6月に入り、全国的に梅雨入りの季節となりました。

 

ジメジメとした気候が続くと、どうしてもカビが生えたりと憂鬱になることが増えますね。

 

その中でも、年中カビの生えるリスクを背負っているのが水場周りです。

 

今回の記事では、水場周りの中でも特にお風呂場にフォーカスし、カビ取り方法や、カビの防止に役立つコツをお話します。

 


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どうしてカビが生えるの?

 

 

カビを撃退するのには、まず、なぜカビが湿度の多い場所で生えやすくなるのかを知っておくことが重要です。

 

カビの本体は胞子であり、空気中のどこにでもいます。

 

ですので、完全にカビを除去してしまうことは不可能に近いです。

 

そのカビがあちこちに付着して、増殖するのに適した条件ががそろうと爆発的に増加します。

 

カビは最適環境は、温度が25℃~30℃、湿度が80%の環境です。

そこに、カビの栄養となるものがあれば、一気に増加します。

 

また、風通しが悪くなると空気が循環せず、カビが増殖しやすくなります。

 

 

お風呂場がカビる原因は?

 

 

カビの発生・増殖条件を念頭におくと、お風呂場がカビやすい原因がよくわかります。

 

お風呂場は他の部屋に比べると湿度が常に高く、窓も少ししか開かないので換気が悪くなりがちです。

 

また、人間の髪の毛が落ちていたりフケや垢などタンパク質が落ちていると、カビの栄養となってしまいます。

 

カビの増殖条件がそろってしまうと、カビは爆発的に増殖します。

 

一つだけしかなかったはずの胞子が芽を出し、それがどんどんと増えてコロニー(密集)を作ります。

 

コロニーができてしまえば、目で見てそこにカビがあることに気づくようになります。

 

そしてコロニーで成長したカビが胞子を吐き出すことで、空気中にある胞子がどんどんと増えていきます。

 

その胞子がまたどこかに付着し、カビが生え、コロニーを形成するということを繰り返します。

 

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カビは体に悪いの?

 

 

一概に全てのカビが悪いとは言いきれません。

 

私たち人間の生活には、カビが密接に関わっています。

 

アオカビ

 

アオカビと呼ばれるカビはペニシリウム(Penicillium)と呼ばれるアオカビ族の総称です。

 

コロニーが青緑色である場合が多いことが、この日本での呼び方の由来です。

 

食べ物や埃に生息することが多いカビは、病気の原因となるものもあり、腎臓に影響する「シトリニン」を産生するものがあります。

 

腎細尿管上皮変性という病気を引き起こす原因菌として知られています。

 

人間の生活で役立つ種類もいます。

 

よく知られているものでは、ゴルゴンゾーラチーズやブルーチーズ、カマンベールチーズなどのチーズはアオカビの発酵によって作られています。

 

チーズの表面に生えたカビが酵素を出すことで、内部のタンパク質が分解されます。

 

その分解により、独特な風味が出ます。

 

カマンベールチーズはその見た目から一見、白いカビを使っていると思われがちですが、実はアオカビの仲間です。

 

他のチーズと違い、カビ部分から抽出した酵母を使っていますので、そのまま白い部分ごと食べてしまっても健康上に問題はありません。

 

また、アオカビの学名はペニシリウムといいますが、どこかで聞いたことがあるような名前だと思いませんか。

 

そうです、ペニシリンです。

 

マンガやドラマで有名になったペニシリンはアオカビから作られています。

 

1928年にイギリスのフレミング博士がペニシリンを発見しました。

 

ペニシリンは世界初の抗生物質として、世界中の傷病者を救いました。

 

1942年に実用化され、第二次世界大戦の負傷者を感染症から救った、偉大なる発見です。

 

コウジカビ

 

麹(コウジ)と聞くと日本ではよく使われているものとしてのイメージが強いのではないでしょうか。

 

アスペルギルス(Aspergillus)と呼ばれるカビの仲間は醤油や味噌の発酵に用いられます。

 

ですが、同じ仲間でも人体に入りこみ害をなすものもいます。

 

感染し体内で増殖するとアスペルギルス症を起こし、気管支炎などの症状を起こします。

 

