切手をはがそうとしても綺麗にはがせないことはありませんか。収集しようと思った切手が破れてしまったり、はがした場所が汚くなったりしたことは経験があるはずです。
切手はどのような仕組みで貼りついているのでしょうか。また、切手を上手にはがす方法はあるのでしょうか。切手の仕組みと上手なはがし方について説明します。
切手はそもそもどのような仕組みで貼り付いているのか?
切手を貼るときに、みなさんはどのような方法で貼りますか。切手に糊を付けて手紙に貼っている人もいるかもしれませんが、切手にはそもそも糊が付いています。
切手の裏面に水を付ければ、それだけで手紙に貼り付けることができます。オフィスには水に濡らしたスポンジ(海綿)を用意しているところもあるでしょう。
中には自分の舌で切手を舐めて、手紙に貼って入る人もいるかもしれません。切手の糊は人には無害ですが、衛生的にも生理的にもあまりおすすめできる方法ではありません。
糊の主な成分は、酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコール(PVA)で毒性はありません。切手の糊は水で溶けるようになっています。
切手を濡らして、糊が溶けた状態で手紙に貼り、時間が経つと再び糊が固まるので、切手が手紙に貼りつくというわけです。
日本で最初の切手は、1871年(明治4年)の竜文切手ですが、この時にはまだ糊はついていなかったそうです。
ただし、翌年に発行された桜切手には既に糊が付いていたとのことです。昔の切手にはじゃがいものでんぷんが糊として使われていました。
1962年から、糊として、現在の酢酸ビニル樹脂とポリビニルアルコール(PVA)が使用されています。
昔からあまり代わり映えがしないと思われている切手の糊ですが。現在では糊を使っていない切手も登場しています。
それはシール型の切手で、この切手は台紙からはがせばそのまま手紙に貼り付けることができる簡便なものです。
スポンジ(海綿)も不要ですし、便利な切手として重宝されるのではないでしょうか。
シール切手を使用したとしても、送り先に失礼にあたることはないので、どんどん活用しましょう。
ただし、普通の切手とシール切手を混ぜて貼ると、ありあわせの切手を貼りました、という感じに相手には見えてしまう可能性があるので、相手によっては止めたほうが良いかもしれません。
綺麗にはがれるオススメの剥し方は?
切手を上手にはがすにはコツがいります。切手専用のはがし液を使う方法もありますが、身近な道具を使った方法も合わせて以下に紹介します。
切手のはがし液を使う
切手をはがすための液が売られているので、それを利用する方法があります。切手の部分にはがし液を塗っておくと2分くらいで、綺麗に切手をはがすことができます。
切手にはダメージが少ない方法ですが、封筒にははがし液の溶液の影響でしわが寄ったり変色してしまうことがあります。封筒の再利用は難しい場合もあるようです。
電子レンジに入れる
手紙、あるいは切手の部分を30秒くらい水に濡らしてから、30秒ほど電子レンジで暖めると綺麗に切手をはがすことができます。
水で溶かした糊が電子レンジの熱で乾燥してはがれやすくなることが、この方法が利用できる理由です。
ただし、電子レンジの熱で手紙が変色したり、封筒に入っているものが溶けてしまったりすることがないように気を付けてください。
冷蔵庫に入れる
手紙を冷蔵庫に入れておくと切手がはがれやすくなります。冷蔵庫には約20分くらい入れておくと良いのですが、これは冷蔵庫内の乾燥した状態を利用する方法です。
もしまだ切手が完全にはがれていない状態だったら、無理してはがそうとはせずに、もう少し冷蔵庫にいれたままにしておいて再度はがすようにしてください。
冷蔵庫に手紙を入れるときに、他の食材などに手紙が触れて汚れたりしないように気を付けましょう。
お湯につける
手紙をお湯につけておくと切手は自然にはがれます。切手の糊の成分がお湯の中に溶け出すからです。
実際に郵便局で行われている切手のはがし方もこの方法と言われています。切手や手紙へのダメージが少ないと考えられます。
しかし、万年筆などのインクで書かれた手紙をお湯につけると文字が消えてしまうことがあるので、十分に注してください。
また、この方法ではがした切手には糊が付いていない状態になるので、もう一度切手を使う時には糊を新たに使わなければいけません。
アイロンを使う
切手の部分にアイロンを当てると綺麗にはがせます。アイロンの熱と乾燥を利用する方法です。
ただし、切手の部分にアイロンを直接当てるようなことはせずに、当て布をするようにしましょう。
切手へのダメージも減りますし、アイロン本体に汚れや糊が付くことも防止できます。
蒸気をあてる
アイロンを使う方法とお湯を使う方法を合わせたような方法ですが、蒸気をあてて切手をはがす方法もあります。
沸騰したヤカンの注ぎ口の蒸気に切手をあてているシーンを見たことはありませんか。
この方法では蒸気の熱と水分で切手をはがしやすくしますが、火傷には十分気を付けて作業をすることが大切です。