大根の葉っぱには豊富な栄養分があると言われていますが、知らずに捨ててしまっている人もいるのではないでしょうか。
大根は白い根っこの部分だけではなくて、料理方法次第で葉っぱの部分も美味しく食べることができます。
大根の葉っぱの栄養分と効能について説明します。また、大根の葉っぱの保存方法や育て方についても紹介します。
大根の葉の栄養価は?
大根の葉っぱに含まれてる主な栄養素には、ビタミンA、ビタミンC、鉄分が挙げられます。ビタミンAにはβカロテンという成分が含まれており、体内の新陳代謝を促す効果があります。
また、ビタミンAには肌の潤いを保つ機能があり、美肌効果に優れた栄養素でもあります。
ビタミンAは油に溶ける脂溶性ビタミンでもあるので、大根の葉っぱをそのまま摂取するよりも、油で炒めて食べた方が吸収率が格段に上がります。
ビタミンCは抗酸化ビタミンとしても有名なビタミンです。抗酸化ビタミンとは、体の老化を進行させる活性酵素の働きを弱めてくれる効果のあるビタミンのことを言います。
また、肌のシミの原因になるメラニン色素の働きを抑制する効果もあるので、美肌効果抜群の野菜なのです。
しかし、ビタミンCはビタミンAとは異なり水に溶けやすい水溶性のビタミンです。
したがって、シミの改善を優先したいような場合は、大根の葉をそのまま食べられるような調理方法が適しています。
鉄分は体の中でも血液中の、主に赤血球にとっては非常に大切な成分です。健康な血液を作るためには欠かせない成分であるため、特に女性にとっては重要な栄養素です。
鉄分が不足すると、貧血を起こす場合もありますし、生理不順などの症状を引き起こす場合もあります。
一般的には緑黄色野菜には鉄分が豊富であるとされていますが、その中でも大根の葉っぱには多く含まれていて、ほうれん草にも匹敵する量の鉄分があります。
他にも食物繊維やミネラル分も豊富なので、整腸作用も期待できますし、便通の改善にも効果があるとされています。
保存方法は?
大根の葉っぱは文字通り葉の部分なので放っておくとしなびて黄色くなってしまいます。大根の葉っぱを保存するためにはどのようにするのがよいのでしょうか。
基本的には冷凍、あるいは冷蔵することが考えられますが、冷凍する場合にはそのままではなく、いったん茹でてから冷凍することをおすすめします。
大根の葉を茹でたらしっかりと水気を切ってから冷凍するようにしましょう。あまり固めずにバラバラの状態で冷凍すると解凍しやすいので使いやすくなるでしょう。
前述したように、大根の葉に含まれるビタミンCは水溶性なので、茹でると成分が壊れて流れ出てしまいます。
そのような場合には大根の葉っぱを干して保存することが考えられます。天日干しにして乾燥させたものを冷凍保存すれば、ビタミンCを壊すことなく保存することが可能です。
大根の葉を使った料理を保存食として活用することも考えられます。
例えば、細かく刻んだ大根の葉とシラスやジャコなどを炒めて、ふりかけのようにすれば、いつでもご飯にかけて食べることができる保存食とすることができるでしょう。
このように料理の状態にした大根の葉も冷凍保存することができるので、試してみてはいかがでしょうか。
しかし、冷蔵保存はあまり長期間の保存はできないでしょう。冷蔵庫の中は乾燥してるので、大根の葉の水分が奪われてしまいます。
常温で保存する場合で3日間くらい、冷蔵庫でも5日間くらいが保存期間の限度です。
少しでも大根の葉を長持ちさせたい場合には、大根を買ってきたらすぐに葉っぱを切り落としてしまうことが大切です。
葉の栄養分が根の部分に吸収されてしまうので、葉っぱが早くしなびてしまうからです。少しだけ根を残して、切り分けてしまった方が葉っぱは長持ちします。
すぐに大根の葉っぱを使う場合でも、切り離した葉っぱをコップや容器に水と一緒に入れておくと葉っぱが乾燥しにくくなります。
育て方は?
大根の葉っぱを育てることは可能なのでしょうか。根の部分を残しておいた、葉が生えていた大根を水に漬けておくと、10日間くらいで新しい葉が生えてきます。
しかし、これは残った根の部分にある養分を使って葉っぱが生えているものです。大根の下2/3くらいが養分を吸い取る力がある部分なので、このままでは大根が成長することはできません。
大根を水耕栽培で育成させることは、基本的には難しいと考えられます。土の中で養分と水がなければ生育することはできないのです。
したがって、大根の根に養分が残っている限りは大根の葉を育てることはできますが、長い間大根の葉を育てることはできない、ということになります。
大根は根の部分だけでなく、葉の部分にも豊富な栄養分が含まれていて、体にも良い効能が考えられる食材です。
決してそのまま捨てることなどないように、保存方法や調理方法を研究して、美味しく食べるようにすることをおすすめします。