ドライフルーツの中でもレーズンパンとして多くの人に親しまれているレーズンは多くの人が口にしたことがあるのではないでしょうか。
レーズンはブドウの果実を干したものですが、生のブドウよりも甘みが増しており、お菓子などにも利用されている食べやすいドライフルーツでもあります。
さまざまなレシピに使われているレーズンにはどのような栄養素が含まれているのか、などレーズンについて説明します。
レーズンの栄養素や成分は?
ブドウを干してレーズンにするのは天日を用いた自然乾燥と熱風を使った人工乾燥の2つの方法があります。
自然乾燥は時間がかかりますがじっくりとブドウの美味しさを凝縮することができますし、人工乾燥では短時間でレーズンに加工できることができます。
レーズンを作る時に洋酒などのアルコール分を混ぜることがありますが、ブドウを柔らかくして乾燥を促進する効果がある一方で、時間が経つとアルコール分は飛んでしまうので基本的には子供が食べても問題はありません。
レーズンはブドウから水分を除いた栄養分が凝縮されて含まれていると考えて良いのですが、具体的にはどのような成分が含まれているのでしょうか。
レーズンの栄養素で注目すべきはカリウムです。カリウムには体内の水分量を調節する機能があります。
また、レーズンは鉄分も豊富です。鉄分が豊富だと言われているプルーンの倍以上(約2.3倍)もの鉄分がレーズンには含まれています。
レーズンの主な成分には炭水化物もあります。特にブドウ糖と果糖が多く、人間にとって大切なエネルギー補給の源となってくれます。
レーズンの甘さは、このブドウ糖や果糖に由来しているのです。
ビタミンB6を含んでいることもレーズンの特徴のひとつです。ビタミンB6は脂質や炭水化物の新陳代謝にとって有益な成分です。
ビタミンB1も含まれていますが、このビタミンB1は糖質の代謝に必要な栄養素とされています。
食物繊維も豊富なので、レーズンは妊婦や小さな子供にも適していると考えられます。
しかし、離乳食にするには少し固いので、歯が生えてレーズンを噛み砕けるようになってから幼児食として与える方がよいでしょう。
どのような健康効果が期待できる?
レーズンにはカリウムが豊富なので、細胞の浸透圧を調整してむくみを抑えてくれる効果があります。また、高血圧の予防効果もあるので、血圧が高めでむくみやすい人にとっては役立つ食材です。
レーズンの鉄分は貧血予防に最適な成分です。特に女性にとっては血中の鉄分不足を補うためにレーズンの摂取が効果的だと考えられます。
レバーも鉄分が豊富な食材ですが、レバーはどうしても苦手な人がいることも事実です。しかし、レバーと異なり、レーズンは嫌な臭いもないので比較的食べやすい食材と考えられます。
炭水化物も豊富なのでエネルギーを蓄えられることから疲労回復の効果も期待できます。
ビタミンB6やビタミンB1は代謝を促進してくれるので、アルコールを摂取し過ぎた時の分解を促してくれて、脂肪肝になるのを防いでくれます。
また、気分がイライラするのを抑制する働きもあるので精神安定効果も期待できます。
食物繊維も豊富なので、整腸効果や便秘改善の効果もあります。ヨーグルトとレーズンを一緒に食べると相乗効果で健康な胃腸になるでしょう。
そして、ブドウにも含まれているポリフェノールも豊富なので、抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用とは老化の原因となる体の酸化を抑制してくれる力のことです。
アンチエイジングにもレーズンは高い効果を発揮してくれる食材です。
食べ過ぎの副作用は?他の副作用は?
レーズンは一粒が小さいのでついつい食べ過ぎてしまうことがあります。甘みと酸味で後を引く美味しさがあるので、仕方ない面もあるのですが、食べ過ぎには気を付けた方がよいでしょう。
レーズンには前述したように、糖分が多く含まれています。糖分が多いということはカロリーが高いということです。
つまり食べ過ぎると簡単にカロリーオーバーになってしまう食材でもあるのです。
食物繊維が豊富で代謝を高めてくれるのでダイエットに向いている面もあるのですが、糖分のコントロールをしなければならない食材であることには注意してください。
レーズンに豊富に含まれているカリウムも摂取しすぎると大変な状況になってしまう可能性があります。
カリウムはカルシウム分と結合しやすく、体内で石化してしまう場合があります。具体的には尿管結石や腎臓結石といった病気の原因となってしまいます。
結石は一度発病すると、注意していないと、何度も再発する病気です。結石になってしまった経験がある人は、レーズンを食べることは極力避けた方が賢明だと考えられます。
豊富な食物繊維は整腸作用がある一方で、下痢にもなりやすいという面も持っています。したがって、レーズンを食べ過ぎると肥満と下痢の可能性がある、ということになります。
赤ちゃんは食べてもいい?
前述したようにレーズンの栄養素を考えると小さな子供にもレーズンは適していると考えられる食材です。
蒸しパンの具にしたり、シリアルに混ぜたりすれば、子供は喜んで食べると思われます。しかし、赤ちゃんにはまだ早いかもしれません。
前述したように離乳食にするにはまだレーズンは固すぎると考えられるからです。ブドウの水分が抜けている状態なので、当然生のブドウよりは固くなっています。
歯が生えていないような赤ちゃんによってはレーズンを噛み砕くことは難しいでしょう。また、レーズンはものによっては洋酒漬けのものもあります。
基本的にはアルコール分は蒸発していると考えられますが、もし残っている場合には赤ちゃんにとっては非常に危険な食べ物になってしまいます。
また、小さい子供も含めて、レーズンを食べ過ぎるとお腹がゆるくなったり、肥満気味になってしまう可能性もあります。
したがって、レーズンを赤ちゃんに与えることは止めておいた方が安心ですし、レーズンを食べられるような年齢に子供が成長したとしても食べ過ぎないように保護者が注意しておく必要があります。
ドライフルーツの効能には素晴らしいものがありますが、食べ過ぎは体に毒であることは覚えておいてください。