身近なカビ菌ですので、日常生活の上でほとんどの人が体内に取り込んでしまいます。

 

ですが、健康な人間は感染することがない日和見感染です。

 

病み上がりや高齢化による免疫力の低下で感染し発症するため、免疫低下が考えられる時は危険なカビ菌です。

 

クロカビ

 

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今回紹介するカビは、一般的にクロカビと呼ばれています。

 

この通称は特定の種類を表しているのではなく、黒っぽく見えるカビを総称してこう呼びます。

 

代表的なクロカビにはクラドスポリウム(Cladosporium)があります。

 

アオカビはコロニーが発生すると青緑色に見えますが、クロカビは菌糸自体が深緑色をしています。

 

水に濡れることで菌糸が黒く見えるため、水周りに生えるクロカビは黒色をしています。

 

壁のシミやアレルギーの原因菌となる種類です。

 

 

カビを予防するにはどうしたらいい?

 

 

カビを予防するには、カビが増殖する条件を満たさなければいいのです。

 

温度・湿度・栄養でしたね。

 

温度

 

まず、どうしても温度の完全なコントロールは難しいです。

 

室温はお風呂のお湯でも影響を受けますし、外気温によっても左右されます。

 

特に夏場は外が暑く、浴室内の室温があがってしまいます。

 

ですので、外気温以外でなるべく室温があがらないようにする必要があります。

 

お風呂は、気温や体温よりも熱めのお湯を張る人が多いでしょう。

 

なるべく、お風呂は蓋をし、入浴時以外に室温が温められないようにします。

 

また、換気をすることでなるべく室温がこもらないようにするとよいですね。

 

湿度

 

湿度もお風呂場という環境上、高くなることが多いです。

 

ですので、なるべく湿度を下げることが大切です。

 

お風呂上がりに壁などに水滴がついたままですと、乾きにくくなってしまいます。

 

シャワーなどを使い、水滴を流し落とすことで乾きやすくします。

 

ですが、水のシャワーをかけるのは余計に乾きにくくしてしまいます。

 

お風呂場の温度を下げるために、水のシャワーをかけている方もいることでしょう。

 

でも実は、水のシャワーでは浴室内に水滴が残りやすくなってしまいますので、余計にカビが生えやすい環境を作ってしまう場合があるのです。

 

換気をすることで浴室内の室温を下げることができますので、お風呂上がりには水のシャワーをするのではなく、お湯で水滴を洗い流しましょう。

 

十分に換気することで、室温はもちろんのこと、湿度も下げることができます。

 

入浴後に換気扇をまわしたり、窓を開けたり、浴室乾燥機などを使うことで換気を行い、浴室内にこもった熱気や湿気を下げましょう。

 

窓とドアを開けておくことで、空気の通り道ができ、効率的に換気をすることができます。

 

栄養

 

体を洗った時に出る、皮脂や垢などはカビの栄養源となります。

 

洗い場の周辺の床はもちろん、泡で汚れも飛び散ってしまいますので壁にも皮脂や垢は付着します。

 

シャワーの水圧にもよりますが、立ったまま髪の毛や体を洗えばより高いところにまで汚れがつきます。

 

また、シャワーの流れる先である排水口の周辺は汚れが残りやすい場所です。

汚れはお湯のシャワーでしっかりと流しましょう

床や壁、洗面器や洗い場の椅子などの小物を含めて浴室全体にお湯のシャワーをかけ、飛び散った汚れを洗い流すことで、栄養源となるものを流してしまいます。

 

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そして、汚れはお湯のシャワーをかけただけでは完全に落としきることができないため、少なくとも週に1回程度は浴室用の洗剤を使って汚れを落とすことが大切です。

 

床は、四隅や排水溝の付近、滑り止めに刻まれている溝に汚れが溜まりやすくなってしまいます。

 

浴室用の洗剤をかけ、浴室用のブラシを使って磨くことでしっかり落とします。

 

壁はスプレータイプの浴室用洗剤を使い、やわらかいスポンジで擦ります。

 

カビの防止剤

 

