甘酸っぱい味が特徴の、南国を代表するフルーツといえばパイナップルを挙げる方は多いのではないでしょうか。

 

スーパーなどでもカットフルーツとして販売されることも多く、パイナップル味のアイスなども売られていることからも人気の高さがうかがい知れるフルーツの1つです。

 

ですが、あまりパイナップルを丸ごと1個買うという方はそう多くはないのではないでしょうか。

 

パイナップルといえば大きいフルーツで、家族の人数が少なければ食べきれないかもしれません。

 


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どうしてもパイナップルが食べたいとなれば、缶詰に加工されたものやカットフルーツとして数切れ入っているものを買ってくるということが多いでしょう。

 

ですが、丸ごといただきもので貰ってしまった場合、傷ませてしまったり捨ててしまうというのはあまりにも申し訳ないですよね。

 

今回の記事では、普段どちらかといえば丸ごと接することの少ないパイナップルの食べごろの時期についてご紹介します。

 

 

パイナップルとは

 

 

パイナップルとは、熱帯アメリカ原産の植物で、パイナップル科の多年草です。
主に果実の部分をパイナップルと呼び、植物としてはアナナスという名前で呼ばれることがあります。

もともとパイナップルとは、あの黄色い果実を示す単語ではありませんでした。

 

パイナップル(pineapple)は、本来pineつまり松のappleつまり果実を指すものでした。

 

appleといえば、いまでこそリンゴを表す単語ですが、もともとはリンゴを含む果実全般を表していました。

 

松の果実とはまつぼっくりのことを表していましたが、あの黄色いフルーツの果実がその外観に似ているためパイナップルという名前をつけられました。

 

パイナップルの栽培

 

パイナップルは植え付け後15か月から18か月で収穫することができる植物です。

 

日本では沖縄県で多く生産されています。

 

ですが、多年草とはいえパイナップルは収穫するごとに実が小さくなる特徴があるので、同じ株を3年以上使うことは少ないです。

 

パイナップルの利用

 

パイナップルは主に食用として利用されることが多いです。

 

熟した果肉の皮をむき、生食で食べることができます。

 

もちろん包丁で切ることもできますが、パインピーラーやパインスライサーとよばれる専用の器具を使って皮をむき、同時に実を切り分けることもあります。

 

生食以外にも、パイナップルにはブロメラインという酵素がふくまれています。

 

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この酵素は、タンパク質分解酵素ですので、お肉を柔らかく消化しやすくする効果があります。

 

代表的なものは、広東料理の酢豚でしょう。

ただし、このブロメラインは熱に弱く60℃以上で不活性化するため、お肉と一緒に加熱調理をする際は、あまり柔らかくする効果は得られません。

 

その場合は、生肉をパイナップルの果汁と漬け込むことで多少柔らかくすることができます。

 

ですが、その場合の柔らかくできる条件がまだ未成熟の青いパイナップルやそれの果汁ですので、実際には飾りつけや味のアクセントを目的として使われていることのほうが多いです。

 

また、缶詰にされたパイナップルは、封入後に100℃以上の熱湯で加熱殺菌処理を施されているため、ブロメラインは不活性化しお肉を柔らかくする効果はありません。

 

缶詰に使われるパイナップルは、皮をむいて円筒状になったものを、食べやすい幅でカットし、砂糖シロップを加えたものを加熱殺菌して製造されています。

 

また、ジュースに加工する場合は、缶詰の製造過程で廃棄される果実の表皮や芯の部分、切片や売り物には向かない破損したものを使うことが多いです。

 

ほかにも缶詰に向かない、寒い時期の果実はジュースとしてつかわれます。

 

 

どのようなパイナップルをスーパーで買うべき?

