会社に入り、仕事にも慣れてきたら避けて通れない道があります。
入社当初は、自分が一番下の立場でしたので、自分の仕事だけをこなせばよかったものの、時が経つことにより自分よりも下の立場の人間が入社してきます。
そう、部下ですね。
部下ができると自分の仕事だけではなく、後輩指導として部下の面倒を見なくてはなりません。
ですが、言うことを聞かない部下というのもいるのは事実です。
本来でしたら、仕事においては部下は上司の指示を聞き、それにより業務をこなすというルールですが、やはり人間というのは一筋縄ではいかないものです。
そこで今回は、部下が言うことを聞かない原因とその解決方法についてご紹介します。
言うことを聞かない部下の原因は?
では、根本的な原因についてお話ししましょう。
ずばり部下に対する指示が不足しているからといえます。
もちろん、部下本人の能力にも依存してきていますが、ある程度仕事はできるのに言うことを聞かないという場合もありますよね。
では具体的な原因です。
そもそも指示が理解できていない
部下本人の能力、あるいは知識不足の場合のパターンです。
あなた本人はきちんと指示を出したつもりでも、本人の理解能力がそれに追いついていなければこなすことはできません。
研修を終えたばかりの新入社員に、3年目の部下と同じような指示の出し方をしていませんか?
もしかしたらその用語を初めて聞いたのかもしれませんし、略称ではまだわからないのかもしれません。
あるいは、他にも取り掛かっている業務があり、あなたの指示がきちんと伝わっていなかったのかもしれません。
その場合は直接指示がわからない、優先順位がわからないと言ってほしいと思うかもしれません。
ですが、新入社員あるいは入社数年目の人にとって上司にわからないと言うのはなかなか難しいことです。
近頃は、大学などが職業訓練校のように機能していることもありますが、面接や就職対策でわからないとなるべく使わないようにと教えている場合もあります。
また、わからないと言うことにより余計に怒られるのではないかなどと畏怖している場合もあります。
指示の意味が理解できていない
案外多いのがこちらのケースです。
人間にはモチベーションというものがあり、平たく言えばやる気が起きないというケースです。
部下なのだから上司の言うことは聞くものだ、といったように指示を出していませんか?
その仕事における意味がわからなければやる気が起きないというのがこちらのパターンです。
例えば資料を何部コピーするようにという指示は、まず理解できないような内容ではありませんよね。
ですが、モチベーションが上がらなければ部下だってその仕事をやる気にはならないのです。
なぜ自分がその仕事を上司の代わりにやらなくてはならないのかと思ってしまえば、その仕事に対するやる気があがらず後回しにしてしまい、結果として時間通りにやらない、やれないということが起きてしまいます。
優先順位がわからない
こちらも上司からすると指示を聞いていないという評価になりますよね。
例えば他の仕事を抱えている部下に対し、上記と同じような資料のコピーを任せたとしましょう。
社会人になる前は、基本的に先に受けたほうが優先事項が高く、優先度が低くても来週までに仕上げればいい仕事を優先してしまうことがあります。
そもそもあなたが気に入らない
部下だからといって尊大な態度で命令をしていないでしょうか。
あなただって人間ですから、気に入らない人間の指示をはいそうですか、と二つ返事で従う気にはならないのではないですか?
もちろん、社会人なのですから会社のために尽くすのは当然だという考えの方もいるでしょうが、終身雇用という制度が廃れつつあるこの世の中では会社が嫌になれば、上司が嫌になれば仕事を辞めても構わないという考えを持つ人も少なくはありません。
対策や上手なしかり方は?
