ホワイトボードは、何度も書いたり消したりして使うことができます。
会社の会議室や、学校、あるいは家庭の中でも大切なことを書いたり伝言をしたりと使う頻度が高いという方は多いのではないでしょうか。
最近ではホームセンターだけではなく、100円ショップなどにも売られているため、より身近な存在であるといえます。
ですが、書いた文字が消えないということはありませんか。
また、文字を消そうとするとインクが伸びてしまったり、消せたと思っても書いた跡がそのまま残ってしまったりという経験をお持ちの方も多いことでしょう。
せっかく繰り返して使えるホワイトボードなのに買い替えるというのはもったいないですよね。
今回の記事では、そんなホワイトボードの文字が消えない場合の原因や対策方法などをご紹介します。
ホワイトボードの文字が消えない原因は?
まずは、ホワイトボードに書いた文字が消えない原因についてご紹介します。
いくらその場で文字を消せたとしても、次に使うときに原因を知らないままでしたらまた文字が残ることになります。
ホワイトボードには種類がある
ホワイトボードにはホーローボードとスチールボードという2種類のものがあります。
どちらも表面に塗装が施されています。
ホーローボードと呼ばれるものは、表面にガラスを含む塗料を焼き付けて作られています。
そのため高価ですが劣化しにくいという特徴を持ちます。
一方、スチールボードと呼ばれるものはさらに日本製と中国製のものに分別することができます。
日本製のものはウレタンを塗料に使用し、中国製のものはアクリルを塗料に使用することが多いです。
ウレタンの方がアクリルに比べると高価で劣化しにくい素材です。
アクリル製のスチールボードの中でも品質が低いものは水拭きをするだけでも表面の塗装が剥がれ落ちることがあります。
文字が消える仕組みがあるホワイトボード用マーカー
もちろん、ホワイトボードの文字が消える仕組みがボードによるものだけでしたらホワイトボード用のマーカーなんて売られていないはずですよね。
実は、このホワイトボード用マーカーに文字を消すことを可能にする仕組みがあるのです。
ホワイトボード用マーカーは油性ペンと同じく、油性のマーカーです。
普通の油性ペンですと文字が消えてしまっては困るため、定着剤というものがふくまれています。
この定着剤の働きにより、油性ペンは紙の上に定着し文字が落ちなくなります。
一方、ホワイトボード用マーカーには定着剤の代わりに剥離剤というものが含まれています。
この剥離剤の力により、ホワイトボードに書いた文字はイレイザーで消すことができるのです。
加えて、ボード表面に加工を施してあることにより、文字が簡単に落ちてくれるという仕組みです。
ホワイトボードの塗装に問題がある
原因として最も多いのがホワイトボード自体に問題があり、文字が消えなくなっているという場合です。
スチール製のホワイトボードの表面は、書いたり消したりを繰り返しているうちに表面の塗装コーティングが剥がれ落ちてしまいます。
実はこれ、普段のお手入れが間違っている可能性があります。
ホワイトボードが消えにくいからと、除光液やベンジン、アルコールなどを使って拭いてはいませんか?
また、メラミンスポンジなどで擦り落としているという方もいるでしょう。
これらはすべて間違った方法です。
これらのお手入れによって、ホワイトボードの表面に施されている塗装コーティングは簡単に剥がれ落ちてしまうのです。
また、先ほどもご紹介しましたがホワイトボードの材質によっては水だけでも剥がれ落ちる可能性があります。
ホーロー製のホワイトボードであれば、800℃程度の高温で塗装を焼きつけているので、水でお手入れしたからといってコーティングが剥がれ落ちてしまうということは、まずありません。
ホワイトボードが汚れている
ホワイトボードは書いたり消したりを繰り返すことで、マーカーのインクでどうしても汚れてしまいます。
また、空気中には微小なホコリやチリ、ハウスダストなどが舞っているため、それらが付着することによっても汚れてしまいます。
特にホーロー製のホワイトボードが消えないという場合は、これらの汚れが付着している可能性が高いです。
ホワイトボード用マーカーに問題がある
ホワイトボード用マーカーには、剥離剤が含まれていますが、購入した時点ではインクと剥離剤がちょうどよいバランスで保たれています。
ですが、長期間放置しているとどうしても劣化してしまい、消えにくいマーカーとなってしまいます。
また、縦向きで保管しておくと、剥離剤が下にたまってしまい、バランスが崩壊する原因になります。
ホワイトボード用マーカーは価格により、配合のバランスや成分が異なります。
基本的には高いホワイトボード用マーカーのほうが消えやすい傾向にあります。
ですが、やはり経年劣化はしてしまうため、古くなるともちろん消えにくくなります。
書いた文字をすぐに消している
実は、これも文字が残りやすくなる原因です。
ホワイトボードは、書いた文字をすぐに消して新しいものを書くということができる筆記具ではありますが、ホワイトボードは用マーカーにはインクが乾いてからでないと剥離剤がうまく働かないという特徴があります。
インクが乾くまでには、種類によって異なりますがおおむね15秒程度の時間がかかるといわれています。
書いた文字を長時間残している
では、長時間放置すれば剥離剤が働いているので簡単に消すことができるのか、といわれればそれもまた誤りです。
ホワイトボードは、長時間文字を書いたまま残しておくとインクの染料がどんどんと染み込んでいきます。
そのため、24時間以上放置してしまうと、文字がきれいに消せなくなってしまいます。
イレイザーが汚れている
ホワイトボードに書いた文字を消すためのイレイザーが汚れている場合も、きれいに消すことができません。
一度、消す部分を確認してみてください。
もし布が汚れてしまっている場合は、消す力が落ちている可能性が高いです。
消しづらいペンの種類は?油性ペンは平気?