カビの胞子はなかなか目に見えないため、コロニーを形成する前はどこにあるのかわからないのでピンポイントでの対処は難しいです。

 

例えば浴室用の防カビ燻煙剤を使うと、カビに対する除菌成分を含んだ煙が浴室全体に行き渡って、浴室をまるごと除菌できます。

 

ライオン株式会社から出ている「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」は、銀イオンを含んだ煙が、天井から換気扇の裏など普段の掃除では届きにくい場所にまで行き渡り、カビの原因菌をまるごと除菌してくれます。

 

クロカビを増殖前におさえて、コロニーの発生を防ぎます。

 

使い方は簡単で、水をいれて床に置くだけで煙が発生します。

 

その後約1時間半放置し、洗い流さずに、30分ほど換気をします。

 

換気後は、そのままお風呂に入ることができます。

 

小物やお風呂場のオモチャ等も片付けずに、一緒に除菌することができます。

 

また、お風呂が濡れたままの状態でも使用でき、換気後すぐに浴室内を濡らしたり他の掃除を行っても、効果に影響はありません。

 

この燻煙剤による防カビ効果は約2ヶ月間持続します。

 

日々のちょっとした工夫でカビが生えにくい環境にし、カビ取り掃除を行う手間から解放されましょう。

 

 

カビ取りのコツとは?

 

 

では、もしカビが生えてしまえばどうすればよいのでしょうか。

 

もちろん掃除をしなければ、カビを落とすことはできません。

カビ取り掃除は、浴室内が乾いた状態で行いましょう

 

濡れている状態で、カビ取り剤を使ってしまうと、有効成分が薄まってしまいます。

 

カビ取り剤を安全に使うために

 

カビ取り専用の洗剤はその多くがカビに有効な塩素系漂白剤を主流としています。

 

安全に使うためにゴム手袋やメガネ、マスクなどを装着して体内に入らないようにします。

そして、目より高いところにカビ取り剤をスプレーしてしまうと目に入ったり、口や鼻から吸い込んだりと危険です。

 

また換気が不十分な場合、浴室内に塩素が充満してしまいますので、カビ取り掃除をする際は十分な換気を行いながらするのが基本です。

 

スプレーする際は、しっかり引いてスプレーしましょう。弱い力でスプレーすると、液がたれやすく、密着しにくいことがあります。

 

また、塩素系の洗剤はほかの洗剤と混ざることで、有害な塩素ガスが発生してしまうことがあります。

 

ですので、決して混ざったりしないよう、単独で使いましょう。

 

カビ掃除のコツ

 

カビが付着している部分に15cmほど離れた場所からカビ取り剤を直接スプレーします。

 

十分にカビに洗剤がついたら、こすらずに数分間放置します。

 

カビをこすってしまうと、菌糸が目地などの奥に入り込み余計に落としにくくなってしまいます。

 

特にこびりついてしまってなかなか落ちそうにないカビには、スプレー後、ラップなどを使いパッキングしてしまいましょう。

 

パックをすることで、カビから空気を遮断することができます。

 

半日程度、空気から遮断することでクロカビを死滅させることができます。

 

ラップを外し、シャワーで洗い流すことでクロカビを落とすことができます。

 

また、パックをすることで液だれしやすい壁などの垂直面にも使うことができます。

 

 

天井のカビ取りを行うために

 

 

市販のカビ取り剤は、目より高い場所に使わないことという注意書きがあるかと思います。

 

ですが、天井はカビが生えやすい場所でもあります。

 

どう掃除すればよいのでしょうか。

 

天井掃除の準備

 

まず、自分の身を守る必要があります。

 

通常のカビ取りと同じように、浴室の窓やドアを開け換気をします。

 

換気扇がついていれば回しましょう。

 

換気扇がなければ、扇風機などで空気を循環させてあげます。

 

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万が一洗剤が落ちてきた場合を考え、色落ちしても問題ない衣類を身に着けます。

 

衣類はなるべく長袖・長ズボンで肌の露出をできる限り減らしましょう。

 

できれば、その上からフードがついたカッパなどを身につけます。

 

手の保護のためにもゴム手袋をつけましょう。

 

カビ取り用の洗剤が降りかかりやすいのは頭部と顔です。

 

帽子や、水泳用のゴーグル、マスクをつけ、守りましょう。

 

どんな洗剤を使えばいいの?

