昔に比べると、学校の先生と家庭との関係はドライになってきていると言われますが、新学期の家庭訪問は、先生にとっても親にとっても重要なイベントであることには変わりがないようです。

そもそも家庭訪問とはどのような目的で行われるものなのでしょうか。家庭訪問をする理由と、その際に話すべき内容について説明します。
学校の椅子

 

 

家庭訪問の目的は?


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新学期が始まってしばらくすると、家庭訪問が始まります。子供から新しい先生やクラスの様子を聞いているでしょうが、どんな先生が担任なのか、親としては気になりますよね。

先生としても、どのような家庭の生徒なのかは気になっているはずです。学校では学年が上がると前年の担任の先生から生徒の情報が引き継がれるようになっています。

その情報を読めば、生徒に関するある程度の情報は把握できます。

 

 

しかし、実際にどのような家庭環境なのか、どのような親なのか、などは直接会って話した方がわかりやすいとも言えます。

家庭訪問の目的は、学校が生徒の家庭環境を把握するために実施されているものです。

例えば、親は子供が学校に行っていることに理解を示してサポートをしてるのか、祖父母や親、兄弟などの家族との仲は良いか、劣悪な環境に住んでいるようなことはないか、などを先生は確認します。

最近は子供に対する虐待行為が社会問題にもなっています。子供は妄信的に親のことを信じているケースもあり、外からでは虐待が行われていると気付くのは難しい場合があります。

 


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食事を与えない、洗濯をしない、暴力をふるう、といった物理的・身体的な虐待であれば外部からもわかりやすいのかもしれませんが、精神的な虐待(お前は拾ってきた子供だ、などと日常的に話すなど)の場合はわかりにくいと言えます。

子供に虐待をしているような親は、家庭訪問を嫌がります。場合によっては、無視して先生と会うことを拒否します。

このような場合には、虐待をはじめ、何らかの問題がその生徒の家庭には生じている可能性があると考えられるので、学校側も気を付けて対応する必要があります。

通常の家庭訪問では、普段の子供の生活の状態などに関して先生と親が情報交換をすることが目的ですが、家庭訪問には先生ではなく保健師によるものもあります。

保健師には行政保健師や産業保健師など、いくつか種類がありますが、ここで取り上げるのは学校保健師という仕事です。

学校保健師とは、養護教諭の資格を持ついわゆる「保健室の先生」のことです。学校保健師は公務員でもありますが、生徒や先生の健康状態を管理する仕事を担っています。

そして、衛生面に関する教育や指導、さらにいじめ問題やメンタル面での相談にも対応しています。最近の学校では、重要性が増している仕事と言えます。

担任の先生だけでは、虐待の状態を確認することが難しい場合があります。

そこで、学校保健師が担任の先生に同行して、正しい衛生管理が行われているかどうかを確認します。

そこで虐待につながる兆候を見つけることにより、事前に重大な問題が発生することを防いだり、場合によっては他の行政機関(児童相談所など)に相談して今後の対応を決めたりすることもあります。

つまり、学校からは普段見えていない家庭の問題を明らかにする一つの手段としても、家庭訪問の存在意義はあると考えられるのです。

本来は学校と家庭の相互理解の上に、生徒を健やかに育成するために家庭訪問は生かされるものですが、家庭訪問のチェック機能・監視機能のようなものが注目されていることは時代の流れなのでしょうか。
教室

 

 

よくされる質問は?

 

 

家庭訪問の際によくされる質問とはどのようなものなのでしょうか。

子供の成長によっても質問は変わってくると思われますが、小学校では普段の生活に関する質問が多くなるでしょうし、中学校では部活や進路に関する質問が中心になるでしょう。

 


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具体的な質問例について紹介しましょう。先生が一番行きたいことは学校生活についてでしょう。

毎日楽しそうに学校に通っていますか、学校であった出来事を家庭で話していますか、友達関係で心配していることはありませんか、といったことを質問されることがあるでしょう。

毎日明るく学校に楽しそうに通学しているということであれば、先生も心配なく生徒に接することができるでしょうし、親との会話も問題ないようであればよい環境で子供が育っていると感じるでしょう。

この質問に対して気になるようなことがあれば、注意が必要な家庭であり生徒であると思われても仕方がないでしょう。

逆に親から、「〇〇という点が心配です」という相談がある場合には、相談内容が深刻な場合は別途迅速に対応しなければならないケースもありますが、それだけ親が子供のことを気にかけているとも言えますので、安心材料のひとつとも言えます。

大切なことは子供の学校生活について親が知っていて親子で話していることです。次によく聞かれることは子供の生活習慣でしょう。

朝は何時に起きますか、夜は何時に寝ますか、勉強は何時間くらいしていますか、朝ごはんは食べていますか、放課後は何をしていますか、塾や習い事には通っていますか、などの質問です。

根掘り葉掘り子供のことを聞きたいわけではなくて、規則正しい生活習慣を身に付けているか、無理をさせていないか、などを確認するための質問です。

最近では夜遅くまでゲームをしたりして日常的に寝不足だったり、朝ごはんを抜いていて朝からぼーっとした状態で授業を受けたりしている子供も増えているようです。

もし問題があると、規則正しい生活習慣を身に付けさせるためには、家庭での教育も必要であることを先生から伝えられることになるでしょう。

一方、中学校の場合は非行につながる深夜徘徊などの行動がないかどうかを聞かれることもあります。

場合によっては、犯罪行為に関わる可能性もあるので、早い段階で家庭と学校で非行の芽を摘むようにする必要があります。

さらに中学校になると、家庭訪問の質問は勉強や受験のことが中心になっていきます。

具体的な進路相談は学校での個別面談で行われることになるのでしょうが、家庭訪問の際に伝えておいた方が良い情報は早めに先生にも共有しておいた方がよいでしょう。

例えば、親は高校に進学して欲しいのに本人が進学したくないと言っている、親は進学校に行ってほしいのに実業高校で技術を身に付けたいと言うことをきかない、などです。

親は子供の将来を考えて良かれと思ってアドバイスをしているのでしょうが、子供本人にしてみれば自分なりに考えての将来計画なのでしょう。

 


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先生としても対応が難しいテーマですが、第三者として冷静に客観的な話を親にも生徒にもすることが大切です。
修学旅行
次に考えられる質問は子供自身についてです。食事の好き嫌いはあるか、アレルギーはどうか、運動に関して気を付けることはないか、などです。

学校に通う時点で、アレルギーや運動できない状況などの重要な情報については学校に知らされているものと考えられますが、家庭訪問の際に再度きちんと確認するために尋ねられる内容です。

学校に共有しておきたい情報を再確認するためにも、このような質問は極めて重要だと認識しておきましょう。

最後に親自身に関する質問です。親としてどのような教育観を持っているのかを聞かれます。

最近では都会を中心に中学受験が盛んになっています。親として子供にどういった教育を受けさせたいのかを家庭訪問の前に、一度しっかりと考えてみてはいかがでしょうか。

単に偏差値の高い有名校に行かせたい、というのは親の単なる希望であって教育観とは異なります。

どういった教育が自分の子供には合っているのか、を考えることは親自身も見つめ直す機会となるでしょう。

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