お彼岸には春のお彼岸と秋のお彼岸の2種類がありますが、そもそもお彼岸とはどういう意味なのでしょうか。

お彼岸の意味や由来を解説して、2018年のお彼岸がいつなのかを説明します。

 

 

お彼岸2018の期間はいつからいつまで?

 


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2018年の春のお彼岸は、2018年3月18日(日)から3月24日(土)までの7日間でした。

今年の春分の日は3月21日(水)だったので、春分の日を挟んで前後3日間を春のお彼岸としたのです。

お彼岸が始まる3月18日(日)を「彼岸の入り(彼岸入り)」、お彼岸が終わる3月24日(土)を「彼岸の明け(彼岸明け)」と呼びます。

また彼岸の入りと明けに挟まれた真ん中の秋分の日のことを中日と言います。

 

おはぎ

 

2018年の秋のお彼岸は、2018年9月20日(木)から9月26日(水)までの7日間です。今年の秋分の日は9月23日(日)なので、前後3日間が秋の彼岸となります。

秋の彼岸も、春の彼岸と同様に、秋の彼岸が始まる日を「彼岸の入り(彼岸入り)」、終わる日を「彼岸の明け(彼岸明け)」、秋分の日を中日、と呼びます。

毎年春分の日と秋分の日が決まっているわけではないので、お彼岸の期間も年によって異なっています。

春分や秋分とは、天文学上では太陽が春分点、秋分点に達した日のことを言います。

春分点とは、黄道(天球上の太陽の通り道になる円)と天の赤道(地球の赤道を天球上に延長させた円)の2つの交わった点のうち、黄道が南から北へ交わる方の点(昇交点)のことを言います。

天球とは、地球上の人を中心として見られる空を球体として捉えたもので、全ての星を天球上に表すことができるものです。

同様に秋分点とは、黄道と天の赤道の2つの交わった点のうち、黄道が北から南へ交わる方の点のことを言います。

春分及び秋分の日には、太陽はほぼ真東から出て、ほぼ真西に沈みます。つまり、昼の時間と夜の時間がほぼ同じになる日でもあるのです。

 


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しかし、意外と知られていないと思いますが、春分の日や秋分の日は閣議によって決められています。

春分や秋分は、天文学的には前述したような現象のことを指すのですが、春分の日や秋分の日は国民の祝日でもあります。

国民の祝日として決めるための手続きとして閣議決定が必要なのです。この決定は、国立天文台が作成している翌年の「暦象年表」に基づいています。

暦象年表とは、国民の祝日、二十四節気、太陽や惑星などの位置、各地の日の出や日の入り時刻、などの情報が掲載されている小冊子です。

天文学上の春分の日や秋分の日は計算でどの日があたるのかはわかるのですが、閣議決定されて毎年2月第1平日付官報で政令「暦要項」に広告されないと確定はしません。

つまり、春分の日や秋分の日が国民の祝日として決まるためには、人の手を経なければいけないということです。
墓石
お彼岸にはぼたもちやおはぎをお供えして、お墓参りをする習慣がありますが、ぼたもちとおはぎは何が違っているのでしょうか。

ぼたもちもおはぎも基本的には同じものです。春のお彼岸の頃には牡丹(ぼたん)が咲いているのでぼたもち(牡丹餅)、秋のお彼岸の頃には萩(はぎ)が咲くのでおはぎ(お萩)と呼ぶ、と言われています。

言葉遊びに由来するのですが、ぼたもちやおはぎのことを「夜船」(よふね)や「北窓」(きたまど)と呼ぶことがあります。

ぼたもちやおはぎは餅を杵で搗かなくても作れることから「搗き知らず」なので、夜は船が到着してもわからないことから「着き知らず」となる夜船となったそうです。

また北側の窓からは月が見えないことから「月知らず」となり北窓にとなったそうです。また地方によってはぼたもちとおはぎを使い分けているところもあります。

花の大きさに由来するそうですが、萩の花よりも牡丹の花の方が大きいことから、ぼたもちの方がおはぎよりも大きめに作られるところがあるそうです。

おはぎにはつぶあん、ぼたもちにはこしあんを使うところもあるようです。

小豆の収穫時期は秋なので、柔らかい小豆は皮ごとつぶあんとして美味しく食べられますが、冬の期間を越えた小豆は皮が固くなっているためこしあんにしたことから使い分けられたそうです。

