お風呂場や洗面所のような水回りではないのに、フローリングにカビが生えてしまって驚いたことはありませんか。
ワックスでコーティングされているフローリングであれば大丈夫だと思っていたかもしれませんが、カビは条件さえ合えばどこにでも発生します。
フローリングにカビが生える原因とその対策について説明します。
フローリングにカビが生える原因は?
フローリングには大きく分けると、天然素材(無垢材)のものと合板(複合材)のものがあります。天然素材のフローリングとは、天然の木材から加工された1枚板を使ったものです。
天然材のフローリングは、1枚1枚が異なる模様を持っているので、独特の表情を見せてくれます。
メリットとしては、高級感とナチュラルな印象を与えることですが、反りや割れがあることと修繕が必要な点はデメリットです。
一方、合板のフローリングは薄い板を何枚も重ねて作られているものです。反りや割れも少なく、品質が一定に保たれているという特徴があります。
メリットは安価で修繕しやすい点ですが、人体に悪影響がある接着剤が使われている場合があることや無個性で温かみがないような点はデメリットです。
天然素材でも合板でもカビが発生することはありますが、天然素材のフローリングは傷が付きやすいために、その傷にカビが入り込みやすくなるという可能性はあります。
また、合板の場合はケミカルな接着剤を使っていることで、前述の通り、健康にとっては悪いかもしれませんが、カビにとっても住みにくい環境になっているかもしれません。
カビが繁殖するためには、適切な温度と酸素と水分と栄養素が必要です。適切な温度と水分とは、湿度が65%以上で温度が20度から25度ぐらいと言われています。
空気中にはカビの胞子が浮遊していますが、上記の必要条件が揃えば、カビは喜んで増えてしまいます。
フローリングの床の上に布団を敷いているような場合であれば、布団の中に人の体の湿気がたまり、フローリングへ排出されてしまう場合があります。
布団は温かいですが、フローリングは基本的には冷たいので、布団の中の湿気が冷やされてフローリングには湿気が残ってしまいます。
もし、フローリングに傷が付いているような場合には、その傷に湿気が入り込み、人間の皮膚片や食べ物のカスと一緒になりカビが発生する条件が揃ってしまう場合があるのです。
また、夜になればまた人は布団で寝るので布団及びフローリングが温められて、再びカビが繁殖するのには絶好の状態となります。
このようにフローリングの上で布団を敷いているような場合は、フローリングにカビが生える原因となります。
フローリングの上にじゅうたんやカーペットを敷いているような場合もカビが生える原因になります。
布団ほどではないにせよ、じゅうたんやカーペットの下にも湿気が溜まる場合があります。フローリングの上に物を置いておくとカビが発生する可能性があるのです。
ふだんあまり掃除をしない日当たりの悪い部屋のフローリングにもカビが生えてしまうlことがあります。
よどんだ空気の状態で、空気の入れ替えもせずに通気性が悪ければ、その部屋に留まってしまったカビがフローリングに生えてしまうかもしれません。
フローリングにカビが生えると、カビはフローリングに留まらず他の部分にも繁殖してしまう危険性があります。
前述した布団やじゅうたん、カーペットだけでなく、カーテンや窓サッシのゴム部分、さらには壁や天井まで浸食されてしまう場合があります。
もともとあまりカビが生えないと考えられているフローリングにカビが生えるということは、カビが生えやすい水回りなどは非常に危険な状態にあるとも考えられます。
落とし方や予防対策は?
フローリングに生えたカビはどうやって落とせばよいのでしょうか。すぐに掃除機をかけるのはやめましょう。
フローリングのカビを掃除機で吸い込むと、カビの胞子が掃除機の排出口から部屋の中に撒き散らされてしまいます。
カビを散らかしてしまうので、掃除機で吸うよりも拭き取ることが効果的です。最初は、紙製のフローリングワイパーで静かにカビを拭き取るようにしましょう。
その後であれば掃除機をかけても問題はありません。しかし、その程度ではなかなか落ちないカビもあるでしょう。
そのような場合にはアルコールを使って除菌しましょう。アルコールは無水エタノールがおすすめです。
お風呂掃除や台所掃除用のカビ取りスプレーはフローリングには強過ぎて、木材が変色してしまうようなこともあるので、無水エタノールを希釈して使うことがおすすめです。
水200CCに対して無水エタノール800CC(濃度80%)の希釈が最適です。このアルコール溶液をカビに直接振って、乾いた布でしっかり拭き取ります。
カビを拭いた布は他の用途に使わずに、捨てることが重要です。希釈したアルコールでもフローリングの木材が変色してしまう可能性があります。
したがって、フローリングの目立たない場所で試してからアルコール溶液を使うようにしましょう。
また、アルコール溶液が目に入ると危険なので、サングラスなどで目を保護しながら使うことをおすすめします。
また、長い時間カビ取りの作業をアルコール溶液を使って行っていると気分が悪くなる場合があるので、定期的な換気は怠らないように注意してください。
フローリングの隙間のカビに対しては、歯ブラシや爪楊枝でカビを掻きだすように掃除をします。最後に乾いた布でフローリングを拭けば完了です。
しかし、それでもフローリングのカビがきれいにならない場合もあります。それだけフローリングの奥にまで入り込んだカビはやっかいなものなのです。
そのような場合には、自力での掃除はすっぱりと諦めて、プロのフローリングの清掃業者に頼んだ方が良いかもしれません。
確かに費用はかかりますが、素人の作業でフローリングを台無しにしてしまうと、結果的にフローリングの張り替えが必要になってしまうこともあります。
信頼できる業者に依頼してフローリングのカビ除去をしてもらった方が、結果的には安く満足できる仕上がりができる可能性があります。
その場合には複数の業者から見積もりを取って比較・検討することが必要です。金額が安ければ良いというものではありません。
ネット上の評判やアフターフォローの内容など、総合的に比べたうえで決定するようにしましょう。
それでは普段からどのような点に注意をしていれば、フローリングにカビが生えることを防ぐことができるのでしょうか。
前述した布団をフローリングの上に敷いているような場合には、こまめに布団を干すことが大切です。布団の湿気を乾かしてくれますし、寝る時も快適です。
フローリングの上に置かれている布団やクッションなども天日干しをして、日光消毒することが考えられます。
部屋の換気をすることも重要です。空気が動いている屋内であれば、カビの栄養分となるハウスダストなども排出されて、カビが生えにくくなります。
また、フローリングの部屋で結露が発生した場合には、しっかりと結露を取るようにしましょう。
雑巾などで拭き取ることが基本ですが、ガラスクリーナーなどを使うと除菌も一緒にできるのでカビ対策には効果的でしょう。
フローリングの部屋の掃除もしっかりと行いましょう。食べかすなどがフローリングに残っていると、カビが繁殖しやすくなってしまいます。
普段からフローリングの部屋を清潔に掃除をすることでカビが生えることを防ぐことができるのです。