春から夏にかけて少しずつ昼が長くなっていく中で、夏至は1年で一番昼間の時間が長く夜が短い日と言われています。そもそも夏至とはどのようなもので、どういった由来があるのでしょうか。

また、2018年の夏至はいつでしょうか。夏至に関係があるイベントも合わせて紹介します。

 


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今年の夏至はいつ?

 

 

2018年の夏至は6月21日です。昨年(2017年)の夏至も6月21日でしたが、来年(2019年)の夏至は6月22日になる予定です。夏至は、太陽の位置と地球の赤道の角度で決まるので、毎年微妙に時期がずれる場合があります。

基本的には毎年6月21日が夏至になりますが、4年に一度6月22日になるのです。なお、一年で一番夜が長い冬至も、12月22日が基本で、4年に一度12月21日になります。

 

 

夏至の意味や由来は?

 

 

夏至が一年中で一番昼間が長いのはわかりますが、なぜそうなるのでしょうか。また、なぜ夏至と呼ぶのでしょうか。

 

夏至とはどのような状態?

 

季節によって太陽の高さが変わるのは、地球の地軸がまっすぐではなく、傾いていることが理由です。太陽の周囲を約1年かけて、地球は回っています。これを公転と言います。また、公転と同時に、地球そのものもコマのように回転しています。これを自転と言います。

自転する地球の、回転するコマの軸にあたる部分を地軸(自転軸)と呼び、地軸は公転する地球の経路(通り道)に対して約23.4度、傾いています。地軸の傾きは、短期間ではほとんどぶれることはありません。

しかし、1年に1度だけ、地軸の北極部分が太陽を向く日があります。この状態を夏至と呼ぶのです。夏至の時期には、北極近辺では一日中太陽に照らされ(白夜、と言います)、北半球では昼間の時間が長くなります。

なお、地軸の南極部分が太陽を向く日を冬至と呼んでいます。この時には北極近辺は一日中太陽が昇ることはなく(極夜、と言います)、北半球では昼間の時間が短くなります。このような天体の状態を季節の動きに取り込んでいるものが夏至なのです。
夏至の太陽

 

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夏至は24節気分のひとつ

 

そもそも夏至とは、24節気のひとつを指しています。24節気とは、黄道(太陽の通り道)上の太陽の動きを24等分して、それぞれに名称を付けたものです。中国の戦国時代に考案されたもので、その後日本でも広まりました。

24節気は、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒、となっています。春分や秋分は聞いたことがあるのではないでしょうか。

24節気は日本人の生活にも根差しており、夏至は立春から数えて10番目の節気です。夏至の前の芒種とは穀類の種まきをする時期、梅雨の時期とされており、夏至の後の小暑とは梅雨が明ける時期とされています。

つまり、梅雨に突入して米などの種まきを終えた頃に夏至を迎え、夏至が過ぎてしばらくすると梅雨明けとなる、という流れを表しているのです。しかし、24節気が考案された頃からは長い時間が経ちました。

中には、現在では24節気で表している事柄が実際の動きとずれてしまっているものもあります。例えば、梅雨明けは、24節気の小暑で7月7日頃とされていますが、実際にはもう少し遅く、2018年の関東では7月の中旬から下旬と予想されています。

しかし、夏至や冬至は、天体の状態によって決まっているものなので、春分や秋分と同様に、一年の生活サイクルの基準を示しくれる重要な24節気と言えるでしょう。

 

 

夏至に関係ある2018のイベントは?

 

 

夏至には、日本だけでなく、世界中でイベントが開催されています。2018年の夏至に関連があるイベントを紹介します。
キャンドル

キャンドルナイト(東京)

毎年夏至の日に合わせて、東京では100万人のキャンドルナイトというイベントが開催されています。イベントの合言葉は「電気を消して、スローな夜を」となっており、大地を守る会が2003年に発案しました。

普段の電気の恩恵に感謝をしてエコな生活を経験するために、電気を消してキャンドルの明かりだけでのんびりした時間を過ごすイベントです。小さなキャンドルの火を見つめながら、ゆったりと過ごせば、毎日の生活を見つめ直す機会になると思われます。

キャドルナイトでは、増上寺でライブパフォーマンスをしたり、大地を守る会では有機野菜の販売をしたり、キッチンカーを準備して料理を楽しめたり、いろいろな楽しみ方を経験することができます。。

また、東京タワーの電灯も落ち着いた色へと変えており、夏至のキャンドルナイトを通じて、東京全体で電気を使う日々の暮らしやエネルギーのあり方などを考える行事となっています。

 

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キャンドルナイト(大阪)

 

大阪の西梅田でも夏至のタイミングで、「1000000人のキャンドルナイト@OSAKA CITY」という名称のイベントが開催されています。夏至の日の午後9時〜10時の1時間、電気を消してキャンドルの灯だけで過ごすイベントです。

大阪市も協力して、ライトの光量を落とすライトダウンキャンペーンを市民に呼びかけています。また、大阪市ではキャンドルナイトと同時刻に明かりを消す企画も実施しています。

 

大祓式(東京)

 

大祓式は東京都千代田区にある東京大神宮で催される行事です。大祓式は半年間の穢れを払うための儀式で、6月の12月の年2回行われます。夏至の日に行われる大祓式は「夏越しの祓え(なごしのはらえ)」と呼ばれています。

形代という人型の紙に自分の名前を書いて穢れを移し、神社で清めてもらうのです。また、夏至の頃には、夏越しの祓えとして「茅の輪くぐり」も行われます。茅の輪くぐりとは、ちがややあしで作った大きな輪をくぐることで、健康を祈る行事です。

千日詣り・ほおずき縁日(東京)

東京都港区の愛宕神社では、夏至の頃(6月23、24日)に茅の輪くぐりや中祭式と呼ばれるお清め式を執り行っています。この日に愛宕神社で茅の輪をくぐると千日分の御利益があると信じられています、

また、境内にあるほおずきを煎じて飲むことで、婦人病や小さい子どもの癇に効果があるとされています。愛宕神社のほおずきの縁日が各地のほおずき市の始まりだとされています。
ほおづき

 

夏至祭(フィンランド)

 

夏至は日本だけでなく、世界でも特別な日として認識されています。北欧では白夜という現象も起きますので、お祭りなどの行事が開催されることは多いようです。フィンランドでは、厳しい冬を乗り越えて短い夏を迎えたことを祝い、夏至祭りが開かれます。

夏至祭りでは、松明を焚いたり、サウナ風呂に入る習慣があります。中にバーべキューを楽しんだり、ヨットや釣りをする人もいるそうです。また、代々伝えられている伝統的な夏至祭りのダンスを踊ってお祝いの気持ちを表す人もいます。

 

スカンセン夏至祭り(スウェーデン)

 

フィンランドと同様に北欧のスウェーデンにも、夏至を祝うお祭りがあります。スウェーデンのストックホルムでは、太陽の恵みに感謝する夏祭りが催されます。会社やお店のほとんどがお休みとなります。

人々はスカンセン野外博物館に集まって、歌ったり踊ったりして、楽しい時間を過ごします。中には伝統衣装で着飾る人もいるようです。

 

夏至カヌー(カナダ)

 

カナダのバンフでは、夏至のタイミングに合わせてカヌーでボウ川を下るイベントが催されます。
カナダではカヌーには長い歴史があり、毛皮の流通はカヌーを利用して行われていました。この時に利用されていたのがカナディアンカヌーです。

インディアンカヌーの愛好者が夏至カヌーに参加します。