あなたのご自宅では、カーペットを敷いている部屋はあるでしょうか。
リビングなどのフローリングはもちろん、最近では畳の上にもカーペットを敷いているという方もいるでしょう。
ですが、そのカーペットのにおいを嗅ぐことはできますか?
カーペットは臭くなりやすい家具のひとつです。ご家族全員が常にスリッパを履いており、カーペットの上もスリッパを履いたまま歩く方はそこまで気にならないかもしれません。ですが、カーペットの上では裸足になるという方も少なくはありません。
特に小さなお子さんがいる家庭では、常に裸足という子供も多いことでしょう。
実は、人が歩き回ることの多いカーペットは足のにおいなどが移り、臭くなりやすいのです。
今回の記事では、カーペットが臭くなってしまう原因とその対策をご紹介します。
また、掃除のコツやにおい取りについてもあわせてご紹介します。
カーペットが臭う原因は?
小さなスペースだけを覆うカーペットであればまだしも、部屋中を覆うタイプのカーペットは、1度敷いてしまうとなかなかあげる機会は少ないでしょう。
特に、リビングなどに敷くカーペットは、机などの大型の家具を置くことが多いです。
それをいちいち退けて、カーペットを丸洗いというのはなかなか難しいことかもしれません。
まずは、なぜカーペットが臭うのかを知り、そのにおいの原因を絶つというのが1番の対策です。
汗が原因
まず、原因として挙げられるのは汗臭さです。
特に夏になるとカーペットが臭い気がする場合は、汗が原因であることが多いです。
ですが、汗というのは基本的には無臭です。
汗は、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の分泌腺から出ます。
普段汗をかくときは、さらさらとした汗でエクリン腺から出る無臭の汗です。
アポクリン腺とは、体の特定の部位にのみある汗腺です。
わかりやすい場所でいえば、脇の下にあるのがこのアポクリン腺ですね。
ここから出る汗は、甘酸っぱいようなにおいが分泌時からついており、いわゆるワキガの原因となるものです。
夏は足の裏にも汗をかきます。ですが、足の裏にはアポクリン腺はありません。
そのため、カーペットに足のにおいがうつる原因としては単純に汗をかいた足でカーペットを歩いているからというわけではありません。
カーペットには、人の汗を栄養として増殖する菌がいます。
この雑菌の増殖がにおいの発生原因となるのです。
さらに、人の汗だけがにおいの原因となるわけではありません。
歩いている時に足の裏やスリッパの裏に、チリやホコリ、カビ、ダニなどが付着します。
それらも臭いの原因となることがあります。
特に梅雨時など湿度と温度の高い季節は雑菌の繁殖力が高くなるので注意が必要です。
ですが、最近では住宅の機密性があがったこと、暖房器具や加湿器の普及化により、真冬でも雑菌の繁殖が起こりえます。
ですので、注意が必要なのはオールシーズンとも言えるでしょう。
栄養源が原因
普段はカーペットの上に寝そべっているという方は少なくはないでしょう。
そのときに、お菓子を食べたりしていませんか。
そうではなくても、食事の際に食べこぼしをしたり、飲み物などをこぼしてしまうと雑菌やカビの繁殖条件である栄養をカーペットに与えてしまうことになります。
また、それらの食べこぼしが雑菌などの繁殖条件である栄養源とならなくても、こぼしたもの自体のにおいがついてしまうということは有り得ることです。
なぜカーペットはにおいやすいか
人間がなにかを感覚するときは、閾値(しきいち)と呼ばれるものが関係してきます。
この閾値を超えるとはじめて、脳が感覚として感じます。
わかりやすい例でいえば、音でしょうか。
非常に小さな、つまり閾値以下の音はたとえ鳴っていたとしても聞こえるとは認識できません。
その音が大きくなり、閾値以上になった時、はじめて音として認識できるのです。
においには、におい分子と呼ばれるものがあります。
このにおい分子が、鼻の中にあるにおいを検知する器官につくことで、においがあり、それがどんなにおいなのかを認識できます。
においの閾値は、においの分子量に相当します。
ですので、においが吸着していればにおいやすくなります。
フローリングに比べて、カーペットは繊維質ですので、におい分子がより多く吸着します。
そのため、カーペットはにおいやすいのです。
掃除で臭いはとれる?
1度においがついてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。
小さければ洗いやすいかもしれませんが、大きいカーペットだと洗うのも難しければ、捨てて買い換えるというのも難しいでしょう。
可能であれば定期的に天日干しをするのが1番の対策方法です。
ですが、大きいカーペットを何度も天日干しするのはあまり容易なことではありません。
ですので、カーペットに行える簡単なにおい取り方法をご紹介します。
汗臭いにおいなら
足の裏の汗は、皮脂や角質が含まれています。
雑菌が繁殖して汗と混じった皮脂や角質を分解するときに、3-メチルブタン酸が発生します。
この3-メチルブタン酸は別名イソ吉草酸とも呼ばれる低級脂肪酸で、刺激臭があります。
3-メチルブタン酸は弱酸性を示す物質です。
ですので、弱アルカリ性の重曹で中和してやることでにおいを抑えることができます。粉末状の重曹をカーペット全体に振りかけて、しばらく放置します。
最後に掃除機をかけて重曹を吸い取ります。
カーペットの毛足が長い場合は、そのまま振りかけるだけでは、なかなか奥にまで届きません。
その場合は、ほうきや柔らかいブラシを使ってカーペットの奥にまで重曹を馴染ませてください。
汚れが酷い場合は、重曹水を作ってスプレーします。
そのまま放置するとカビや雑菌の繁殖原因となる水分となってしまいますので、必ず拭き取って下さい。
カビ臭いにおいなら
カビの場合は、消毒するのが1番です。
乾拭きではカビを広げてしまい、水拭きではカビに水分を与えることになりますので、必ず消毒用エタノールなどを使いましょう。
全体にまんべんなく吹き付けることで、消毒することができます。
その後乾いた布で乾拭きしてやります。
定期的に行うことで、カビの増殖も抑えられるのでおすすめの方法です。
普段から行える対策方法
栄養源や、温度・湿度が繁殖に大きく関わってきます。
つまり、その条件を取り除いてやることで雑菌の繁殖、ひいてはにおいの発生を抑えることができます。
食べこぼししやすいものはカーペットの上では食べないようにすると、栄養源を減らすことができますね。
また、カーペットを敷いている部屋を換気し、空気が滞留しないようにすると湿度をおさえ、風通しをよくすることができます。除湿剤などを置いておくというのも対策の一貫ですね。
まとめ
カーペットは、その特性上他のものからにおいが移りやすいものです。
ですが、丸洗いするというのはそう容易なものではありません。
その時は、カーペットの上から掃除をしてしまいましょう。
においの原因として、汗による雑菌の繁殖やカビの繁殖が考えられます。
まずは、汗のにおいを落とすために、重曹で掃除します。
その後、消毒用のエタノールなどをつかい、カビや雑菌を消毒してしまいましょう。
同じく、酢をつかって除菌することもできますが、エタノールに比べて揮発性が高くないので、必ず終わったあとに乾拭きをし水分を取り除きます。
もし、カーペットを天日干しできるタイミングがあれば、可能な限り天日干しをすることをおすすめします。
カーペットをはがした際は、そのままフローリングや畳も除菌・消臭すると雑菌やカビの繁殖を抑えることができます。