まずは、頭ごなしに叱っても仕方ありません。
特に最初のケースの場合よく理解ができていないのに叱られたという嫌な記憶だけが残ってしまい、あなたのことを余計に畏怖するようになります。
また、あなたが気に入らないという場合にも逆効果です。
その場合は余計にあなたに対して反発心を生んでしまい、さらに言うことを聞かなくなるという悪循環に陥る場合があります。
基本的には部下を一人の人間として扱い、話を聞く機会を設けてやるとよいでしょう。
そこで、なぜ指示を聞かないのかということを努めて冷静に聞いてやりましょう。
原因がわかれば対策も可能です。
指示は具体的に出す
業務内容を理解できていなければ、指示を聞くことが難しくなります。
まずは、指示を出す際に一つずつ確認をとりましょう。
業務内容を一気に説明するのではなく、細かく区切りどこまで理解できているかということを確かめます。
必ずどこかで躓いている場面がありますので、そこを確認します。
具体的になにがわからないのかということがわかることが、解決の糸口につながります。
一番怖いのは、わからないことがわからないというパターンです。
本人はわかっているつもりですが、実はわかっていないということですし、どこがわからないかわからないから質問もしにくいです。
ですので、業務内容を説明し終わった後に口頭で何をやるべきかということを言わせてみましょう。
指示の意味を理解させる
こちらも具体的に指示の内容を出すことで、ある程度解決させることができます。
何時までに何をしたいから、部下は何をやっておくことというように、時間と目的、指示内容を具体的に伝えます。
例えば3時に会議があるから、遅くても2時半までには資料を50部コピーするようにと伝えると具体的ですし、なぜ自分がコピーをしなくてはいけないかということが一度で理解できます。
仕事の優先度を具体的に
例えば明日までに仕上げてほしい仕事と、来週までに仕上げてほしい仕事の2つを指示したらほとんどの人が明日までに仕上げるべき仕事を優先しますよね。
ですが、先に来週までに仕上げるべき仕事にとりかかっている最中に、明日までに仕上げるべき仕事を依頼したとしましょう。
その時に、なるべく早く仕上げてほしいというような抽象的な優先度で出していませんか。
なるべくというのはできるだけ早くとも同義ですが、部下からすると来週までに仕上げる仕事を終わらせて、それからなるべく早く仕上げればよいと考えているかもしれません。
ですので、その仕事をいつまでに終わらせるべきなのかを具体的に伝えましょう。
あなたがその言葉で理解できるからといって、部下が同じ言葉で理解できるとは限りません。
まずは信頼させる
なによりもあなたが信頼すべき上司であると理解しなければ、指示を聞かせるというのは簡単ではありません。
部下の能力が高く、それによりあなたの指示に納得がいかない場合は、お互いに話し合うことが大切です。
会社の方針、部署としての方針、上司のあなたとしての方針を伝え、それに従えるかということ、従えない場合はどういうやり方なら納得できるか、そのやり方で会社として問題はないかを考え、落としどころを作ります。
また、あなたのこと自体を気に入らない場合も、なにも部下に対してこびへつらうべきだというわけではありません。
もしかしたらあなたに上司としての威厳を感じていないから従わないのかもしれませんし、単純にあなたのことを嫌っているから言うことを聞かないのかもしれません。
威厳がない場合は、まず自分が部下よりも仕事ができる人間であるということを見せつけましょう。
その際も、自分には威厳があるんだ、仕事ができるんだという見せ方ではなく、淡々と普段の仕事をこなすだけのほうがよいでしょう。
また、考え方が幼いほど、何を指示されたのかということより誰に指示をされたのかにより判断する傾向にあります。
まずは、その部下が信頼している人を通し指示を与えることで仕事をこなすことができるかを見てみましょう。
そして、それで仕事をこなすことができているのであれば単純にあなたの言うことを聞くべきではないと判断しているのかもしれません。
まずはあなたのことを信頼し、気に入ってもらうことにより指示を聞くようになります。
基本的には威厳を見せることが大切ですが、やはり尊大な態度はとらないようにしましょう。
もしまだ仕事ができていない場合は、他の原因と混合の場合がありますので、他の理由を探ってみるとよいです。
まとめ
言うことを聞かない部下に対して、指示をするというのは大変なことです。
ですが、指示を聞かないことにより業務が滞っては元も子もありません。
まずはなぜ部下が言うことを聞かないのかを把握し、その解決に努めましょう。