワンシーズンの商品です。
古くなる前に使い切るか、古くなったら使わない、としておくことが安心でしょう。
もったいないからと言って、問題があるような日焼け止めを塗ってしまい、肌に深刻なダメージをもたらす方が、結果的にはより「もったいない」状態を生んでしまう可能性があるのです。