気が付いたらまな板が黒ずんでいることはありませんか。その黒ずみはカビです。毎日食材を切るのに使っているまな板にカビが生えるなんて気持ち悪いですよね。
まな板にカビが生える原因と、カビの落とし方・取り方について説明します。
まな板にカビが生える原因は
カビが生えるためには、栄養分、湿度、温度、酸素が必要です。まな板が置いてあるキッチンはどの必要項目も備えていると考えられる場所です。
水回りなので湿気は十分ですし、まな板自体日に何度も水に触れる機会は多いので、十分な湿度があると考えられます。
キッチンは、家の中では少し室温が低い場所かもしれませんが、現在では屋内で料理をするのが当たり前なので、寒ければ暖房を暑ければ冷房を使うと思います。
基本的には1年中快適な温度が保たれている場所です。また、当然酸素については、なければ人間も生きていけませんので、台所は普通の空気の状態です。
問題は栄養分です。一般的にはまな板を使った場合にはきれいに洗うことが当然なので、まな板にカビが好む栄養分があるとは考えにくいでしょう。
しかし、まな板の表面をよく見れば気付くのですが、細かい傷が無数に付いています。包丁で食材を切る時に、まな板は少しずつ傷付けられているのです。
その細かい傷に、食材のカスのようなものが入り込んで取れなくなってしまうと、そこはカビにとって絶好の繁殖場所となります。
つまり、まな板にはカビが繁殖する最適な条件があてはまるのです。まな板にカビが生えると困ることは、前述した見栄え以外にもいくつかあります。
カビが生えたまな板で調理した食材を食べるということはカビを食べていることと同じです。カビの種類や食べた人の体調などによっては、大きな病気を発症させてしまう可能性があります。
特に呼吸器系の疾患がある人の場合は、命に関わることもあり得ます。また、カビアレルギーの人の場合は、皮膚病を発病させてしまう場合があります。
また、まな板のカビだけにとどまらず家の中のいろいろな場所にカビが移動してしまう可能性もあります。たかが「まな板のカビ」などと軽く考えて放っていると、取り返すのつかない事態にまで発展してしまうこともあるのです。
カビの取り方は?
まな板に生えたカビを取り除く方法を説明しますが、どのようなまな板でも同じ方法でカビが取り除けるわけではありません。まな板の素材ごとに方法が異なります。
木製のまな板はカビ以外にも黒ずみが発生することがあります。それは食材の鉄分が反応して黒くなってしまう場合です。
鉄分の黒ずみと黒カビの区別は難しいので、黒ずみを発見したらカビとみなして取り除いてしまいましょう。
木製のまな板は、木の香りがして気持ち良く料理ができる台所用品ですが、カビが発生しやすいまな板でもあります。
木製ということで金属の包丁に対しては弱く傷が付きやすいこと、濡れた場合にはなかなか乾きにくいこと、などが理由です。
また、カビ掃除をする際に薬剤等を使うと臭いや薬剤の成分が残りやすい素材でもあります。
木製のまな板のカビ防止には、日頃の取り扱いが重要です。使った後はしっかりと水洗いをしてきちんと乾かす、という基本的な掃除をすることが大切です。
それでもカビが生えてしまった場合には、食器用洗剤ではなく、研磨剤が含まれているクレンザーでカビを削り取る方法が考えられます。
クレンザーは液体のものよりも粉状のものの方が効果的です。重曹にも研磨効果がありますので、まな板のカビを削り取ることが可能です。
ただし、重曹はアルカリ性の物質なので、長時間木製のまな板を重曹の溶液に浸しておくとかえって黒ずみが広がってしまう場合があります。取り扱いには注意が必要です。
木製という特徴を使って紙やすりでカビが生えている部分を削ってしまう方法もあります。
最初に目の粗い紙やすりでカビを削り落として、仕上げに目の細かい紙やすりを使うようにすれば、奇麗なまな板にすることができるでしょう。
次にプラスチック製のまな板です。プラスチック製まな板には、木製まな板とは違ったカビの落とし方が求められます。
プラスチックの場合は、漂白剤を使っても木製のように臭いが染み付いたり変色したりすることを考えなくても良いという利点があります。
カビが生えてしまったまな板を漂白剤を溶かした水の中で漬け置くことで、カビを死滅させることができます。
カビキラーなどのキッチン用漂白剤は塩素系のものが主流ですが、カビには酸素系漂白剤が有効です。人体にも優しいため、酸素系漂白剤を使うことをおすすめします。
漬け置きの時間は、カビの状況にもよりますが、1時間~2時間くらいは必要でしょう。
もしまな板を漬けておくような大きな容器がない場合には、酸素系漂白剤を染み込ませた布巾などでまな板を包みます。
1時間~2時間くらい経ったら、布巾を外して、まな板をよく水洗いしましょう。
カビは生えにくいまな板でおすすめは?
まな板によっては、カビが生えにくいものもあります。有名なものには、青森ヒバを使ったまな板があります。
青森ヒバのまな板は黒ずみやカビが発生しにくく、防菌・消臭効果に優れている製品です。
青森ヒバに含まれるヒバ製油には、ヒノキキチオールとβドラブリンという強力な抗菌作用がある成分があります。2種類とも持っているのは、日本では青森ヒバだけです。
青森ヒバは虫さえも寄せ付けないため、総青森ヒバ造りの家には、蚊が入ってこないとまで言われています。
耐久性も抜群で、建立されてから900年以上経過している中尊寺金色堂にも使われている木材です。
杉などに比べると青森ひばの成長は5倍くらい成長が遅く、厳しい寒さを乗り越えて生育するので木目も細かくなり、耐久性にも優れた木材となるのです。
このような木材で作られたまな板は、香りや水切れが良く、カビが発生しないという利点はあるのです。
青森ヒバのまな板は昔からカビないことで有名でしたが、最近ではゴム製のカビに強いまな板が登場しています。
まな板の素材にゴムを使うこと自体がこれまではあまりなかったことですが、現在では抗菌性のゴム製まな板がたくさん販売されています。
ゴム製まな板の利点は傷が付きにくいということです。ゴムの表面を加工して傷が付きにくいようにすれば、カビが発生しにくくなります。
また、木製のまな板に比べると水切れが良く乾きやすい点もメリットです。さらに臭いも付きにくく掃除がしやすいと言えます。
万が一表面が傷付いてしまったような場合でも、木製のまな板と同様に傷が付いた場所を削り直してもらえば、今までと同じように使うことができます。
青森ヒバ製のまな板もゴム製のまな板も、メンテナンスさえしっかり行えば長く使うことができるものです。
最近では抗菌性を謳ったまな板が、木製、プラスチック製を問わず、たくさんあります。
これはまな板の表面に銀素材などを煉り込んだりしてカビの発生を防ごうとしているもので一定の効果は期待できます。
しかし、抗菌効果のあるまな板はカビないということではありません。普段のお手入れや使い方次第ではカビは発生してしまうものです。
日々のまな板の取り扱いの中でカビが生えないように予防することと、カビが生えてしまった時にきちんとカビを落とすようにすることが、まな板を長く使うコツです。
カビの生えていないまな板で毎日調理ができるように、毎日調理器具を清潔に使いましょう。