土用の丑の日という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。

 

昔から、土用の丑の日に「う」のつくものを食べることで夏バテを防止することができると言われています。

 

その中でもうなぎを食べるのはもう習慣化しているといっても過言ではありません。


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暑くなってくると、お店にはうなぎの文字ののぼりが出現し、コンビニやスーパーなどでも土用の丑の日に合わせて特別なメニューが提供されます。

 

ですが、コンビニはまだしもお店でうなぎを食べると価格もそう安いものではありません。

 

安く済ませようと思えば、うなぎを買って自宅で焼くという方法でしょう。

 

ですが、家で調理するとなかなかお店と同じようなふんわりとした食感を出すことは難しいです。

 

今回の記事では、そんな調理方法が難しいウナギの簡単な温め方をご紹介します。

 

 

土用の丑の日とは

 

 

実は、夏の暑さを乗り切るために、うなぎという栄養価の高い食品を食べるという習慣は、万葉集にも詠まれているくらい古くから伝わる習慣です。

 

ですが、うなぎ土用の丑の日にうなぎを食べるという習慣は、安永・天明の頃ですので、1772年から1788年頃にかけて定着したと言われています。

 

近年では、栄養価の高い食品が増えたことや、それらを摂取することが当たり前になっている現代日本では、エネルギーやビタミンなどが不足することによって夏バテになる可能性は低いとされています。

 

しかし、栄養価の高いものを口にする機会の少ない昔は、決まった日には栄養価の高いものを食べるという習慣を作ることで夏バテの予防に一役買っていたのでしょう。

 

現代ではすたれてしまっている風習ですが当時は頭にうのついたものを口にするという風習でした。

 

瓜や梅干し、うどんといったものや、肉類でしたらウサギ肉、馬肉(うまにく)、牛肉(うしにく)も土用の丑の日に食べるものとされていました。

 

由来

 

由来はいろいろありますが一般的な説としては平賀源内が考案して広まったものがあります。

 

あまり売り上げがよくなかったうなぎ屋が平賀源内に相談したところ、「本日丑の日」と書いた紙を店先に貼るようにアドバイスしました。

 

すると、丑の日にうなぎを食べるといいと考えた人々がうなぎ屋に殺到しました。

 

ほかのうなぎ屋もそれを真似たことから、全国のうなぎ屋がこぞって真似しました。

 

それにより、土用の丑の日にはうなぎを食べるという習慣が全国に広まったとされています。

 

土用とは

 

土用は古代中国の自然哲学の思想である五行に由来している、暦の雑節のひとつです。

1年のうちに4回あり、立夏・立秋・立冬・立春の前の約18日間ずつが土用に当たります。


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一般的に土用と言われれば、立秋前の夏の土用を指すことが多いです。

 

夏の土用は暦の上で決められるため、7月19日から8月7日までのいずれかの日になり、年によっては2回あることがあります。

 

その場合は、2度目の丑の日を二の丑と呼びます。

 

ちょうど土用とは季節の変わり目に当たりますので、ただでさえ体調を崩しやすい時期です。

 

それに加え、夏の暑さでろくに食事もとらなければ命にかかわる事態を引き起こしかねませんでした。

 

ですので、土用の時期は特別に栄養価の高いものを食べるという習慣が生まれたと言われています。

 

うなぎの栄養価

 

うなぎを食べると体にいいということを聞いたことがある方は多いでしょうが、具体的にはどのくらいの栄養を含んでいるのでしょうか。

 

ウナギのかば焼きは、1本あたりおよそ100gです。

 

その1本の中に、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2が含まれています。

 

ビタミンAは、成人男性が必要とする1日量の全摂取量が含まれています。

 

また、ビタミンB1は1日の約7割、ビタミンB2も1日の必要量の半分が含まれています。

 

ビタミンAにより、目を健康的に保つことができます。

 

ビタミンB群も含まれているので、皮膚や粘膜といった体組織の修復が促進され、美容にも効果があります。

 

さらに、ビタミンB群のおかげで糖質を効率的にエネルギーに変えることができますので、ダイエットにも役立ちます。

 

また、サンマなどと同様にDHA・EPAも多く含まれているので、記憶力や判断力を高め、コレステロールを下げる効果も併せ持ちます。

 

 

うなぎを美味しく温めるためには

 

 

では、どうしてうなぎは自宅で焼くと固くなってしまうのでしょう。

 

実はうなぎには多量のコラーゲンが含まれています。

 

このコラーゲンが焼くことにより硬質化し、それが原因でうなぎの食感が固くなってしまうのです。

 

では、家庭ではどうやってふんわりと焼けばよいでしょうか。

 

フライパンを使う

 

フライパンを使って蒸し焼きにすることで、ふんわりと焼くことができます。


必要なものは緑茶です。

 

緑茶にはタンニンが多く含まれており、このタンニンの力によってコラーゲンが硬質化することを防ぎます。

 

