人懐っこい野良猫は頭や体を撫でてあげると嬉しそうに人間の後を追ってきたりするので、可愛いと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、中にはゴミ捨て場に捨ててあるゴミを荒らしたりして、迷惑な野良猫も結構いるのです。
また、猫アレルギーの人にとっては、野良猫を見ることすら嫌でしょう。
動物愛護が声高に叫ばれている状況ではありますが、野良猫が自宅近くに住み着く原因を説明して、駆除対策の方法を紹介します。
野良猫が自宅周りに住み着く・近寄る原因は?
野良猫が自宅の近くに住み着く原因は、猫ではなくそこに住んでいる人に原因があります。人間と同様に、猫は安心して住める場所に居着くものです。
そこに住んでいる人は優しい人で、野良猫を暴力的に追い払ったりはしない人なのでしょう。時には水や食事を与えているかもしれません。
野良猫にとって大切なのは、定期的に食べるものを手に入れることです。飼い猫であれば、決まった時間に餌が与えられるかもしれませんが、野良猫の場合は食事は死活問題です。
そこに、優しい人間が餌を与えてくれる場所があるのであれば、その場所を生活の拠点として野良猫は居着いてしまうでしょう。
そこにいる人間が危害を加えないことがわかれば、出産までしてしまう可能性があります。
つまり、野良猫が安心して生活できる環境があるから、そこに住み着いてしまうと考えられるのです。
きっかけとなるのは野良猫への餌やりです。人間にしてみれば、たった1回だけ餌をあげただけ、と考えているかもしれませんが、野良猫にしてみれば、もうそこは自分の家なのです。
一度餌をあげて、後はもう餌をあげなければ野良猫はあきらめて、その場所から出て行くだろう、と考えているとしたら、野良猫の習性を甘く見ているとしか思えません。
相手は野良猫なので、もし自分の家(だと野良猫が思い込んでいる場所)で餌がもらえなくても、他の場所で自力で食べ物は調達してきます。
そして、夜になれば自分の家に帰らなければ、となりますので、戻ってくるのです。
このように、野良猫が自宅に住み着く理由は、家の誰かが食べ物を野良猫に与えた可能性が高いと考えられます。
自宅に住んでいるだけであれば、と考えたあなたはやっぱり優しい人かもしれません。野良猫は、前述したように、ゴミを散らかしたりするだけではありません。
もし食べ物を与えているのであれば、餌代はかかりますし、子猫を出産すればさらに費用と手間はかかります。
発情期の猫の鳴き声はちょっとした騒音になりますし、近所に糞をしたりすれば問題にもなります。
もう面倒は見れない、と思ったところで、野良猫には通じません。人間が、あなた(野良猫)の面倒はもう見ません、と言ったところで、野良猫にしてみればどこ吹く風です。
昔であれば、野良猫は袋に詰めて川に流してしまったり、毒を食べさせて殺してしまったり、車に乗せて遠くに捨ててしまったり、ということが(残酷ですが)実際にありました。
しかし、現在では法律(動物愛護管理法)で、野良猫への虐待は違法とみなされて、捕まってしまう可能性があります。
動物愛護管理法44条では、野良猫を含む猫を愛護動物として、
「みだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。」
としています。
本来、動物愛護管理法は、家猫(家で飼われている飼い猫)を対象としており、野良猫は鳥獣保護法の対象と考えられていたこともありましたが、鳥獣保護法は種の保存に重きを置いている法律なので野良猫には馴染みません。
したがって、現在では、法の趣旨に鑑みて、動物愛護管理法で野良猫への虐待は取り締まり対象となっているのです。
個人での野良猫への対応が難しい場合には、行政や自治体に依頼するしかありません。保健所では、野良猫を捕まえて処分をしています。
最近では殺処分に対する世間の声が厳しくなっていることもあり、里親制度などを使って、野良犬や野良猫の譲渡会などを開催している自治体も増えています。
しかし、実体としては、全ての自治体で全ての野良猫などの譲渡ができるわけではなく、殺処分が行われている、という現実があります。
野良猫を自宅に近付けないために、自治体に対応をお願いするということは、このような悲しい現実が発生するために、野良猫には困っていても保健所には連絡できない、という人もいるのです。
駆除対策にオススメのグッズは?
野良猫の駆除対策は、前述したように、保健所に依頼して本格的に対応する方法もありますが、とりあえずは自宅に野良猫が近寄らないようにする方法を紹介しましょう。
超音波
ちょっとお金がかかってしまうかもしれませんが、猫が嫌がる超音波を出すグッズがあります。
このグッズには猫を近寄らせない効果がありますので、危害を加えることなく、野良猫を撃退することができるので、あまり心を痛めることなく使うことができるのではないでしょうか。
コーヒー滓(かす)
猫はコーヒーの匂いが苦手のようです。インスタントコーヒーの臭いにはあまり効果はないようですが、コーヒー豆を挽いた残り滓の匂いには猫が近寄らない効果があります。
コーヒー滓を庭に撒いておくと野良猫は近付かなくなります。自宅であまりコーヒーを飲まない人は、近所の喫茶店やコンビニなどで捨てるコーヒー滓をもらってくるとよいでしょう。
また、コーヒー滓には、アリやナメクジ除けの効果もありますので、利用してみてはいかがでしょうか。
ハーブ
猫が嫌う匂いを出すハーブを庭や玄関先などに植えておくと猫が近寄らなくなります。ホームセンターなどで、猫除け草などとして売られているものを利用してもよいでしょう。
トゲトゲ
100円均一ショップなどで、プラスチックでできたトゲトゲの物体を売っていますが、これを塀などに並べて置いて、猫除けにしている人もいます。
しかし、このトゲトゲには、あまり猫の撃退効果はありません。思っているよりも猫の肉球は丈夫で、トゲトゲが痛くて歩くことができないということはありません。
強いて言えば、若干歩きにくいと感じるくらいで、トゲトゲに劇的な撃退効果はないと考えて良いでしょう。慣れている猫は平気でトゲトゲの上を歩いています。
重曹
重曹に関しては、野良猫を撃退するための道具というよりは、野良猫の糞尿対策のグッズと言った方が良いでしょう。
猫を飼ったことがある人は良くわかると思いますが、猫の尿は強烈な臭いがします。猫の尿は、自分の縄張りを示すマーキング行動として使われていますので、長時間強い臭いを発するようになっています。
自宅近辺で野良猫の尿の臭いがするのは避けたいものです。そこで、消臭効果のある重曹の出番となります。
重曹は薬局で販売されていますが、最近では100円均一ショップでも売られています。
重曹を使って猫の尿の匂いを消臭すると、猫自身も自分の縄張りだという意識がなくなりますので、いったんは野良猫が集まらなくなるかもしれません。
しかし、入り込みやすい場所であったり、野良猫の通り道だったりすると、重曹で招集してもまたマーキングされてしまいます。
他の撃退グッズと併用すると、効果が向上するものと考えられます。
水の入ったボトル
ペットボトルに水を入れたものを何本も、野良猫対策として玄関先や庭に置いている家を見かけたことはありませんか。
残念ですが、水の入ったペットボトルで野良猫が近寄らなくなる、というのは迷信のようなもので、まったく効果はありません。
その上に、見た目にも決して美しいものではないので、防災対策などの目的がないのであれば、なるべく止めた方がよいでしょう。