キズパワーパッドはジョンソン・エンド・ジョンソン社が販売している新しい治療方法を利用した傷をケアする製品です。
キズパワーパッドは従来のバンソウコとはどのような点が異なっているのでしょうか。
キズパワーパッドが優れている特徴を説明して、交換時期や上手な使用法について解説します。
キズパワーパッドはいつ交換すべき?
キズパワーパッドは湿潤療法(モイストヒーリング)という方法を利用して傷を治す製品です。これまでは、傷ができると消毒して乾かしてかさぶたを作って治すというドライヒーリングが主流でした。
しかし、消毒薬には皮膚を再生する細胞を死滅させてしまうことになってしまい、乾燥を進めると再生細胞の活動の動きが鈍くなってしまうことから、新たに唱えられたのが湿潤療法でした。
キズパワーパッドを使うと、傷の部位が乾燥することなく、湿った環境が維持されるので早く治ることが期待できます。
また、かさぶたを作らないので、傷跡として残ることが少なくなります。さらに炎症を抑制する効果もあるので傷が痛むこともなくなります。
傷からは血液だけでなく体液も滲み出ています。この体液には傷を早く治す効果があるのでキズパワーパッドで体液を保護しながら治療を進めることが効果的なのです。
キズパワーパッドはガーゼの部分がないため、従来の治療方法に慣れている人には患部に貼ることに違和感を感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際に貼ってみてもはがれにくくフィット感があり、また水濡れにも強いので、従来のバンソウコのように貼ることは可能ですが、使用方法はかなり異なっています。
フィット感があるのは傷からの体液を含んでパッドが膨らむことでフィット感が増すのです。吸水性も高いのでしっかり貼り付いていればお風呂やお勝手仕事も問題ありません。
従来のバンソウコは雑菌が入らないように、基本的には毎日交換することが必要でしたが、キズパワーパッドは最大で5日間くらいは貼りっぱなしでも大丈夫です。
キズパワーパッドのパッドの中には細胞の再生のために必要な成分が含まれているので短期間で替えてしまうと、湿潤治療の効果がなくなってしまいます。
しかし、いつまでも同じパワーパッドを使っていると化膿してしまうリスクもあります。
細胞再生を早める湿潤治療ですが、キズパワーパッドを貼る前に傷を洗って汚れを除いておかないと黴菌が残ってしまう可能性もあります。
前述したように傷に消毒液を塗ってしまうと、細胞を再生する効果がなくなってしまうので、水で洗うことに留めておくようにしましょう。
キズパワーパッドを貼っても痛みがずっと続いていたり、傷の治りが遅いような場合には、必要に応じて医者に診察してもらうことが大切です。
上手な使い方とは?他のアイテムと併用できる?
キズパワーパッドの使い方で気を付けなければならないのは、どんな傷であっても万能な製品だと勘違いをして貼っていれば治ると思ってしまう点です。
例えば、火傷による傷にキズパワーパッドを貼る場合には、貼りっぱなしにしていると感染症を起こしてしまう場合があります。
前述した最大5日間貼りっぱなしにしていても良い傷は浅い傷だけで、深い傷であれば患部の洗浄とキズパワーパッドの張り替えが必要になります。
深い傷であれば大量の体液が継続的に染み出ているので、その状態を覆った状態でいると黴菌が患部に集まってしまう可能性があります。
体液をパッドに留めて再生を促すことがキズパワーパッドの機能ではありますが、大量の体液を排出することはドレナージと呼ばれる不必要な血液や体液を外出する医学的な手法にもなります。
余分な体液を患部から排除して、清潔な状態でキズパワーパッドを交換することも傷の具合次第では重要になります。
また、傷ができた翌日にキズパワーパッドを使わないように、と使用方法には記載されていますが、これはかさぶたができている場合にその上からキズパワーパッドをかぶせてしまうと、体液がかさぶたの下に閉じ込められてしまい感染症を起こしてしまう危険性があるからです。
このような場合にはかさぶたを剥がしてからキズパワーパッドを使うようにしましょう。お風呂やシャワーでかさぶたを柔らかくすれば剥がすことは可能です。
しかし、一方でかさぶたを無理やりに剥がすのであれば、そのままの状態にしておいたまま治るのを待つ方が安心かもしれません。
無理やりにキズパワーパッドを使う必要はないと考えられます。キズパワーパッドを使う場合に他のアイテムと併用するようなことは考えられるのでしょうか。
前述したように消毒薬や殺菌剤などは併用しないことをおすすめします。また、膿がひどいような場合には、まず膿の治療を優先させたほうが良いでしょう。
これは化膿している場合には、黴菌が患部から全身に回ってしまい大きな病気になってしまう可能性もあるので、キズパワーパッドの使用をいったん中止して病院で受診することをおすすめします。
基本的には、治療が順調に進んでいるのであれば、併用する治療アイテムは考える必要はないでしょう。