 

浴室のカビ取り剤はおおまかに3種類のタイプがあります。

 

スプレータイプは一度に広範囲のカビに対して効果的に塗布することができます。

 

しかし、洗剤は霧状に出てきます。

 

天井に向かって吹き付けることで、洗剤は体全体にかかってしまったり鼻や口などの呼吸器から吸いこむ可能性が高いです。

 

天井の掃除をする時は直接吹きかけるのではなく、雑巾やペーパータオルなどに吹きかけ掃除しましょう。

 

液体タイプは歯ブラシなどを使って塗るタイプの洗剤です。

 

直接手で触れるものですので、必ずゴム手袋をつけてから掃除をしましょう。

 

また、液体ですので水滴となった洗剤が垂れてきて衣類についてしまうと、その部分が脱色されてしまいます。

 

特に液体タイプの洗剤で天井のカビを掃除する時は、色落ちしてもよい服装で行いましょう。

 

ジェルタイプの洗剤は、液体タイプと同じくハケなどを使って塗るタイプの洗剤です。

 

液体タイプと異なる点は、下に落ちにくいという特徴を持つ点です。

 

さらに、カビ取り力に優れているメリットを持ちます。

 

ですが、デメリットとして価格が高くなってしまうことが挙げられます。

 

また、落ちにくいというメリットはありますが、絶対にジェルが落ちてこないというものではありません。

 

こちらのタイプを用いる場合でも、マスクやメガネなどで防護しましょう。

 

 

パッキンの掃除のために

 

 

ゴムパッキンは材質がゴムですので、柔らかく傷がつきやすくなっています。

 

通常の浴室掃除の際などにブラシなどでこすり洗いをしてしまうと、目には見えない無数の細かい傷がついてしまいます。

 

その細かな傷に垢や水分が入り込むことで、カビの増殖しやすい環境になり爆発的に増えてしまいます。

 

また、カビを放置してしまうと、カビは表面から奥の方まで根を広げてしまいます

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そこまでカビが広がってしまうとなかなか落ちなくなってしまうのです。

 

どんな洗剤を使えばいいの?

 

使うのは、スプレータイプのカビ取り剤で構いません。

 

ティッシュなどにカビ取り剤をつけ、パッキン周りに密着させます。

 

さらにラップなどでより密着させ、カビ取り剤が蒸発しないようにします。

 

数時間放置したあと、洗い流します。

 

酢と重曹を使う

 

洗剤はどうしても塩素系のものが多く、人体に悪影響を与えることもあります。

 

ですので、酢や重曹を使うことでより安全に掃除をすることができます。

まず、酢水を作ります。

 

酢1に対して水1~4で希釈し、スプレーボトルなどに入れて十分に混ぜ合わせます。

 

パッキンのクロカビ部分にスプレーし、蒸発を防ぐために、ラップなどを使って極力蒸発を防ぎましょう。

 

数時間放置し、歯ブラシなどを使ってゴムパッキンに傷がつかないように丁寧にカビを取り除きます。

 

もし、まだカビが取り除けない場合は酢水をかけた後に重曹をすり込みます。

 

酢と重曹が反応することで二酸化炭素が発生し、よりカビ取り効果を高めます。

 

二酸化炭素は空気中にもあるものですので、人体に悪影響のないものです。

 

1時間ほど放置したら再度歯ブラシなどで丁寧にカビを取り除き、洗い流します。

 

乾燥を十分に行い、カビがそれ以上増殖しないようにします。

 

 

まとめ

 

 

浴室のカビ掃除は、まずカビが生えないようにしておくことが重要です。

 

湿度や室温が上がりすぎないようにしましょう。

 

また、日常の生活において汚れが溜まりすぎないように丁寧に掃除します。

 

万が一、カビが生えてしまったらなるべく早くカビ取りをしましょう。

 

洗剤を使う以外にも、酢や重曹などで落とすこともできます。

 

カビ取りが終わったら、あらたにカビが生えないように乾燥に努めましょう。