もし、あらかじめタレがついているうなぎでしたら、焼く前に水やぬるま湯を使い落しておきましょう。

 

うなぎをフライパンに乗せ、うなぎが浸かるまで緑茶を注ぎます。

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その後、緑茶がなくなるまで煮込みます。

 

うなぎがフライパンにくっつくという方は、アルミホイルを敷いてその上に油を塗っておいても構いません。

 

緑茶は市販されているペットボトルのものが使いやすくおすすめです。

 

そのほか、タンニンが多く含まれているものでしたらそちらを使っても構いません。

 

トースターを使う

 

オーブントースターを使うことで、皮がパリッとした香ばしいうなぎに仕上げることができます。

 

まずは、うなぎが網にくっつかないようにアルミホイルを敷いて油を塗り、その上にうなぎを置きます。

 

蒸されるようにアルミホイルは上で閉じておきます。

 

あとは、140℃程度の低温で10分ほど焼いた後、一度アルミホイルを開き、180℃程度の高温で5分ほど焼きます。

 

低温でじっくりと蒸しながら焼くことで身はふんわりと、高温で短時間焼くことで皮はパリッと焼くことができます。

 

レンジを使う

 

電子レンジが家にないという方は少ないでしょう。

 

一人暮らしであっても重宝する家電です。

耐熱皿にうなぎを乗せ、その上から料理酒を大さじ1杯振りかけます。

 

うなぎの身が上にくるように置くことがコツです。

 

その上からラップをふんわりとかけます。

 

レンジで1分から2分程度温めます。

 

温めが終わってもまだ冷たかったら30秒ずつ追加しましょう。

 

温めすぎると、うなぎの身が固くなってしまいます。

 

炊飯器を使う

 

炊飯器を使う方法は、非常に簡単に温めることができます。


炊飯器から出る水蒸気を使うことで温める方法です。

 

うなぎをラップでふんわりと包み、すでに炊き終わったご飯の上に乗せるだけです。

 

炊飯器の蓋を閉じ、10分程度保温でうなぎをあたためます。

 

炊飯器の中は水分と温度がありますので、ふんわりとあたためることができます。

 

うなぎはご飯と一緒に食べることが多い食品ですので、わざわざフライパンなどを用意しなくてもすでに用意されていることが多い点も、炊飯器でのあたためをおすすめできる点です。

 

魚焼き用グリルを使う

 

魚焼きグリルがあれば、それを使うのが一番ふんわりと焼くことのできる方法です。

 

アルミホイルの上にうなぎがくっつかないように油をひきます。

 

うなぎを置いたら、大さじ1の料理酒を振りかけ、アルミホイルでうなぎを包みます。


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弱火から中火程度で5分ほど焼くと、うなぎが中までしっかりとあたたまり食感もよいままです。

 

 

関東と関西で焼き方が違う?

 

 

うなぎのかば焼きは、関東風と関西風の2種類に大きく分けられます。

 

関東風のうなぎは背開きで頭を落とし、竹串を使いながら蒸しながら白焼きにします。

 

一方で関西風のうなぎは腹開きで頭はついたまま焼き、最後に落とします。

 

金串を使いながら蒸さずに焼くのが特徴です。

 

もちろん、自宅でうなぎを温める際にも関東風・関西風に分けることができます。

 

共通の下処理

 

関東風は魚焼きグリルを使う方法が推奨されています。

 

関西風はフライパンを使う方法が向いています。

 

どちらの焼き方でも、市販のうなぎにたれがついている場合はまずタレを落とします。

 

うなぎをバットなどに入れ、やかんなどで沸かしたぬるま湯や水をかけてタレをとります。

 

タレが取れたら、すぐに引き上げ、水気をキッチンペーパーなどでとります。

 

関東風の焼き方

 

関東風であれば、アルミホイルにうなぎがくっつかないように油を塗り、うなぎを置きます。

 

上から大さじ1の酒を振りかけ、アルミホイルで包んだら弱火から中火で3分間蒸し焼きにします。

 

アルミホイルをいったん開き、身にたれを塗り、ホイルを開いたまま1分間グリルします。

 

関西風の焼き方

 

関西風であれば、フライパンに多めの油を入れ、1分間ほど強火で予熱します。

 

予熱が終わったら、うなぎの身を下にし、1分ほど揚げます。

 

身が焦げやすいので火加減や揚げ時間は調整してください。

 

裏返したら、皮の面を30秒ほど温めます。

 

キッチンペーパーで余分なあぶらをふき取れば完成です。

 

 

まとめ

 

 

栄養価の高いうなぎは、夏に食べたい食品の1つです。

 

ですが、家で焼くとお店と異なり身がカチカチになりやすいというデメリットがあります。

 

身が固まらないようにするためには、蒸し焼きにするほうが向いています。

 

あたためるときに簡単なひと手間を加えるだけで柔らかく蒸し焼きにできますので、試してみてはいかがでしょうか。