ペットボトルの飲み物が中々腐らないことに疑問を感じた経験はないでしょうか。
ペットボトルの飲み物が腐らないことには理由があります。
今回は、ペットボトルの飲み物が何故腐らないのかについて解説しますので、気になる方はチェックしてみてください。
ペットボトル飲料が長持ちする理由は?
ペットボトル飲料は腐らないというわけではありませんが、なぜ長持ちするのでしょうか。
ペットボトル飲料が長持ちする理由について、いくつか考えられる理由を順番にご紹介します。
未開封だから
ペットボトル飲料が未開封状態の場合は腐りにくくなります。
ペットボトル飲料の中で雑菌が繁殖することで腐っていきますが、密閉する過程で雑菌を追い出すことに成功しています。
ペットボトル飲料を作る際に、ボトル一杯に飲料を満たしておくことで空気との接触をできる限り減らし、雑菌が入り込む余地を無くしています。
ペットボトル飲料が未開封である限り雑菌はほとんど繁殖しないため、常温で保存しても賞味期限が過ぎてしまうまでは腐ることはありません。
そもそも水は腐らないものだから
実は、水自体が腐ることはありません。
飲料が腐るのは、雑菌のエサとなる有機物がある場合に限られます。
有機物とは炭素と水素を含む物質のことを指し、たんぱく質・脂肪・炭水化物などが有機物にあたります。
ミネラルウォーターなどは有機物を一切含まないため、雑菌のエサを提供することも無く、腐りません。
ただ、一度でもペットボトルに口をつけて飲むと有機物と雑菌が付着するため、水が腐っていくように感じることでしょう。
開封後は外部的要因によって飲料が腐っていくと考えておきましょう。
酸化防止剤が含まれているから
飲料に含まれる酸化防止剤によって飲料が腐りにくいと感じられている可能性があります。
酸化防止剤には様々な種類がありますが、使われる目的は皆同じです。
酸化防止剤を用いることで、飲料の味や風味が落ちることを防いだり、変色を防ぐことができます。
飲料が腐らずにイキイキとした状態を保っているように見えるのは、酸化防止剤による働きのおかげである可能性があります。
防腐剤によってペットボトル飲料が腐らないと考えている人もいますが、ペットボトル飲料に防腐剤が使われることはありません。
防腐剤と酸化防止剤を混同している人が多いです。
ペットボトル飲料は本来どのくらいもつ?
ペットボトル飲料は未開封であれば賞味期限通りで構いませんが、一度開封した場合は冷蔵庫保存で2~3日を目安に飲み切ることが推奨されています。
原材料が傷み始める頃がおよそ3日後であると言われており、常温で保存した場合はより早く劣化していきます。
さらに口をつけて飲んだ場合などは雑菌が繁殖するため、飲み切るべき期間はさらに短くなります。
雑菌が入った飲料はなるべくその日のうちに飲み切るようにし、口をつけずに飲んでいる場合は3日を目途に飲み切るようにしましょう。
ミネラルウォーターもジュースなどと比べると劣化は遅いですが、万全を期すのであれば3日中に飲み切るようにしてください。
開封した以上、ペットボトルに有機物が混入してしまう可能性が付き纏います。
有機物が混入してからは、ミネラルウォーターの中であっても雑菌が繁殖していってしまうため、飲料の種類に関係なく早めに処理してしまいましょう。
雑菌が繁殖することで毒ガスを発生させますが、どの程度のレベルで健康被害が出るかは人によります。
免疫力の高い人であれば一ヶ月以上放置した飲料を飲んでも問題無い場合もありますが、人によっては数日保管した飲料を飲むだけでお腹を壊してしまう可能性もあります。
体調を崩している時などは免疫力が低下しているため、食中毒になりやすいです。
免疫力の高さや体調は時によって異なるため、普段は長い時間放置した飲料を飲んでも平気であったとしても、油断はしないようにしましょう。
思わぬトラブルを避けるためにも、開封後は当日のうちに飲み切ることをオススメします。
ペットボトル飲料は安全なのか?
ペットボトル飲料は安全なのでしょうか。
基本的には未開封状態であればその飲料は安全ですが、不安要素もあります。
いくつか懸念点をご紹介します。
雑菌が繁殖する
既にご説明しましたが、飲料自体が安全であったとしても、雑菌が繁殖することによって飲料に毒素が発生してしまいます。
開封後は雑菌が繁殖する前に早めに飲み切りましょう。
破裂する可能性がある
開封後のペットボトルを放置しておくと、破裂する危険性があります。
ペットボトルの中で繁殖した雑菌は、ガスを放出し続けます。
ペットボトル内にガスが充満してしまうと、逃げ場を無くしたガスがペットボトルを押し広げ、最終的には破裂させてしまいます。
破裂したペットボトルから飛んできたフタが目に命中することで、失明してしまうリスクもあるでしょう。
物理的な危険を伴うため、ペットボトルを破裂させないよう注意してください。
開封後のペットボトルを数日保管しておく場合は、ガスが充満してしまわぬよう、一度はフタを開けてガスを逃がしてあげるようにしましょう。
原材料が劣化する
ペットボトル飲料に様々な原材料が用いられている場合、原材料が劣化していくことによって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
酸化防止剤などによって原材料の劣化を抑える措置は取られていますが、時間の経過に伴い劣化は進んでいきますのでご注意ください。
糖分が多い
清涼飲料水には糖分が非常に多く含まれており、清涼飲料水を好んで摂取している人は、糖分過多になりやすいです。
清涼飲料水系のペットボトル飲料を愛飲している人は、糖分の摂りすぎに注意しましょう。
健康を意識している人々の間では、清涼飲料水は避けることが推奨されています。
それだけ健康に影響を与えかねない飲料であるということを理解しておきましょう。
スポーツドリンクも糖分を多く含んでいるため、スポーツをしてない時に飲むことはできる限り避けるようにしてください。
添加物が含まれている
ペットボトル飲料には添加物が含まれているものもあり、添加物によっては安全性に疑問の声が上がっているものもあります。
ペットボトル飲料を購入する際はラベルをよく確認し、どの程度の添加物が含まれているかを確認すると良いでしょう。
清涼飲料水系のペットボトル飲料のラベルを見ると、非常に多くの添加物が含まれていることに驚くでしょう。
添加物によっては安全に見えるような表記がされているものがありますが、実際は人工物であり、健康に悪影響があるのではないかと囁かれているものもあります。
香料などはその典型例でしょう。
香りや風味をつけるためのものですから安全に思えますが、多くは化学合成によって作られており、体に良くないと言われています。
香りや風味を良くするためだけに人体に悪影響のあるものが平気で使われているというのが実情です。
添加物の問題はペットボトル飲料に限らず、飲食物を扱う業界全体の課題であると言えるでしょう。
実は、添加物が必要無いように見えるお茶にも添加物は使用されています。
ペットボトル飲料のお茶のラベルを見ると、ビタミンCと表記されているものが多いです。
ビタミンCと書いてあることで安全に見えますが、これも立派な添加物です。
このビタミンCは合成ビタミンCに分類されており、厳密にはL-アスコルビン酸という名称です。
その用途は先程もご紹介した酸化防止剤です。
この酸化防止剤を入れておかないと、お茶の風味や色が早く劣化するだけではなく、食中毒のリスクも高まります。
つまり、購入者の満足度や安全を守ってくれる酸化防止剤は、ペットボトル飲料を作る際に欠かせない添加物であるということです。
しかし、この酸化防止剤自体も人体にとって悪影響があると言われていますので、酸化防止剤を入れるべきか廃止すべきかについては議論の分かれるところです。