では、剥離剤が入っているペンの種類によって消しやすい、消しづらいというものはあるのでしょうか。
もちろん、ホワイトボードとの相性によって消えやすい、消えにくいという違いはありますが一般的にはアルコール性の、一般的な油性マーカーが消えやすいです。
ですが、最も揮発性が高いマーカーですので経年劣化しやすいという特徴があります。
その次に水性のペンが消しやすく、ケトン性のペンが一番消しにくいとされています。
マーカーを購入する際は、そのペンが何性であるのかを確認してから購入したほうがよいでしょう。
一般的に販売されている油性ペンは、剥離剤が含まれておらず定着剤が含まれているため、非常に消しづらいです。
キレイに消す場合は?
すでに文字が残っている場合は、一度その上から新しいホワイトボード用のマーカーでなぞってみてください。
すると、下に残った文字に新しい文字で剥離剤がつきます。
15秒以上待って、剥離剤がなじんでから消してみてください。
きれいに消せる場合は、マーカーが経年劣化をして剥離剤とのバランスが崩れていた可能性があります。
もしくは、誤って油性ペンなどの消すことが難しいペンを使って書いていた可能性があります。
こちらの場合も、剥離剤を付与してやることで消しやすくすることができます。
なかなか消えない場合は、イレイザーを確認しましょう。
ものによっては、布地を外して洗濯できるものがあります。
もしできない場合は、買い替えましょう。
それでも問題なければホワイトボードが汚れている可能性があります。
表面のコーティングを剥がさないように、水で拭き必ず乾拭きをします。
では、日常からきれいに消すための工夫方法です。
マーカーの管理をする
マーカーには使用期限があります。
使用期限が過ぎたマーカーは、インクが揮発していたり剥離剤のバランスが崩れていたりと、消えにくいペンになっている可能性が高いです。
古くなったペンは捨ててください。
また、普段の置き方は縦置きではなく、なるべく横置きにしインクが偏らないようにしましょう。
ホワイトボードによって、マーカーとの相性が異なります。
もし、他の対策方法を試してみても消えにくい場合は相性がよくないということが考えられますので、別のメーカーのものを使ってみましょう。
ホワイトボードをきれいに保つ
ほこりなどで汚れてしまったホワイトボードは消しづらくなってしまいますので、定期的に水で拭き、乾拭きをします。
乾拭きを忘れてしまうと、錆などの原因になってしまいますので、忘れないでください。
イレイザーをきれいにしておく
イレイザーの布が汚れていると、十分にインクを落とすことができません。
使ったら確認し、洗えるのであれば洗濯をし、洗えなければ新しいものを購入してください。
消し方を正しくする
ホワイトボードはきちんと剥離剤がなじんでいないと消しにくいです。
まずは、インクが乾くまで15秒程度は消すのを待ちましょう。
また、24時間以上経過してしまうとインクが染み込んでしまうので消しづらくなります。
必ず書いたらその日中に消すようにしましょう。
コーティングを復活させる
ホワイトボードは、もう一度コーティングしてやることで復活することがあります。
文字が消えない原因の大多数は、ホワイトボードにあるため、コーティングのはがれによる文字の消えにくさも多いです。
ホワイトボード専用のコーティング剤が市販されていますので、軽く水拭きをして乾かしてから塗りなおしてみてください。
もっと手軽に行えるホワイトボードシートと呼ばれるものも市販されていますので、自分に合ったものを使用するようにしましょう。
もし再コーティングしても消えにくい場合は、コーティングではなくホワイトボードの表面自体が劣化してしまっている可能性が高いです。
その場合は、新しいものに交換するほうがよいです。
まとめ
何度も使用できる便利なホワイトボードですが、消し方やお手入れ方法を誤ることで劣化が早くなってしまいます。
また、使用する道具がよくない場合は文字が残りやすくなってしまいます。
正しい使い方、消し方、お手入れ方法を覚え、きれいに長く使うことができるとよいですね。