鶏肉を食べたいと思った時に、どの部位の肉を選べば良いか悩んだ経験はないでしょうか。
むね肉とモモ肉は、具体的にどのように使い分ければ良いか聞かれた場合、中々すぐに答えることができる人はいないでしょう。
今回は、むね肉とモモ肉の違いをご説明します。
上手に使い分けることによってより美味しく料理を作ることができるでしょう。
これからご説明する内容を参考にしながら、鶏肉を使ったレシピを考えてみて下さい。
むね肉とモモ肉の違いは?
むね肉とモモ肉の違いについてご説明します。
それぞれの肉の特徴を踏まえつつ、比較してみましょう。
むね肉の特徴
鶏の胸の部分の肉です。
鶏は胸を頻繁に動かすため、胸筋が発達しています。
そのためむね肉は引き締まっており脂肪が少なく、たんぱく質に恵まれています。
白っぽい色をしている点が特徴的な肉であると言えるでしょう。
脂肪が少ないためあっさりとした味で、料理をするとすぐにパサパサした状態になってしまいます。
むね肉は筋肉の膜が薄いため水分がとびやすく、乾燥してしまいがちであるという欠点があります。
モモ肉の特徴
鶏の足のつけ根から太腿に至るまでの肉を指します。
むね肉よりも脂肪を多く含んでおり、たんぱく質の他にもビタミンや鉄分が豊富です。
モモ肉はやや赤い色をしています。
モモ肉には脂肪が程よく含まれているため、肉ならではのジューシーな味わいを楽しむことができます。
出汁を取ることもできますので、煮物などによく使われる肉です。
それぞれの肉の味の違いとは?
むね肉の方が旨味成分となるイノシン酸がモモ肉よりも多く含まれているため、味に深みを感じられることでしょう。
また、むね肉は脂肪が少なくあっさりとしているため、脂っぽくない肉を美味しく食べたいという方には鶏のむね肉をオススメします。
一方で、肉を食べている感じが欲しいという方にはモモ肉をオススメします。
モモ肉は脂肪分が豊富ですので、しっかりと肉を食べているという感覚を味わうことができるでしょう。
旨味成分がむね肉よりも少ないとはいえ、豊富な脂肪によって生まれる肉のコクとジューシーさはそれを補って余りあるでしょう。
それぞれの肉の値段の違いとは?
販売されている地域によって値段は異なってきますが、むね肉よりもモモ肉の方が倍くらい高いのが普通です。
むね肉の100gが50円の店舗では、モモ肉の100gは100円程度になるといったイメージです。
むね肉もモモ肉も、一羽の鶏から同じくらいの量が取れると言われていますが、なぜこれ程までに値段の格差が生じるのでしょうか。
値段の格差の原因は、需要の差にあります。
日本においてはモモ肉の人気が圧倒的に高く、むね肉の倍以上の値段であってもモモ肉の方が売れているというのが現状です。
モモ肉の需要が高い理由として、日本の料理は味付けが薄いため、ジューシーなモモ肉を好む傾向があるからだと言われています。
また、むね肉は調理の際にすぐに水分がとんでしまうため、むね肉を使った料理は難易度が上がってしまうという事情もあることから、むね肉は敬遠されてしまいがちな食材であると言えます。
一方で、アメリカなどではモモ肉よりもむね肉の需要の方が高くなる場合があります。
味付けの薄い料理の多い日本に対して、アメリカなどでは味の濃いソースなどが多用されるため、自己主張の少ないむね肉が好まれやすいのではないかと言われています。
むね肉とモモ肉はどんな料理に合う?
むね肉とモモ肉はそれぞれどのような料理に合うのでしょうか。
相性の良い料理をご紹介します。
むね肉に合う料理
むね肉はソースやドレッシングといった味が濃い調味料を使う料理に合います。
中華料理や欧米料理は濃い調味料を多用する傾向にあるため、むね肉との相性が良いでしょう。
スープや蒸し料理のように、脂をあまり混ぜたくない料理にも向いています。
スープなどが油臭くならず、むね肉の旨味成分だけを抽出してくれるでしょう。
サラダなど、料理に一味加えるためにむね肉を使用することも有効です。
むね肉をパサパサにしたくない場合は、料理中に砂糖を加えておくと良いでしょう。
砂糖には保水効果があるため、むね肉のパサつきを軽減してくれる働きがあります。
モモ肉に合う料理
モモ肉は和食全般に合います。
料理のおまけとして使われることの多いむね肉に対し、モモ肉は料理のメインとして利用することが可能です。
から揚げ・煮物・照り焼きといった鶏肉を前面に出した料理に利用されることが多いです。
脂肪が多いため、汁物に使う際には油が多くにじみ出してきます。
料理が油っぽくなることを避けたい場合は、脂肪を多く含む皮を剥がしてから料理に使うと、油量を軽減することができるでしょう。
油が少なくなっても十分にジューシーな食感を楽しむことができますので、油を取ることでモモ肉の味が落ちてしまうことを心配する必要は無いでしょう。
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