スーパーや魚屋で売っている状態の魚や買ってきたばかりの魚には、そんなに生臭さは気にならないような気がしますが、魚を料理すると生臭さが手に残って不快な気持ちになることがあります。

魚を料理した時に生臭さを消す方法にはどのような方法があるのか紹介します。

 


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魚をさばくと手が生臭くなる原因は?

 

 

生きている魚や冷凍されている魚の場合はあまり生臭さは気になりません。気温が高い場所に置いてある魚や、解凍してしばらくした魚になると、生臭さを強く感じるようになります。

生臭さの原因は雑菌です。魚に付着している雑菌が、温度が上がることにより繁殖するので生臭さを強く感じるようになるのです。

魚の筋肉や内臓、血液にはジメチルアミンという成分があります。ジメチルアミンは、魚本来の臭いの元となる成分で、細菌が繁殖するための栄養素となります。

魚の体内に含まれているジメチルアミンを栄養源にしながら、細菌は繁殖をしていきます。その際に、細菌はあらたにトリメチルアミンという臭いの成分を生み出します。

魚釣りで釣った魚を自宅に持ち帰ったり、魚屋やスーパーなどで魚を購入したりして、その魚を調理した時に生臭いと感じる原因はこのトリメチルアミンなのです。

生きている魚には細菌に対する免疫機能があるので、あまり生臭さを感じることはないでしょう。

 

 

しかし、魚を絞めると免疫機能の働きが停止するので、細菌の働きが活発になります。また、温度が上がると細菌の活動がより活発になります。

逆に温度が低くなれば、細菌の活動はおとなしくなります。魚を冷凍・冷蔵するとあまり生臭さが気にならなくなるのは、細菌が活発に活動しなくなるからです。

夏になると気温があがり、細菌の活動が活発になるため、魚が傷みやすくなります。その状態が進行すると魚は腐敗し始めます。

腐敗した魚の臭いは我慢できないほど臭いものです。とても食べられるものではありません。

したがって、魚を買ったり釣ったりしたら、なるべく早く新鮮なうちに調理をすることをおすすめします。

 


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しかし、どうしても調理の過程で魚の生臭さが手に残ってしまうことがあります。魚の生臭さを抑える方法と手に付いた魚の生臭さを落とす方法を紹介します。
刺身

 

 

オススメの対策は?

 

 

魚自身の生臭さに効果がある方法と、魚料理をして手に残ってしまった魚臭さを消す方法について説明します。

 

魚を料理する時の魚の生臭さを消す方法

 

魚の臭いの原因であるトリメチルアミンには、アルカリ性、揮発性、水溶性、といった特徴があります。この特徴を利用して、臭いを抑える方法を試してみましょう。

昔からある伝統的な魚の料理方法で振り塩と呼ばれる下ごしらえの方法があります。魚に塩を振り掛けることで身が締まり、余計な水分を染み出す方法です。

水分と一緒に臭い成分も排出されます。水分はキッチンペーパーなどで拭き取ってきましょう。

 

 

魚の種類によって塩を振って置いておく時間は異なります。白身魚は10分から20分くらい、青魚は20分から30分くらい、と言われています。

塩を振ってから、あまり長く置いておくと魚からうまみ成分まで出ていってしまうので、注意して下さい。

熱湯

塩と同様に熱湯も伝統的な魚の臭み取りの方法です。

トリメチルアミンは水に溶ける性質があるので、80度くらいのお湯を魚にかけたり、お湯に魚を潜らせたりすると、生臭さを抑えることができます。

 


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その後で冷たい水に魚を漬けて、身を締めましょう。お湯の中に放置しておくと生臭さが残ってしまうので、お湯か魚の身を動かすようにしましょう。

