最近は自転車を趣味にしている人が増えていて、高価な自転車や高機能な自転車を大切に雨がかからない室内などで保管している人もいるようです。
しかし、普段の通学用自転車や買い物用自転車などは雨ざらしの状態でおいてあることも多いのではないでしょうか。
自転車を雨ざらしの状態にしておくとどのようなことが起きるのでしょうか。雨ざらしの自転車の寿命や対策について説明します。
自転車は雨ざらしは避けたほうがいい?
昔は自転車も高価で、そうそう簡単には購入することができない乗り物でした。自動車に乗ることができない主婦や学生、子供にとっては重要な交通手段でもありました。
なるべく長持ちさせるために、こまめに掃除をしたりチェーンに油を差したり、とても大切にされていた記憶があります。
現在では、自転車の価格もかなり安くなってきており、古くなったら新しいものに買い替えれば良いと考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、環境に対する影響という新しい視点で、ゴミをなるべく減らそうという動きが盛り上がっていることも事実です。
自転車がゴミになると、金属やゴムなどの資源ゴミ・粗大ゴミになるので、環境負荷が重くなります。したがって、自転車は簡単にゴミに出しにくいものになっています。
しかも、自転車を雨ざらしにしておくと早くダメになってしまいます。自転車は主に金属とゴムでできています。
雨ざらしということは、雨だけではなくて、自転車は直射日光も浴びているでしょう。金属の部分は雨に濡れると、酸素と反応してサビを発生させます。
自転車に一ヶ所でもサビが発生するとあっという間に全体にサビが広がってしまいます。フレームの耐久性も落ちてしまいますし、何よりも見てくれが非常に悪くなります。
また、ゴム製のタイヤも雨や直射日光で劣化することが考えられます。タイヤは自転車の中でも非常に大切な部品です。
乗り心地にも大きな影響を与えますので、空気をきちんと入れておくことが重要です。タイヤが劣化すると、チューブが破れやすくなってしまい危険です。
運転中にチューブが破れると自転車のコントロールができなくなって、事故を起こしてしまう可能性があります。
直射日光は、自転車の色を褪せさせてしまうことがあります。色褪せた自転車は、言葉は悪いですが、みすぼらしい感じがしてしまいます。
自転車を雨ざらしの状態にしておくと早ければ1年くらいで自転車はだめになってしまいます。長くても3年が限度です。
一般的には自転車の寿命は10年くらいとされていますので、雨ざらしがどれくらい自転車に悪い影響を与えているのかがわかるのではないでしょうか。
自転車は毎日きちんとメンテナンスをしていると15年~20年くらいは乗ることができるので普段のお手入れはとても大切です。
やはりタイヤ(チューブ)が最も劣化しやすいパーツなので、定期的に交換することで自転車そのものを長持ちさせることができます。
パンクしやすいので、パンク修理のキットを準備しておくとよいでしょう。
何度もパンクを修理したチューブでは、またパンクしてしまう危険性があるので、ある程度のパンク修理をしたチューブは新しいチューブに交換しましょう。
また、サビ落としでフレームのサビをこまめに落とすことも大切です。雨に濡れた自転車のフレームの水気を拭き取っておくだけでも、サビの発生を防ぐことができます。
最近はサビに強い塗装をしたフレームを持つ自転車も登場していますが、水気を近付けない方がサビの予防にはなります。
自転車を雨ざらしにしていても大丈夫だと思っている人がいるかもしれませんが、雨と直射日光は自転車にとって大敵です。
オススメの対策は?
自転車を雨や直射日光から守るためにはどうすればよいのでしょうか。前述したように、常に屋内に自転車を置くようにすることが考えられます。
屋根のある通気性の良い場所で、自転車を保管しておけば、雨に濡れることもありませんし、直射日光を浴びることもありません。
徹底するのであれば、雨天の日には自転車には乗らないようにすることも一案です。しかし、よほどの高級自転車でない限りはあまり現実的ではありません。
少なくとも屋根のあるカーポートに置くようにするだけでも、雨ざらしの状態は避けることができます。
直射日光も遮ることができるので、サビの発生や塗装の劣化などの防止効果は高いと考えられます。
しかし、屋根付きの駐車場、あるいは駐輪場は、土地に余裕がある人でないと対応することが難しいかもしれません。
田舎では大丈夫かもしれませんが、都心では屋根付きの駐輪場を個人で整備できる人はそんなに多くはないでしょう。
そのような場合は、自転車にカバーをかけることで対応しましょう。自転車のカバーには雨除けの機能だけでなく、直射日光を反射する機能が付いているものもあります。
手軽に準備できますし、価格も幅広く用意されているので、自転車のサイズや機能に合わせて購入しましょう。
ただし、自転車本体とは異なり(自転車はきちんと盗難防止をすることが可能)、自転車カバーは簡単に盗まれてしまう可能性があります。
自宅に限らず、自転車は出かけた先で必ず屋根のある場所に駐輪できるとは限りません。場合によっては出先で雨に濡れてしまうこともあります。
自宅以外に駐輪する場合にも、できるだけ屋根のある所に駐輪して、雨と直射日光から自転車を守るようにすることが大切です。
通勤や通学に自転車を使っている場合には、自宅以外に駐輪している時間の方が長い可能性もあります。
どうしても屋根があるような場所に駐輪できない場合には、自宅に帰ってから雨に濡れた自転車を乾いた布などでよく拭いて水気を切っておくことが大切です。
前述したように、雨ざらしにしてそのまま雨の水分がフレームなどに残ってしまうと、空気中の酸素と水分が鉄分と結合してサビを発生させてしまうのです。
つまり、雨に濡れた自転車をよく拭くようにすれば、基本的にはサビの発生は防ぐことができます。
もちろん、普段の雨が降っていない空気中にも水分(湿気)は含まれています。雨が降っていなくても、普段からお手入れをすることが自転車を長持ちさせる秘訣です。