会社の出張で新幹線のグリーン車を使える役職になると、何とかここまで頑張ってきたなと感慨にふけるサラリーマンもいるかもしれません。

しかし、世の中の流れは厳しく、出張時のグリーン車は一律禁止になっている会社も増えているようです。

グリーン車の名前の由来やサービス内容を説明して、新幹線のグリーン車と普通車の違いを解説します。

 


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なぜ「グリーン車」と言うの?

 

 

グリーン車は新幹線専用の座席ではなく、新幹線以外の普通車両や特急、急行車両にも設定されている座席です。

全てのグリーン席が緑色のシートになっているわけではないのに、なぜグリーン車という名前が付いているのでしょうか。
座席
JR各社の前身である国鉄の時代には1969年(昭和44年)までは等級別(二等級制、以前は三等級制)の座席が設定されていました。

一等車の車両には緑の帯がデザインされており、切符も緑色だったそうです。

等級制が廃止された時にこの一等車の緑の帯のデザインを踏まえて、グリーン車と普通車という名称になりました。

現在のグリーン車の四つ葉マークも、等級制が廃止された時に導入されたものです。つまり、国鉄時代の名残がグリーン車にはあるということです。

 

 

グリーン車のサービス

 

 

一般的には普通席に比べるとグリーン席の方が乗客のスペースが広く快適だと言われていますが、グリーン車ならではのサービスというものがあるのでしょうか。

飛行機の場合はビジネスクラスやファーストクラスというエコノミー席とはサービス内容が大きく異なるシートがあります。

ビジネスやファーストクラスでは搭乗前のラウンジの時点で、専用のラウンジがあり飲食や休憩の時間を快適に過ごすことができるようになっています。

 


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また、搭乗する時にも優先的にチェックインできますし、機内食もエコノミー席とは異なるちょっとリッチなメニューが提供されるケースが多いのではないでしょうか。
車窓
いっぽう新幹線のグリーン車ではどのようなサービスを行っているのでしょうか。座席に関しては、普通席が一列5席(3+2席)に比べて4席(2+2席)となっているので、その分広くなっていると言えます。

具体的には、新幹線のグリーン車の基本的なシートピッチは1,160mmとなっていて、普通車のシートピッチの1,040mmよりも12cm広くなっています。

また、座席数が少なくなっているので中央通路の広さもグリーン車の方が広くなっているので移動しやすくなっています。

新幹線のグリーン車ならではのサービスは毛布の貸し出しがあることです。棚の上に備え付けられているので、自由に利用することができます。

のぞみなどの一部の車両ではお絞りのサービスを実施している場合もありますし、車両によって異なりますが座席に雑誌類が置いてあることもあります。

新幹線のグリーン車には特別なラグジュアリーなサービスというものはないので、飛行機のアッパークラスの座席に対するサービスとはだいぶ異なっていると考えられます。

新幹線という乗り物の特徴かもしれませんが、グリーン車だからと優先して早く乗車できることはありません。

ホームの待合室も普通席と同じ場所にありますし、基本的には車内のお弁当が用意されているわけではありません。

なお、現在では、グリーン車だからといって喫煙OKにはなっておらず、例えば、東海道新幹線のN700系ではグリーン車専用の喫煙ルームが設けられています。

普通席の人の利用禁止を明示しているわけではないのですが、原則として10号車(グリーン車両)の乗客が利用することを前提としているそうです。

そもそもグリーン車とは新幹線の何号車があたるのでしょうか。

 


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新幹線の路線によって異なりますが、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」、「こだま」、「ひかり」といった700系では8号車、9号車、10号車がグリーン車となっています。

上越新幹線の場合は10両編成の9号車がグリーン席となります。なお、2階建て車両の場合は、7号車と8号車の2階席と15号車と16号車の2階がグリーン席です。

東北・秋田・山形新幹線の場合は、10両編成であれば9号車が、17両編成であれば9号車と11号車がグリーン車です。

このように各路線ともグリーン車を用意していますが、そのコンセプトは「上品かつ安らぎのある落ち着いた客室空間」とされています。

これは一人一人のお客様に満足してもらえる個の空間を演出するという意味が込められているそうです。

グリーン車ではそれぞれのお客様が安心して快適な時間を過ごして頂けるような座席を目指しているので、過剰なサービスの提供は控えているのかもしれません。

現在では、新幹線は忙しいサラリーマンにとっては重要な交通機関であり、飛行機よりも手軽で身近な乗り物になっています。

時間に追われているような人でも、ほっと一息入れることができる空間がグリーン車には求められているのかもしれません。
掲示板

 

 

グリーン車と普通車は何が違う?

 

 

グリーン車と普通車の最大の相違点は料金です。グリーン車の料金は距離によっても異なっていますが、だいたい指定席料金に4,000円から6,000円くらいプラスするとグリーン料金になります。

100kmで1,000円くらいがグリーン料金の相場です。早割などの割引を使うと安く済むこともあるので確認してみてはいかがでしょうか。

飛行機のアップグレード(ビジネスクラスやファーストクラスへの変更)に比べるとかなりお得な料金体系になっています。

正規の航空機料金であれば、東京(成田)-ハワイ(ホノルル)間はエコノミーで片道5万円くらいですが、ビジネスクラスだと片道12万円くらいするので、新幹線のグリーン車とは比べ物になりません。

座席や通路の広さと料金以外に新幹線のグリーン席と普通席の違いにはどんな点が挙げられるでしょうか。

 


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グリーン車は主に社用族かお年寄りが多いので、子供が少ないという印象があります。子供のうちからグリーン車を使うことはぜいたくだと考える親も多いのかもしれません。

そのせいか、グリーン車はとても静かです。うるさく騒ぐ子供もいないですし、落ち着いた時間を過ごすことができます。

サラリーマンの中には、新幹線のグリーン車が落ち着いて一番仕事がはかどるという人もいるくらいです。

グリーン車では広さのメリットばかりが注目されますが、普通車とはカーペットも異なっており、贅沢な高級感のあるじゅうたんのようなカーペットを使っています。

厚いじゅうたんは遮音性にも優れているので、ますます静かで落ち着いた空間を演出しているのです。

また、グリーン車には乗客の出入りも少なく、他のお客様に煩わされることも少ないと考えられます。

したがって、芸能人などは一般人に騒がれることを嫌い、また芸能人というステータスもあり、グリーン車を利用する人が多いというのも頷けます。

 

 

実際に新幹線のグリーン車で芸能人に遭遇する確率は多いかもしれませんが、騒ぐと本人にも周りの人にも迷惑なので、節度を持った対応をすることがマナーとして必要です。

普通車が混雑しているような場合には、ゆとりがあるグリーン車の方が快適に過ごせますし、ちょっとした優越感を感じることもできます。

また、前述したように集中して仕事をしたい時なども、静かであまり邪魔されるようなことがないグリーン車であれば、適していると考えられます。

 

 

ただし、普通車がガラガラなのに高いお金を払ってグリーン車に乗る場合には、ちょっともったいないと思ってしまうかもしれません。

新幹線で過ごす時間に何を求めるのか、でグリーン車を利用することの是非が変わってくるのかもしれません。