夏の終わりごろから秋にかけて旬を迎える果物である、梨。

 

その梨はいつごろに食べごろを迎えるのでしょうか。

 

せっかく買ったのであれば、美味しいものを食べたいものですよね。

 

では、どういった梨が美味しく、そして食べごろであるのかをご紹介します。

 


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梨とは

 

 

梨と聞くと、どんなものを頭に思い浮かべるでしょうか。

 

一般的に、日本で梨と聞けば和梨を想像する方が多いでしょう。

 

実は梨というのは大きく分けると、日本梨とも呼ばれる和梨、白梨とも呼ばれる中国梨、西洋梨とも呼ばれる洋ナシの3種類に分けることができます。

 

もちろん、この記事を読む方の多くが和梨を想像しているでしょうし、この記事も和梨についてご紹介しています。

 

では、この3つはどう異なるのでしょうか。

 

中国梨とは

 

形は日本梨のような丸いものから、洋ナシのような形のものまで様々です。

 

果皮は淡い黄緑色をしています。

 

洋ナシのように追熟しますが、風味や食感は和梨に近いです。

 

日本でもごく一部の地域で、わずかに栽培されていますが、あまり流通することはありません。

 

生食で食べられるほか、缶や瓶詰として加工されたり製菓原料として利用されることもあります。

 

また、漢方として利用されており、咳を収める作用があるとされる杏仁とともに、去痰作用があるとされる中国梨の品種である鴨梨が煎じられた杏梨飲と呼ばれています。

 

洋ナシとは

 

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洋ナシは縦に長く、瓶のような形が特徴です。

もちろん、種によっては和梨のように丸いものもありますし、より長さが強調された形のものもあります。

 

果皮は緑色や、赤色から黄色など様々ですが、日本で栽培されている品種は、その多くが緑色をしています。

 

和梨と大きく異なるのは、追熟させるという点で、追熟させることで果皮は緑色から黄色になります。

 

収穫直後は固く、甘みが少ないですが、追熟させるとともに芳醇な甘みがあります。

 

食感は和梨とは異なり、しゃりしゃりとしたものではありません。

 

和梨とは

 

和梨は、中国原産の果物で、中国はもちろん日本の本州や、四国、九州に野生で生息するヤマナシを基本種とする栽培品種の総称です。

木は15メートルほどになる落葉高木で、葉は12センチほどの卵型をしています。

 

4月ごろにつぼみが出てき、葉の展開と同時期に5枚の白い花を咲かせます。

 

8月の下旬から11月ごろに、リンゴに似た果実をつけます。

 

実は黄褐色から黄緑色で、大きさは直径10センチから18センチ程度です。

 

実には石細胞と呼ばれる、細胞壁が厚くなったものが多く含まれているのであの独特のしゃりしゃりとした食感が生まれます。

 

 

食べごろはいつなの?

 

 

結論から言いますと、梨の食べごろは買った直後です。

 

和梨の特徴は、追熟させないという点です。

 

リンゴやメロンなどは追熟する果物ですので、スーパーなどに出荷されるときは未熟な状態です。

 

それが流通過程や保存時に少しずつ熟し、食べごろを迎えてから食べるということに向いています。

 

ですが、梨は追熟しないので、十分に熟した状態のものが収穫され、出荷されます。

 

つまり、梨はほかの果物のように置いておくと熟するのではなく腐敗するということです。

 

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ですので、美味しい梨を食べたいのでしたら、美味しい梨を選ぶ必要があります。

 

 

美味しい梨の見分け方

 

 

通販では実際に見ることができないため、見た目で見分けることは難しいですが、スーパーなどでは可能ですよね。

 

できる限り美味しそうな梨を見分ける必要があります。

 

まず、梨には果皮が緑色で、酸味があって水分が多く、しっかりとした歯ごたえがある「青梨」と、果皮が黄褐色で糖度が高い「赤梨」の2種類に大きく分けることができます。

 

その中でも種類がありますので、代表的な3つの梨について見分け方をご紹介します。

 

幸水梨の見分け方

 

