縁日やお祭りの屋台に金魚すくいのお店があると、多くの人が集まって賑やかです。
しかし、いざ金魚すくいをしてみても、なかなか上手に捕まえることができず悔しい思いをした人もいるのではないでしょうか。
屋台で上手に金魚を捕まえるコツと、捕まえた金魚の飼い方について説明します。
お祭り屋台での金魚すくいのコツは?
金魚すくいには上手に金魚を捕まえる方法や工夫があります。お祭り屋台にいる金魚の種類を紹介して、具体的な捕まえ方を説明します。
金魚の種類
お祭り屋台の金魚すくいにはさまざまな種類の金魚が泳いでいます。金魚すくいで一般的な金魚は、和金、流金、出目金の3種類でしょう。
和金は赤い金魚で、金魚の原典と言われています。泳ぎは早く、育てやすい特徴があります。
流金は和金に比べるとずんぐりとした体型で愛らしい姿をしています。中国原産の琉球育ちなので、この名前が付きました。
尾の長い流金は価値も高いのですが、屋台の流金はほとんど尾の短いものばかりです。ももし尾の長い流金がいたら頑張って捕まえてみましょう。
出目金は文字通り目が飛び出している点に特徴がある金魚です。おとなしい性格ですが、目が傷付きやすいために育てるのが少し難しいかもしれません。
次に金魚すくいでは珍しい金魚を紹介します。それは、コメット、朱文金、水泡眼の3種類です。
コメットは和金系統の金魚で、彗星(コメット)のように長い尾に特徴があります。長い尾をたなびかせて泳ぐ姿は、格好良いものです。
朱文金も和金タイプで尾が長い金魚です。体色が赤、白、黒、青が混じっていて、綺麗なところに特徴があります。
コメットや朱文金は泳ぎが速いので、のんびり泳ぐ金魚とはいっしょに飼わないほうがよいでしょう。
水泡眼は、出目金のように目が出ているのですが、袋のようなものが付いていて、特徴的な姿をしている金魚です。
他にも、なかなか屋台の金魚すくいで見かけることはありませんが、オランダ獅子頭、丹頂、らんちゅう、といった珍しい金魚もごく稀に金魚すくいに登場することがあります。
もし、これらの珍しい金魚を屋台で見つけたら、頑張って捕まえてみましょう。
金魚を上手にすくう方法
屋台の金魚すくいでは、破れやすいポイ(金魚をすくう道具)ばかりで、上手にすくうことなんてできないと思っているのではないでしょうか。
上手に金魚すくいをするには、まずは、お店を選ぶことから始めます。人、特に子どもが集まっている屋台は破れにくいポイを使っていると考えられます。
次に、金魚すくいの様子を観察することです。破れにくいポイかどうか、他人の金魚すくいをよく見て確認しましょう。
ポイには号数(大きさ)があり、屋台の金魚すくいでは5号~7号が一般に使われています。号数が大きくなればポイのサイズも大きくなります。
5号のようにサイズが小さい方が丈夫で、金魚すくいには有利なので、どのくらいの大きさのポイを使っているのかも、他の屋台と比較して、確認しましょう。
ポイには表と裏があります。表を上にしたほうが破れにくいので、注意しましょう。また、ポイは最初に全体を満遍なく濡らしましょう。
濡れているところと乾いているところがあると、ポイは破れやすくなってしまうからです。ポイの動かし方も重要です。
なるべく水の抵抗がないように、水面に対して平行に動かすことがポイントです。
金魚をポイですくった時もポイを真上に引き上げるのではなく、斜めに動かすようにしましょう。
金魚は後ろに泳ぐことはできないので、ポイで追いかけるようなことはせず、先回りする方が捕まえるチャンスは大きいです。
ポイには金魚の頭かお腹を乗せるようにしましょう。金魚が暴れると尾びれでポイを破ってしまう可能性があるからです。
ポイで捕まえた金魚を器に移す時も、ポイをひっくり返して移動させるのではなく、金魚を転がすようなイメージで移すようにしましょう。
水槽の真ん中の広いところで金魚を捕まえるのは簡単ではありません。金魚の逃げ道がたくさんあるからです。
水槽の角に金魚を追い込むと、金魚の逃げ道をふさぐことができますし、ポイを大きく動かす必要もありません。
このように屋台の金魚すくいにもコツがありますが、大切なことは金魚すくいを楽しむことです。他のお客さんに迷惑をかけるような行為は厳に慎みましょう。
金魚をすくったらどのように飼ったらいい?
屋台の金魚をビニール袋に入れて帰ってきたけれど、すぐに元気がなくなってしまったことはありませんか。金魚を飼う方法について説明します。
仮住まいの準備
金魚を飼う準備もなく屋台で金魚をすくってしまったら、まずは金魚の仮住まいを準備する必要があります。
大き目のバケツを用意して下さい。金魚がいると水が汚れやすくなるので、小さいバケツでは金魚にとって快適とは言えません。
バケツはよく洗って、洗剤の残りなどが付いていないように注意してください。次に大切なのが水と温度です。
金魚を水道水にそのまま入れてしまう人もいるかもしれませんが、ほとんどの金魚はここで死んでしまうことが多いのです。
水道水にはカルキや塩素が含まれており、これらは金魚にとっては毒になります。
前もって水を汲み置いてカルキを抜いておければ良いのですが、魚用のカルキ抜きの薬剤を使えば金魚に適した水にすることができます。
また水温が急に低くなることも金魚にとっては致命的になることがあります。袋の中の水と同じような温度の水に移すように気を付けてください。
仮住まいで金魚にエサを与えると水が汚れて金魚が死んでしまう場合があります。仮住まいにいる間(数日程度)はエサを与えないようにしましょう。
本格的に金魚を飼うには
次に、仮住まいから本宅(金魚鉢)へ金魚を移します(最初から金魚鉢などの準備ができている場合は、仮住まいは必要ありません)。
金魚を本格的に飼うには、水槽(金魚鉢)、フィルター、砂利、カルキ抜き、エサなどが必要です。水槽は直射日光があたらない場所に設置しましょう。
砂利には水質を綺麗に保ってくれる性質があるので、準備しておいた方が良いものです。準備が整ったからといって、いきなり金魚を移動させるのは止めましょう。
仮住まいの水と一緒に金魚を袋に入れて、「水合わせ」を行います。水合わせとは、前の環境から徐々に新しい環境に金魚を慣れさせる方法です。
具体的には、金魚を袋に入れたまま、10分くらい新しい水槽に浮かべておきます。水温が同じくらいになるので、袋の口を開けます。
金魚が自然に袋から出てきますので、袋を取り出して水合わせは完了です。
金魚にとって環境を急に変えることは、金魚にとって大きな負担になりますので、上記のように、少しずつ環境に慣れさせる配慮があると元気な状態でいてくれるでしょう。
家で金魚を変えない状況の人で、近くの池に放流してあげようと考える人もいるかもしれませんが、おすすめはできません。
上記のように、金魚にとって環境の変化は負担になります。放流した人は優しい気持ちで逃がしたのかもしれませんが、その気持ちが無駄になってしまう可能性もあります。
金魚のエサは食べやすい大きさには注意することと、エサで水が汚れないようにする=食べきれ金魚が食べきれる量を与えることが重要です。
もし水槽の水が汚れてしまったら、水を替えましょう。1週間に1回、半分ほど交換することが目安です。水温には十分に気を付けて水替えをしてください。
屋台の金魚はすぐ死んでしまうと思っているかもしれませんが、正しい飼い方をすれば長生きをしてくれて、見る人の目を楽しませてくれます。