 

 

では、丸ごと一個のパイナップルを買うときは、どんなものを選ぶとよいのでしょうか。

 

実はパイナップルは追熟しないフルーツの一種です。

 

よくしばらく置いておくと甘みが増して美味しいからと食べるまでに期間を置いておく方も少なくはないでしょう。

 

ですが、それはあまり正しいこととは言えません。

 

追熟しないパイナップルは、スーパーなどで買うときに美味しいものを選ぶ必要があるのです。

 

では、どのようなものを選べばいいか見分けるポイントをご紹介します。

 

まずは、パッと見た形で選別しましょう。

形は全体的に丸くふっくらとしており、下のほうが膨らんでいる形のものが甘く熟しています。

 

この形のものは、果汁も多くつまっており、ジューシーな食感もよく味わうことができます。

 

また、葉っぱも注目ポイントです。

 

葉が先端までしっかりとしており、緑色の濃いものを選びましょう。

 

パイナップルの葉は、日光をたくさん浴びることで色が濃くなります。

 

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次に皮にも注目します。

 

皮は黄色いほど熟しており、近年ではオレンジ色に近い品種もあります。

 

酸味が苦手だという方は、なるべく黄色いものを選ぶとよいでしょう。

 

もちろん、パイナップル独特の酸味が欲しい方は、少し緑がかったものを選んでもよいです。

 

そして、パイナップルの皮の最大の特徴は網目模様が浮かび上がる点でしょう。

 

この網目模様にも見分けるポイントはあります。

 

網目部分がふっくらとしており、網目自体が大きいものは1回目の収穫である可能性が高いです。

 

最後に確認しておかなければならないのは、パイナップルの底面です。

 

この部分には甘みがつまっており、一番おいしい部分といっても過言ではないのですが、一番早く傷んでしまう場所でもあります。

 

底面にカビが生えていないか、茎の後ろに点々がついていないか、部分的に色が変色していないかを確認しておきましょう。

 

また、その際ににおいを嗅いでみるのもよいでしょう。

 

パイナップルは食べごろになると底面から甘い香りがします。

 

 

パイナップルはいつが食べごろ?

 

 

基本的に常温では追熟しないパイナップルは、買ってきたその日が食べごろと言えるでしょう。

 

では、パイナップルを置いておくと甘みが増すというのは嘘なのでしょうか。

 

実は、あながち嘘とも言えません。

 

パイナップルは置いておくことで酸味が抜けるので、相対的に甘みが増したように感じます。

 

ですので、買った後に食べごろを見極めるのであれば、底面のにおいを嗅いでみましょう。

 

十分に甘くなり、食べごろのパイナップルは底面からはっきりと甘い匂いを感じることができます。

 

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早く熟させるにはどうしたらいい?

 

 

基本的にはパイナップルが熟することはありません。

 

追熟とは、果実の中に含まれているデンプンが消化され果糖に変わるため甘くなる現象のことです。

 

ですが、パイナップルにはもともとデンプンが少ないため、放置しておいても甘みが増すということは起こりにくいのです。

 

では、なぜ放置しておく習慣があるのかというと、これはまだ日本でパイナップルが生産されていない頃の知恵によるものです。

 

パイナップルに限らず、熟した果実はあとは傷むだけです。

 

日本と遠く離れた生産地から輸入しようとすれば、傷むまでの期間を考慮してまだ未熟なものを輸入するしかありませんでした。

 

特に、昔なので保存技術も今ほど高くなかったため、どうしても未熟なものを選ばざるを得なかったのでしょう。

 

そのため、追熟しないパイナップルは店頭に並んでいる際も未熟なままです。

 

それではまだ酸味が強く、美味しく食べることができませんでした。

 

ですが、放置することにより酸味が抜け甘みを強く感じることができるということが経験則的にわかってきたため、パイナップルは買ってからしばらく放置するという習慣が根付いたのです。

 

もし、甘みを強くしたいのであれば、買ってきたパイナップルを逆さに置いておきましょう。

 

そうすることで、底部にたまった甘みを全体的に行きわたらせることができます。

 

また、その際に日光に当てることでより早く甘みを行きわたらせることができます。

 

ただし、甘みに虫などが引き寄せられてしまうので、網などをかけておくとよいでしょう。

 

 

まとめ

 

 

追熟しないパイナップルは、スーパーなどで購入したその時が一番の食べ時です。

 

そのため、購入時からよく熟したものを選ぶようにしましょう。

 

パイナップルは見た目やにおいから熟し度合いを判断することができます。

 

もし、まだ緑みがかかっており、あまり甘そうではない場合はしばらく放置しておくとよいでしょう。

 

追熟して甘みが増すことはありませんが、酸味が和らぎ相対的に甘みを強く感じることができます。

 

放置しておくときは、底面を上にすることでたまっていた甘みを全体的に行きわたらせることができますので、おすすめです。