幸水梨は、赤梨の一種で早生種で、その中で最も品質の高いとされる梨です。

 

やわからい果肉で、水分が多く、強い甘みが特徴です。

 

出荷時期は7月から9月にかけてですが、最盛期は8月から9月上旬です。

 

見分けるときは、まず持った時の重量感です。

見た目のわりに軽いものは、中身がすかすかで美味しさが詰まっていない可能性があります。

 

ずっしりと重いものは、それだけ水分や甘みがつまっているということです。

 

また幸水梨は熟するほどに黄色が強くなり、赤褐色に近くなります。

 

色が薄いものは、日持ちはしますが甘さが少ないです。

 

幸水梨を選ぶ際は、赤みがかった黄色の濃い色をしたもので、持った時にずっしりとした重みがあるものを選びましょう。

 

豊水梨の見分け方

 

豊水梨は、赤梨の一種で中生種の梨です。

 

名前の通り果汁が多いのが特徴です。

 

糖度も高い種類ですが、酸味があります。

 

基本的な見分け方は幸水梨と同じです。

 

豊水梨を選ぶ際も、色味が濃く、重量感があり、ヘタがしっかりと立っているものを選ぶとよいです。

 

豊水梨は幸水梨よりも少し涼しくなってからが収穫時期ですので、少しだけ日持ちの面ではメリットがあります。

 

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ですが、大きな違いとして味があります。

 

幸水梨には酸味がほとんどなく、梨の甘さだけなのに対し、豊水梨は甘みの中に酸味があります。

 

二十世紀梨の見分け方

 

二十世紀梨は青梨の一種で中生種の梨です。

 

一般的に青梨といえばこの二十世紀梨のことを指します。

 

花が鳥取県の県花に指定されているだけあり、梨の生産地として有名な鳥取県の梨の生産量のおよそ8割がこの二十世紀梨です。

 

甘みと酸味がちょうどよく、上品な甘さが特徴です。

 

もちろん赤梨に比べると糖度は高くありませんが、梨の中では最も水分量が多く、程よい酸味が含まれている点も人気の品種である理由です。

 

二十世紀梨は熟することで緑色から黄色へと変化します。

 

二十世紀梨を選ぶ際は、重量感があり黄色みがつよく出ているものを選びましょう。

 

そのほかの梨や一般的な見分け方

 

基本的には、その梨が赤梨であるか青梨であるかにかかわらず重量感があるものを選びます。

 

見た目でいうのであれば、やはり色味でしょう。

 

赤梨であれば、黄色みがつよく茶褐色に近いものが甘みが強く、十分に熟した梨といえるでしょう。

青梨であれば、より明るい色をして、黄色みがかった緑色のものがちょうどよい熟し加減といえます。

 

梨が十分に熟するためには、日光を十分に浴びる必要があります。

梨の表面に黒いツブのようなものが浮き上がっているのを目にしたことがある方も多いでしょう。

 

あまり多いと見た目が悪くなるからと、生産地や生産者によっては袋掛けをすることがあります。

 

袋掛けをしなければ、この黒いツブが大きく目立ってしまいますが、日光を十分に浴びることができます。

 

そのため、色味で判断が難しい時はこのツブの大きさや広がっている面積を参考にするとよいでしょう。

 

 

まとめ

 

 

一度木からもぎ取ってしまった後は追熟しないため、梨は購入してなるべく早い時期が食べごろの果物です。

 

見分ける際に一番参考になるのは色味です。

 

基本的には赤梨でも青梨でも色味が濃いものを選ぶと、よく熟しています。

 

色味だけでは見分けることが難しい時は、梨の皮表面に浮かんでいる黒いツブを参考にしましょう。

 

黒いツブが大きく、よく広がっているもののほうが日光を多く浴びている証拠ですので、より熟していると言えます。

 

手に取ることができる環境であれば、梨を持ってみるとよいです。

 

見た目のわりにずっしりとした重みがあるものは、中身がしっかりつまって水分や甘みが多いということです。

 

ぜひ参考にして、美味しい梨を入手してくださいね。