あなたの家のキッチンにはどんな調味料があるでしょうか。
ほとんど料理をしないという方のキッチンであっても「塩」はあるという方は少なくないかもしれませんね。
市販のお惣菜や冷凍食品ばかり買っているという方も、塩があれば自分の好みの味に調整することができます。
ですが、あまり塩を使わないという方は、ある日使おうとしたら塩が固まっていたという経験はありませんか?
小さな穴が空いた、そのままふりかけることの出来る塩の小瓶などを使っている方は、その出口に固まった塩が詰まり、ストレスを感じることもあるかもしれません。
今回は、その塩の固まりを防ぐコツや戻す方法をご紹介します。
塩が固まる理由は?予防するには?
塩が固まるとやっかいですよね。
使いたい時に思うように使えないと料理の手順が狂ったり、余計なひと手間がかかったりとストレスになります。
塩が固まってしまってからほぐすより、できれば固まる前に対策したいものですね。
塩が固まる理由とは
なぜ塩は固まってしまうのでしょうか。
塩を含めた調味料類は、もともとさらさらとしているものがほとんどです。
ですが、そういったものは大気中の湿度を吸収しやすいものです。
そのままでしたら、隣の粒子とくっついてしまいます。
その後、湿度が下がるとくっついたまま水分が抜け、結晶化してしまいます。
これが、塩の固まりの原因です。
湿気た塩が再び中途半端に乾燥することで、塩が固まりになってしまうのです。
では、どういう風に対策しておけば塩は固まらないのでしょうか。
基本的には塩は乾燥していれば固まることはありません。
乾燥させてやる
お菓子などについている小さな乾燥剤、見たことがある方の方が多いことでしょう。
乾燥剤は、周囲の湿度を吸収し、大気中を乾燥させます。
これによって乾燥させてやれば、塩が固まらない程度に湿度を保つことができます。
また、パンやお米、パスタなどを塩と一緒に入れておくとよいでしょう。
これらは、塩や大気中の湿気を吸い取る効果があります。
特にこの中でおすすめなのは「炒った米」です。
飲食店の塩の中に、炒り米が混ぜてあるのを見たことはありませんか?
お米、特に炒り米はよく水分を吸収します。
また、炒り米のいいところは長期保存可能なところです。
もともと炒り米は昔から伝わる保存食として有名です。
状態にもよりますが、数年程度は塩と一緒にいれておいても安全です。
その際は保存容器として、振った時に炒り米が一緒に出てしまわないように、小さな出口のものを選ぶとよいでしょう。
その他にもつまようじは、湿気を吸い取るものとしてよく知られています。
木でできたつまようじは、吸水性能があり、大気中や塩についてしまった湿気を取り除くことができます。
ですが、そのままでしたら振った時につまようじが飛び出すこともあります。
ですので、先の方を折り曲げてから入れておくと、飛び出しを予防することができます。
最近はやっている珪藻土というものは聞いたことがあるでしょうか。
珪藻土はバスマットにも使われるほど、湿気を吸収するのに優れたものです。
珪藻土は藻が化石化したものです。
そのために、食品に使っても安全な素材です。
小さな乾燥剤として売られている珪藻土もありますし、珪藻土で作られた計量スプーンもあります。
用途に合わせて使い分けするといいですね。
珪藻土があまり湿気を吸わなくなってしまったらレンジで乾燥させると再び使うことができますよ。
炒り米の簡単な作り方
炒り米は1度作ればしばらく使うことができます。
基本的には、食卓用の食塩瓶の大きさで5〜10粒ほど入れておくと十分に湿気を吸い取ってくれます。
もちろん多くても困るものではありませんので、お好きな量を入れればよいでしょう。
使うものは生米です。
洗っても洗わなくても構いません。
洗った場合は、よく乾燥させてから使ってください。
また、できあがってすぐに塩の瓶に入れてしまうと、熱によって塩が溶けてしまうこともあります。
ですので、きちんと冷ましてから塩の瓶に入れましょう。
今回の作り方は、作りやすい生米小さじ1/2でご紹介します。
フライパンで炒り米を作る際は、生米を広げて入れます。
弱火〜中火で、よく揺すりながら炒めていきます。
最初は熱変化で白くなりますが、そのまま炒め続けると、きつね色になっていきます。
きれいなきつね色になったら火からおろし、キッチンペーパーなどに広げてよく冷ましましょう。
電子レンジで作る際は、耐熱皿などに生米を広げておきます。
電子レンジに入れ、短時間ずつ温めます。