また、素材によってぼたもちとおはぎを分けている地域もあります。

例えば、もち米を使うのがぼたもちで、うるち米を使ったものがおはぎ、としていたり、小豆あんを使っているものがぼたもちで、きな粉を使ったものがおはぎ、などです。

地方によっては呼び名が逆になっているところもあるので一概には言えませんが、同じ食べ物であっても、特色のある呼び名がぼたもちやおはぎにはあるのです。

春や秋にお彼岸に合わせて、仕事を休んで実家に帰省する人も多いでしょう。

お盆と年末年始に比べると、お彼岸は大々的な行事はないかもしれませんが、国民の休日と絡めればタイミング的には帰省しやすいと考えられます。

ご先祖様のお墓参りをして、日々健やかに過ごせていることを感謝して、家族に元気な顔を見せることも大切なイベントです。
お墓参り

 

 

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意味や由来は?

 

 

お彼岸とは仏教用語の「彼岸」に由来します。彼岸はサンスクリット語(仏教が誕生した古代インドで使われていた言葉)でパーラミター(波羅蜜多)が語源とされています。

修行をして悟りを開いた境地のことを到彼岸といいます。これに対して悩みが多く苦しんでいるこの世界を「此岸」(しがん)と言います。

此岸にいる人は、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧、といった6種類の修行を経ることで、彼岸に到達することができるとされているのです。この6種類の修行を六波羅蜜と言います。

現在の日本では、彼岸とは彼岸の時期にお寺で執り行われる彼岸会(ひがんえ)という行事や、先祖を供養するという意味で使われることがほとんどです。

ちなみに、お彼岸にお墓参りをして先祖を供養する、という習慣は日本独特のものです。他の仏教国にはそのような習慣はありません。

春のお彼岸である春分の日には、春の到来とともに自然に感謝をして愛でる、という意味があり、秋のお彼岸である秋分の日には、ご先祖様に感謝をして故人を偲ぶという意味がある、という日本の文化の影響も大きいと考えられます。

故人が亡くなってから最初のお彼岸を初彼岸(はつひがん)と言います。

お盆の場合は亡くなった人が初めて迎えるお盆のことを「新盆」(あらぼん・にいぼん)と呼び、お坊さんを呼んでお経をあげてもらったり、会場を借りて個人を偲ぶ会を催したり、特別なことを行うことが一般的です。

しかし、初彼岸の場合は、新盆のように特別なことはやりません。お花や故人が好きだった飲み物などをお墓に供えて、家族や親戚一同で故人を慰めるようにしましょう。

また、お盆ではお寺やお墓にご先祖様の霊を迎えに行くような行事がありますが、お彼岸にはそのような行事はありません。

まず、お彼岸の入り(彼岸入り)には、仏壇やお墓をきれいに掃除をしましょう。いつもよりも時間をかけて丁寧に掃除をすると良いかもしれません。

普段なかなか掃除することのできないお墓の細部まできれいにするとご先祖様も喜んでくれるでしょう。

お彼岸の期間中に、家族や親戚でお墓参りに行くと良いでしょう。中日は霊園も混雑するかもしれませんが、お彼岸の期間中であればいつでもお墓参りをしても大丈夫です。

彼岸入りしても普段の生活をしていて全く問題はありませんが、お彼岸の期間は亡くなった人のことを思い出して、ご先祖様に感謝する気持ちを持って過ごすことが一番の供養になると考えられます。