秋になると満月を見上げてお月見をすることが風流だったりします。お月見しながらお団子を食べて一家団欒するのも良い習慣です。

そもそもお月見とはどのようにして始まった風習なのでしょうか。また、お月見とウサギの関係、お月見泥棒とは何か、についても説明して、

月見団子の作り方も紹介しましょう。


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お月見の意味や由来とは?

 

 

秋は農作物の収穫の季節です。昔から日本人は自然からの恵みである収穫した農作物などに感謝をする習慣がありました。

それが秋祭りとなり、地元の土地神や農耕神に御礼を伝えることを習わしとしてきたのです。農作物の収穫は夜遅くまでかかることがあります。

月明かりの下で収穫作業をする場合には、月にも感謝をしたでしょう。そして昔から日本では月を愛でる習慣がありました。

月を詠んだ和歌は多くありますし、秋の月の美しさは昔から人の心に感動を与えてきたのでしょう。

もともとお月見は中国から伝わってきた風習ですが、日本独自の習慣とも混じり合いながら現在のお月見になったと考えられます。
お月見の月

 

 

お月見とウサギは何の関係がある?

 

 

お月見をすると、月にはお餅をついているウサギの模様が見えます。子供の頃から月の模様はウサギだと教えられてきたので、なぜウサギなのかあまり疑問に思った人はいないかもしれません。

月のウサギの話はインドの神話に由来します。ウサギとサルとキツネの3匹はいつか人間になれることを望んでいました。

ある時にみすぼらしい老人が3匹の近くを通りかかりました。その老人はお腹が空いて倒れそうだと言って3匹に助けを求めたのです。

人間に善いことをすれば人間になることができるかもしれないと考えた3匹は先を争って食べ物を探しに行きます。

 

 

サルは木の実を取ってきて老人に与えます。キツネは魚を捕まえて老人に差し出します。

ところがウサギは何も食べ物を取ってくることができませでした。そこでウサギは、自分を食べてください、と言って自ら火の中に身を投げたのです。

その老人は実は帝釈天(仏教の神様)だったのですが、ウサギのことを哀れに思った帝釈天は優しいウサギの姿を月の中に永遠に残してあげることにしたそうです。

 


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月の模様がウサギに見えるのは単なる偶然かもしれませんが、このような逸話が月のウサギにはあるのです。

また、古代中国では月のウサギは不老不死の薬を杵で搗いていると言われていました。

このようにウサギと杵に見える月の模様は、多くの人々に何かしらの物語を想像させるような不思議な魅力があるのでしょう。
お月見ライブ

 

 

お月見と団子の関係は?作り方のレシピは?

 

 

お月見にはお団子が付きものですが、なぜお月見の時にはお団子を飾って食べるのでしょうか。お月見のお団子も豊作への祈願と収穫への感謝を示すお供え物であったと考えられます。

収穫された米で作ったお団子を供えることで、今年も無事にお団子を作ることができました、という気持ちを表しているのでしょう。

お月見のお団子は丸形が一般的ですが(地方によっては俵型などもありますが)、これはお団子を月に見立てているからです。

ちなみに十五夜の時には15個のお団子を、十三夜の時には13個のお団子を盛り付けて供えることが一般的です。

昔は実際に米を搗いて餅にしてお団子を作っていたようなこともありましたが、現在ではもう少し手軽な方法でお月見のお団子を作ることができます。

簡単にお月見のお団子を作るレシピを紹介します。レシピ、とは料理の作り方、調理方法のことです。

 

 

まずは米粉(上新粉)と水を用意します。15個分であれば、米粉は120gくらいで、水は80ccから90ccくらいで大丈夫です。

米粉の代わりに団子粉を使っても大丈夫です。団子粉とは、うるち米ともち米を1:1で混ぜた米粉のことです。

米粉あるいは団子粉に水を混ぜて、耳たぶの硬さくらいになるまでよく捏ねます。最初から水を全部入れないで少しづつ混ぜる方が良いでしょう。

 


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捏ねたものを15等分に分けて、丸い形に成形します。

この団子はそのままでも食べることができないわけではありませんが、美味しくないですし、消化も良くはないのでお腹を壊す可能性があります。

したがって、成形したまるい団子は沸騰したお湯で茹でるようにします。団子が浮かんできたら2分間~3分間くらいはそのまま茹でます。

茹で上がったら氷水などにさらして、容器に取り上げたら団扇などで煽いで冷ますようにします。

月見団子のアレンジとしては、あんこやきな粉などの味付けをすることが考えられます。小さい子供にも喜んでもらえるでしょう。

また、缶詰の果物などと合わせてフルーツポンチにすると、一味違った楽しみ方ができるでしょう。

現在では、お月見のお団子はスーパーなので既製品として販売されていますので、自分で作る必要はないかもしれませんが、簡単に作ることができるものなので、子供と一緒に挑戦してみても面白いかもしれません。

また、米粉や団子粉ではなく白玉粉(もち米を原料)を使ってもお団子を作ることはできます。白玉粉を使うと柔らかさと弾力がある、少し上品な感じのお団子になります。
お月見団子

 

 

お月見泥棒の意味とは?

 

 

お月見泥棒って知っていますか。月夜に泥棒に入ることではありませんよ。

昔は秋の豊作に感謝して多くの家でお月見の団子を、縁側などに供えてお月見をする習慣がありました。

農家にとっては嬉しいものですね。これまでの苦労が報われて、農作物が収穫できれば、みんなでお祝いができるわけですから。

 


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そのような状況の中で、他人の家のお月見の団子を子供が盗んで食べる、という風習がある地域があります。

もちろん現在の感覚で言えば、窃盗にあたりますが、地域によっては喜んでお団子を盗まれるという習慣があるのです。

子供に盗まれるようなお月見のお団子は美味しくできている証拠だし、お祝いの品を地域の多くの人に食べてもらいたい、という気持ちから、目をつぶるようになったのでしょう。

地域によって多少違いはありますが、子供たちは月からの使者であると考えられており、長い竿のような棒の先端の針金などを使ってお団子を盗みます。

お団子を供える側としても盗みやすい場所にお団子を備えるように気を使っていたようです。

地域によっては、「お月見泥棒です」などと声をかけて、各戸を訪問してお菓子などをもらう場所もあるようです。

まるで、「Trick or Treat」と言いながら家を回ってお菓子をもらう欧米のハロウィンのような風習です。

お月見泥棒の起源は「片足御免」という風習だと言われています。

お月見の夜は、他人の畑に忍び込んで、植えられている芋などを好きに食べても良い、という習慣が多くの地域にありました。

普段のストレスを、お月見のような特別の日だけは悪いことをしても良い、とすることで発散するような仕組みがあったのです。

しかし、好きなだけ芋などを食べても良いとすると、農家はたまったものではありません。

そこで、街道から片足分までは作物を取っても良いとするルールがあったことで「片足御免」と呼ばれるようになったのです。

このお月見泥棒にやられた家は縁起が良いとされ、豊作が約束された、と喜ぶそうです。

今お月見泥棒をすると、お団子を供えている家から怒られてしまうかもしれませんし、そもそも縁側があってお団子を供える家も少なくなっているでしょう。

世知辛いかもしれませんが、住居不法侵入や窃盗で警察に突き出されてしまう可能性が高いと考えられます。

しかし、地方によってはお月見泥棒の風習が現在でも残っている場所があります。福島県や茨城県の一部などでは、今でもお月見泥棒が行われているのです。