酢水

トリメチルアミンはアルカリ性なので、酸性の酢水と中和して魚の生臭さを消してしまう方法です。

ボウルに水と酢小さじ2杯を混ぜて酢水を作ります。そこに魚の身を潜らせると生臭さを消すことができます。

ボウルの大きさに合わせて切り身にしてから処理することもおすすめです。酢水に潜らした魚はキッチンペーパーでしっかり水気を拭き取ってください。

酒に含まれているアルコール分が蒸発する時に魚の生臭さも一緒に飛ばしてくれます。塩や熱湯と同様に、この方法も昔からよく使われている方法です。

アルコールには、魚の身を柔らかくする効果もあります。

牛乳・ヨーグルト

牛乳やヨーグルトを使うと魚の生臭さを消すことができます。牛乳にはカゼインというたんぱく質が含まれていて、このカゼインには臭いの成分を付着させる性質があります。

ヨーグルトにも牛乳と同じ成分が含まれているうえに酸性の食品なので、トリメチルアミンを減少させる効果もあります。

 

 

牛乳には10分くらい、ヨーグルトには一晩、それぞれ魚を漬け込むことで、生臭さを消すことができるでしょう。

レモン・すだち・かぼす

魚の切り身にレモンなどの柑橘類の果汁を振りかけておくと生臭さを消してくれます。魚の身の色が変わるくらいまで置いておくと効果的です。

 

手に残った魚の生臭さを消す方法

 

魚料理をして手に付いてしまった生臭さは、普通に石鹸で洗ってもなかなか消えないものです。

 

 

手に生臭さが残っていると、サラダなどの生野菜を触るのも嫌になってしまいますし、衛生的にも不安になってしまうでしょう。

手に残ってしまった魚の生臭さを消す便利な方法を紹介します。

柑橘類の皮

すだち
柑橘類の皮で魚を触った手を拭くようにすると生臭さは消えます。レモンなどの柑橘類の皮には殺菌作用があるので、手に残っている雑菌を消してくれます。

 


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柑橘類の成分が含まれたハンドソープにも、魚の生臭さを洗い流してくれる効果を期待することができます。

魚の身に塩を振るのと同様に、手に塩をすり込むようにすると魚の生臭さを消す効果があります。食用塩である必要はありません。

粗塩でも全く問題はありませんので、粗塩を手に揉み込むと、驚くほど早く魚の生臭さを消すことができます。

魚の生臭さを消すのに酢水が効果的だと上記で説明しましたが、同様に酢で手を洗うと魚の生臭さを消すことができます。

ただし、酢をそのまま使うと酢の臭いが取れなくなってしまうので、2倍くらいに水で薄めた酢を使うようにしましょう。

酢水の中で手を洗って、生臭さが取れたら、真水で酢水をよく洗い落とすことが大切です。

コーヒー豆のカス

コーヒーを入れる際に出るコーヒー豆のカスには殺菌効果があります。

コーヒー豆のカスを手のひらに揉み込むようにした後に、水で洗い流すと嫌な魚の臭いがスッキリと落ちてしまいます。

コーヒー豆のカスの代わりにお茶の葉でも構いません。どちらも乾燥していると臭いを吸収せず、効果がありませんので、湿っているものを使って下さい。

 

 

コーヒー

歯磨き粉

歯磨き粉には殺菌・防臭効果があります。手に魚の生臭さが残ってしまった場合には、歯磨き粉で手を洗うと効果的です。

歯磨き粉を使う方法は魚だけではなく、たまねぎやニンニクの臭いを取る時にも使える方法です。

ステンレス製の石鹸

ステンレス製の石鹸というのもがあり、この石鹸には魚の生臭さを取ってくれる効果があります。ステンレス製の石鹸は水に濡れると金属イオンを発生させます。

金属イオンには殺菌効果があるため、生臭さの原因である雑菌を死滅させることができるのです。キッチンの水道の蛇口などを触っても効果があると言われています。

ステンレス製の石鹸は、100円均一ショップなどでも売られていますので、キッチンに備えておくと便利かもしれません。