辛味と酸味でご飯がすすむキムチですが、本場韓国で作られたキムチは辛味も強烈で日本のものとは味わいが異なります。
日本産のキムチの中には、塩と調味料主体の漬物に近いものもありますが、きちんと発酵させたキムチには本来の味わいとともに効能があるのです。
キムチの効能や効果的な食べ方などについて説明します。
キムチの効果的な食べ方は?頻度や量は?
キムチは発酵食品として有名な朝鮮半島発祥の漬物の一種です。韓国では保存食として、冬になる前に一家や隣近所などで大量のキムチを漬ける様子がたびたびテレビで放映されます。
韓国には200種類以上のキムチがあると言われていますが、各家庭でも特色のあるキムチを漬けているのでバラエティ豊かな国民食とも言えます。
キムチの発酵は、乳酸菌によって野菜の糖質が分解されて発酵が進みます。発酵が進むと乳酸菌の力が弱まって、酢酸菌による発酵へと進みます。
酢酸菌の力が強まるとキムチの酸味がきつくなってきます。発酵食品を食べることは健康に良いとされているため、積極的に摂取した方が良いでしょう。
しかし、キムチは塩分が高いので食べ過ぎると塩分過多になって腎臓障害を起こしてしまう可能性もあります。
商品によって含まれている塩分量は異なっていますが、食べる一日の量は50gくらいを限度の目安にしておくとよいでしょう。
また唐辛子も大量に使用されています。本場韓国産のキムチは前述したように日本産のものよりも多くの唐辛子が含まれていることもあります。
唐辛子の食べ過ぎも胃腸にダメージを与えてしまう場合があります。胃が痛くなったり下痢になってしまったりすることがあるのです。
基本的には、キムチは毎日食べても問題のない食材ですが、塩分や唐辛子の取り過ぎには注意をして適量を食べることをおすすめします。
キムチの効能5選
キムチは体に良い健康食品として知られていますが、具体的にはどのような効能があるのでしょうか。
疲労回復
キムチにはビタミンB1やアリシンといった成分が含まれています。ビタミンB1には体内で糖分をエネルギーに変換するために必要な物質です。
またアリシンはにんにくに多く含まれていて、ビタミンB1の吸収を促す効果があります。
キムチを食べると、エネルギーの生成を促進してくれるので、疲労した体を早く回復させてくれるのです。
免疫力強化
キムチには免疫力を強化する効能もあります。
唐辛子に含まれているカプサイシンには抵抗力を高める効果がありますし、しょうがに含まれているジンゲロールには新陳代謝をよくして体を温める効果があります。
キムチを漬けておく液の中には免疫力を強める成分が豊富に入っているのです。
整腸作用
キムチには乳酸菌がたくさん含まれており、この乳酸菌には胃腸の調子を整える力があります。キムチの乳酸菌はヨーグルトの100倍もあるそうです。
多くの乳酸菌は胃酸のせいで胃に届いた時点でほとんどが死滅してしまいます。しかし、キムチの乳酸菌の一つであるラクトバチルス乳酸菌は、生きた状態で胃まで到達します。
ラクトバチルス乳酸菌は胃の中で善玉菌を増やしてくれるのです。この乳酸菌が腸内環境を整えてくれるので便秘解消にも役立つのです。
また、白菜にも食物繊維が豊富に含まれています。乳酸菌と食物繊維のおかげで高い便秘改善効果を期待することができるのです。
美肌効果
キムチには美肌効果もあるとされています。前述したように便秘対策にもなるので、便通の悩みによる肌のトラブルからは解放される可能性が高いでしょう。
また、キムチに含まれている唐辛子の主成分であるカプサイシンには発汗作用があり血行が改善する効果があります。また唐辛子にはβカロテンも豊富に含まれています。
βカロテンには老化を促進する活性酵素を消滅させる機能があるのでアンチエイジングにも効果的です。
また、白菜にも活性酵素の働きを弱める働きがあるジヂオールヂオニンという成分が含まれています。
同様に、白菜に含まれているビタミンAには皮膚や粘膜を健やかにする機能があり、ビタミンCには肌の保湿成分にとって重要なコラーゲンを生成する働きがあります。
ビタミンCにはシミの原因となるメラニン色素の元となるチロシナーゼという物質の働きを邪魔して、過度な活性酸素の分泌を押さえるという効果もあります。
その他にも、白菜には吹き出物や肌荒れなどの予防には効果的なビタミンB2や、皮膚の新陳代謝を促して荒れた肌をきれいに改善することに役立つビタミンB6などが含まれています。
このように特に白菜のキムチには美肌効果があるとされているのです。韓国が美容大国と言われているのはキムチのおかげもあるのかもしれません。
ダイエット効果
キムチにはダイエット効果もあります。そもそもキムチはカロリーの低い食べ物であり、唐辛子の発汗効果や脂肪燃焼効果もあるので、ダイエットにはうってつけの食材です。
ただし、キムチそのものはカロリーが低いのですが、味が濃くて辛いのでご飯をたくさん食べてしまうことがあります。
キムチのダイエット効果を享受するためには、一緒に食べるものにも気を配ることが必要かもしれません。
納豆と一緒に食べるとさらに効果が増す?
キムチだけ食べても上記のような効能はありますが、他の食材と合わせて食べるとより効果的な影響があります。
その代表的な食材が納豆です。納豆も発酵食品で、大豆を納豆菌(枯葉菌)で発酵させた食品です。
納豆にはビタミンB2が豊富に含まれており、炭水化物や脂質をエネルギーに変換してくれる働きがあります。
キムチ納豆は、キムチのビタミンB1の機能と合わせて、体内の成分をエネルギー変換してくれるので、元気になることができる食べ物です。
また、納豆にも豊富な食物繊維が含まれているので、キムチ納豆の整腸作用により便秘対策には非常に効果的な食材だと言えるでしょう。
キムチ納豆は、実は、夜に食べた方が効果的です。どうしても納豆には朝ご飯のイメージがあるかもしれませんが、人は寝ている時に成長ホルモンの分泌が盛んになります。
納豆に含まれているアルギニンという物質は成長ホルモンの分泌を促進してくれます。
丈夫な骨や筋肉を作ってくれるので、睡眠時間の前の夕ご飯に納豆キムチを食べた方がより効果があるのです。