芳醇な香りが特徴の松茸は、秋の味覚の代表的な一つとして知られています。
希少性が高く、そのため高級品としてなかなか手が出ないという方も多いのではないでしょうか。
最近ではネットショップなどの普及により、高品質な松茸でもお手ごろな価格で入手することが可能になってきています。
また、自分で買わなくても近所や実家からおすそ分けとして松茸をもらうという方も少なくはないでしょう。
ですが、大量に貰ってしまうと消費するのも一苦労です。
せっかく貴重な松茸なのですから、長くその風味を味わいたいですよね。
今回の記事では、そんな松茸の保存方法と保存可能な期間についてご紹介します。
松茸の保存方法の注意点は?
松茸は基本的に水分を嫌う性質を持ちます。
ですので、保存するときはなるべく水分を吸収してくれるように、新聞紙やキッチンペーパーを使って包むことが大切です。
そして、常温ではあまり日持ちはしません。
当日や翌日に使うのであれば、常温保存でも構いませんが、それ以上になるのでしたら冷蔵保存や冷凍保存をしておきましょう。
もし松茸が傷んでしまうと、アミノ酸が変性し、有毒物質になってしまいます。
また、松茸は洗ってはいけないという話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
ですが、保存する場合は下処理をしてから行いましょう。
そのまま保存してしまうと、虫や雑菌などが繁殖してしまう可能性があります。
下処理をする際は、まず石突き部分を削り落とします。
あまり大きく削る必要はなく、食べられない部分だけを鉛筆を削るときの要領で削り落とせば問題ありません。
その後、ボウルなどに少しだけ水を張り、そこで付着している土や砂を落とします。
せっかくの松茸の香りがとんでしまいますので、短時間で済ませましょう。
洗わずに調理を行った松茸で食中毒を起こした例もありますので、多少の香りがとんでしまうことは仕方ないと割り切り、きちんと水洗いを行ってください。
流水で洗ってしまうと、より香りがとんでしまうため、少量のため水で構いません。
また、水の中に塩をいれて洗うのも効果的です。
他にも指だけを湿らし擦り落とす方法や、キッチンペーパーなどを湿らせて擦り落とす方法があります。
最後にキッチンペーパーなどを使い、しっかりと余分な水分を拭き取ってから保存します。
外からの水分をつけず、中にある水分を逃がさずに保存するためには、キッチンペーパーや新聞紙で2重、3重にくるみ、その上からラップなどで覆ってやるとよいでしょう。
常温保存する際は風通しのよい冷暗所で保存してください。
ですが、最近では秋口になっても暑い日が続くため、なるべく常温保存はしないほうがよいかもしれません。
冷蔵庫で保存する際の注意点
常温保存よりも長期間保存できます。
賞味期限はおよそ4日ほどですので、週末に家族そろって食べたいという時には最適な方法です。
長くても1週間程度で食べたほうがよいでしょう。
常温の時と同じように、松茸に下処理をします。
丁寧に水気を拭き取った後は、キッチンペーパーや新聞紙、ラップなどで包み保存します。
保存する際は、保存バッグなどを使い、他の食品のにおいが松茸に移ってしまわないよう気をつけましょう。
保存期間が長くなれば長くなるほど、湿度の管理には気を付けてください。
保存する場所は、短期間でしたら野菜室など、少し期間が長いのであればチルド室やパーシャル室と呼ばれる場所がおすすめです。
冷凍庫で保存するときは?
キノコ類は、冷凍することによって細胞壁が壊れ、うまみ成分がより出てくるという話を聞いたことがあるかもしれません。
ですが、それはあくまでもうまみが出てきやすくなるだけです。
香り松茸、味しめじともいわれる通り、松茸の最大の特徴はその芳醇な香りです。
冷凍保存することにより、食感が著しく損なわれ、香りが飛んでしまうことがあり、あまり美味しく食べることができなくなる場合があります。
ですが、正しく冷凍保存することにより、3か月程度は美味しく食べることができるようになります。
まず、常温保存や冷蔵保存と同じように下処理を施します。
その後、よく水気を拭き取ってからキッチンペーパーや新聞紙などに包み、さらにラップで覆います。
フリーザーバッグなどに入れ、できる限り空気を抜きます。
もし真空にできるのであれば、真空にしておくとよいでしょう。
お使いの冷凍庫に急速冷凍や瞬間冷凍などの機能があれば、そちらで冷凍保存してください。
なければアルミホイルや、金属製のバッドの上に並べ、熱伝導率をあげてできる限り早く冷凍しましょう。
並べるときはなるべく平らになるようにし、早く冷えるようにするとよいです。
また、なるべく香りをとばさずに冷凍保存する場合は、スライスしてから冷凍保存してみるとよいです。
下処理をした松茸をスライスし、なるべくラップを密着させます。
ラップをまくときは2重、3重にしましょう。
こちらももし可能であれば、真空状態にしたほうがよいです。
ラップなどをまいた松茸は、他の食品からのにおい移りを防ぐためにもフリーザーバッグなどに入れておきましょう。
冷凍保存する際の注意点は、霜がつかないように保存することです。
冷凍庫で保存した場合の食べ方
常温保存、あるいは冷蔵保存の松茸でしたら焼き松茸などの食べ方にもあいます。
ですが、冷凍保存した松茸は、解凍することにより水っぽくなってしまいますので、焼き松茸にするには不向きといえます。
ですので、冷凍保存しておいた松茸を使うときは、凍ったままあるいは半解凍の状態で土瓶蒸しやお吸い物、鍋物など出汁の中に入れて調理するものに使いましょう。
冷凍保存する際に、スライスあるいはカットをしておけばそのままお吸い物や炊き込みご飯などの具材として使うことができます。
まとめ
秋の味覚の代表格である松茸は、保存方法によって賞味期限が異なります。
常温で保存するのであればなるべく冷暗所で保存し、2日以内を目安に食べましょう。
冷蔵保存するのであれば、下処理をし、余計な水分がつかないように注意したうえで1週間以内に食べきってください。
それ以上長期間になるのでしたら、冷凍保存がおすすめです。
ですが、焼き松茸などの調理には不向きですので、調理方法を考える必要があります。
冷凍保存前に決めておき、目的にそったカットをしてから冷凍することで、使うときは冷凍あるいは半解凍のまま使うことができますよ。