時々かき混ぜながら様子を見てきつね色になるまで加熱します。
500wで5分程度できつね色になります。
フライパンで作るより、かき混ぜ回数が少なくなりがちなので色ムラがでることがあるかもしれません。
ですが、十分に吸湿効果はあります。
こちらもきちんと冷ましてから塩の容器に入れましょう。
オーブントースターで炒り米を作る際は、アルミホイルに生米を広げます。
オーブントースターに入れて、なるべく低めのワット数で温めます。
時々かき混ぜながら様子を見て、きつね色になるまで加熱します。
600Wで7〜8分加熱することで、きれいなきつね色にすることができます。
高いワット数で温めてしまうと、一気に焦げついてしまうことがあります。
それを防ぐためにも必ず低いワット数で温めてください。
湿度を与えない
塩は保存する際に温度変化が大きいと、より湿度を吸収しやすくなってしまいます。
料理中に手間を省くためにコンロの付近に置いているという方は少なくないかもしれません。
ですが、お湯を沸かしたり湯気が出たりとコンロ付近は案外湿気がたまりやすい場所でもあります。
できればコンロからは離した場所に保存しておくとよいでしょう。
また、冷蔵庫で調味料類を保存している方もいるかもしれません。
使う時に冷蔵庫から取り出すと、温度変化により保存容器内が結露してしまいます。
この結露が湿気る原因になってしまいます。
ですので、塩を保存する際はなるべく温度変化のない冷暗所に置いておくとよいでしょう。
また、保存容器はガラス瓶をおすすめします。
ガラス瓶は他の容器に比べて、湿気を中に取り入れにくくなっています。
蓋がついている容器でしたら、使う時だけ蓋を開け、使い終わったらすぐに蓋を閉めるとなるべく外気の湿気を吸わずにすみます。
元にもどすにはどうしたらよい?
1度固まってしまった塩はどうすればいいのでしょうか。
量が少なければそのまま捨ててしまうという方もいるかもしれません。
ですが、もったいないとは思いませんか?
少しの手間をかけることで、塩を元の状態に戻すことができます。
塩についてしまった湿気を取り除くことで、塩はさらさらとした状態になります。
電子レンジを使う
固まってしまった塩を耐熱容器に入れます。
そのままラップをせずに電子レンジで加熱します。
加熱時間は塩の量にあわせますが、少量でしたら30秒程度で構いません。
また、量が多くなるにつれ加熱時間は伸ばしますが、30秒ほど温めて、まだ固まりがあるようでしたら再加熱という形をとるとよいでしょう。
フライパンを使う
固まってしまった塩をフライパンで炒ることで、水分を飛ばすことができます。
あらかじめ買った時に軽くフライパンで炒ることで、固まりの予防をすることもできます。
こちらも、様子を見ながら加熱時間を決めるとよいでしょう。
熱で溶けてしまうことがあるので、なるべく弱火で炒ることをおすすめします。
吸湿する
予防方法でもお話しましたが、食パンやパスタ、炒り米を入れておくと塩にたまった湿気を吸い取りますので、元の状態に戻すことができます。
1~2日程度と時間はかかりますが、手間をかけずに元の状態に戻ります。
大きめの容器でしたら炒り米よりパスタやマカロニ類をおすすめします。
もともと乾燥しているものですので、よく湿気を吸い取ってくれます。
また、ほかの容器に移す際にも、マカロニでしたら大きいので取り除くことも簡単です。
大きな塊になってしまったら
固まりが大きくなってしまうと、上記の方法で湿度をとるのは難しいかもしれません。
その時は、あえて1度塩を溶かしてしまいましょう。
水やお湯で塩の固まりを溶かして、そのままその塩水を煮詰めて再びさらさらの塩の状態に戻します。
これで、元の売られている状態の塩に戻すことができます。
その後は再び固まってしまわないように予防方法でも紹介した、塩に湿気を与えない方法を使っておくとさらさらの状態が長持ちします。
まとめ
塩は温度変化により、固まりやすくなってしまいます。
保存する際は冷暗所に置き、なるべく温度変化が少ないような環境にしておきましょう。
余計に湿度を吸ってしまわないよう、普段よく使うものはガラス瓶の容器を選び、使う時だけ蓋を開けるようにするとよいでしょう。
保存容器には湿気をよく吸い取る炒り米などを一緒にいれておくと、より長くさらさらの状態を保つことができます。
固まってしまった場合も、湿気を飛ばしてやることで簡単にほぐすことができます。
大きな塊になってしまったら、1度溶かして再び結晶化させてやることで元の状態に戻すことができますよ。